光学機器

2020年10月 5日 (月)

安価なスタンド付き三角プリズム

三角プリズム 物理学 光の実験 教育 光学ガラス製 光スペクトル 物理教育

 三角プリズムは以前は高価だったのですが、最近では安価な中国製のものが入手できるようになりました。しかしながら、スタンド付き(台座付き)の三角プリズムは安価なものはありませんでした。この三角プリズムは価格は2,400円ぐらいで、写真のようにプラスチック製のスタンドが付いています。プラスチック製ですので、多少のゆがみはありますが、簡単なプリズム分散の実験には十分に使えます。スタンドがなくて実験に苦労していた人は楽になると思います。

 プリズム本体は光学ガラス製とあります。どんな光学ガラスなのかは説明はありませんが、本ブログの記事「光学ガラス製のガラス玉」で紹介したBK7相当のK9と呼ばれれているものかもしれません。

台座付き三角プリズム
台座付き三角プリズム

 次のような箱に入って届きました。中国語で三角プリズムは「三稜鏡」と言います。ちなみにレンズは「透鏡」です。

三稜鏡の箱
三稜鏡の箱

【仕様】

材質:プラスチックスタンド、光学ガラスプリズム
スタンドカラー:ブラック
サイズ(L * W):17 * 12cm
重量:約 109g

パッケージに含まれるもの:
1×光学三角プリズム
1×ブラックスタンド

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2020年9月29日 (火)

凹レンズの公式の導出-虚像

 凹レンズでできる虚像のレンズの写像公式も実像のときと同様に求めることができます。

凹レンズでできる虚像
凹レンズでできる虚像

 この図からレンズの公式を導くことができます。

 次の図で△OABと△OA’B’が相似形であることに注目します。

凹レンズの虚像の相似形
凹レンズの虚像の相似形

△OABと△OA’B’が相似形ですから、

A’B’/AB=B’O/BO=b/a ……(1)式

の関係にあります。

次に、下図で△FPOと△FA’B’が相似形であることに注目します。

凹レンズの虚像の相似形
凹レンズの虚像の相似形

△FPOと△FA’B’が相似形ですから、

A’B’/PO=B’F/OF=(f-b)/f ……(2)式

の関係にあります。

ここで、AB=POであることに着目すると(1)式と(2)式が等しいことがわかります。

つまり、

b/a=(fーb)/f

の関係にあります。

この式を変形すると、

bf=afーab

となります。

両辺をfで割ると

b=aーab/f

より

-ab/f=b-a

両辺をabで割ると

-1/f=1/a-1/b

となります。

凹レンズの場合はf<0とし、また虚像はb<0とする約束がありますので、

1/f=1/a+1/b

のように表すことができます。

レンズの倍率mは虚像の高さと物体の高さの比ですからA’B‘/ABです。これは(1)式と同じですから、次の式が得られます。

m=A’B’/AB=b/a

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2020年7月 7日 (火)

CASIO QV-10A-コンパクトデジタルカメラの市場を開いたデジカメ

 CASIO QV-10Aはカシオ計算機が1996年に発売したコンパクトデジタルカメラです。1年前の1995年にCASIO QV-10というモデルが発売されていますが、QV-10AはQV-10の改良版になります。QV-10には撮影した写真の下部が緑色を呈するという問題がありました。QV-10Aではこの問題が解決されています。

Casioqv10a1

 コンパクトデジタルカメラはCASIOのQV-10やQV-10Aの発売前にもありましたが、実質的にデジタルカメラの市場を大きく開いたのは、斬新な特徴をもったCASIOのQV-10とQV-10Aと言っても過言ではないでしょう。

 どこが斬新だったかというと・・・

 まず、1番目の特徴は液晶パネルを搭載した世界初のデジタルカメラで、撮影中の画像や撮影後の写真をその場で確認することができました。銀塩カメラしか使ったことのない人には衝撃的な機能でした。

Casioqv10a2

 第2の特徴はレンズを回すと自撮りができたということです。この時代に自撮りを先取りしていたのはすごいことです。銀塩カメラで自撮りする場合は勘で撮影するしかありませんでしたが、このカメラは液晶モニターで確認しながらの自撮りが可能でした。

Casioqv10a3

そして、第3の特徴は撮影した写真をパソコンで取り込んだり、テレビに映すことができました。カメラの丈夫には撮影に必要なボタンやパソコンなどに接続するためのコネクタがあります。

Casioqv10a4

 1995年にはWindows 95が発売開始となり、パソコンで画像を見る機会も増えてきました。また、商用インターネットが始まり、ホームページを作る人が増えてきました。QV-10やQV-10Aはホームページに掲載する写真を撮影するカメラとしてはたいへん便利だったのです。

 撮像素子は、なんと25万画素の1/5インチのCCDイメージセンサーで、320x240ドットの写真を撮影することができました。メモリは2MBで前述のサイズの写真を96枚撮影することができました。

 下記の写真は、当時、新幹線に乗ったときに富士山を撮影したものです。

Temp084

 レンズが単焦点だったり、電池の消耗が早いなどの欠点もありましたが、自分の周りには、このカメラを持っていた人はずいぶんいました。自分もこのカメラをきっかけにデジタルカメラを買うようになりました。

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2013年3月25日 (月)

図解入門レンズの基本と仕組み[第2版]-身近な現象と機器に学ぶ光学入門

UPDATED!

レンズの基本と仕組み[第3版]

が出版されました(2020年3月)

図解入門よくわかる最新レンズの基本と仕組み[第2版]

図解入門レンズの基本と仕組み[第2版]-身近な現象と機器に学ぶ光学入門

 

本書はレンズについて知りたいという人を対象に、光の性質から、レンズの基本的な仕組み、種類、収差や性能、眼鏡やカメラなど実際の機器でのレンズの使われ方を図表を使ってやさしく解説します。

 

【内容】

 

 カメラや天体望遠鏡には興味があるけど物理は苦手という人でも、レンズの基本について勉強できる本です。

 

 中学理科から高校物理で学ぶ光の基礎知識を取り上げながら、レンズについてわりやすく解説した本です。

 

単行本: 291ページ
出版社: 秀和システム; 第2版 (2013/03)
ISBN-10: 4798037354
ISBN-13: 978-4798037356
発売日: 2013/03

 

目次

 

はじめに

 

 21世紀の科学技術は「光の時代」と言われています。現在、光の先端技術を応用したものが、私たちの生活の中にたくさん入ってきています。

 光の技術があるところでは、必ずといってよいほどレンズが活躍しています。レンズはカメラや望遠鏡だけではなく、CD/DVDプレーヤーやコピー機、レーザープリンタをはじめとする、光を使った様々な製品に使われているのです。レンズは光技術の立役者であるといっても過言ではありません。

 本書の構成にあたっては、レンズの専門家ではない人や、物理は少し苦手と思っている人が、「レンズについて知りたい」「勉強したい」と思ったときに、どのような入門書があればよいのかを中心に考えました。

 レンズを勉強するためには、光の基本的な性質を理解しておく必要があります。なぜなら、光とレンズは切っても切れない間柄だからです。この本では、光の基本的な性質についても、ページをかなり割いて説明しました。本書で取り上げたものは、レンズを学ぶ上で必要となる知識です。そこで、本書1冊で光の基本からレンズの仕組みまでを理解できるように、あるいはレンズの専門書で行き詰まったとき、理解を助けるために読んで頂けるように心がけて、執筆を進めました。

 本書は2005年3月に第1版が発売されてから8年の歳月が経過し、ここに第2版を出版することになりました。改訂にあたっては、本書の基本的な主旨は踏襲し、読者の皆さんから頂いた質問や意見などを参考に、よりわかりやすい内容に仕上げることをめざしました。そのため、巻頭のカラー口絵のページや、新しい文章や図を加えて、第1版に比べて約50ページ増量しました。

読者の皆さんが、本書を手にすることによって、光とレンズに関する基本知識を身につけられ、本書がレンズ光学の専門書への橋渡しの役割を果たすことができたとしたならば、著者としてこれほど嬉しいことはありません。

 最後になりますが、本書の作成にあたっては、北海道理科サークルWisdom96の皆さんに、書き上げた文章を読んで意見を頂いたり、写真を提供して頂いたり、お世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。

 そして、本書の編集作業を担当していただいた秀和システム第一出版編集部の皆さんにお礼を申し上げます。

 

 

 

第1章 レンズとは何か

 

    • 1-01 そもそもレンズとは?

 

    • 1-02 レンズの働きをするものを探してみよう

 

    • 1-03 レンズの歴史

 

    • コラム 世界最古のレンズ? ニムルドのレンズ

 

    • 1-04 望遠鏡と顕微鏡の歴史

 

    • 1-05 カメラの歴史

 

  • コラム 活動写真の発明

 

第2章 光の基本的な性質

 

    • 2-01 光はどのように進むのか① 光の直進性

 

    • コラム 鏡の歴史

 

    • 2-02 光はどのように進むのか② 光の反射と乱反射

 

    • 2-03 光はどのように進むのか③ 光の屈折と反射

 

    • コラム 光通信と光ファイバー

 

    • 2-04 光はどのように進むのか④ フェルマーの原理とスネルの法則

 

    • 2-05 光の分散

 

    • 2-06 光の回折と干渉

 

    • コラム シャボン玉でできる虹

 

    • 2-07 光が偏るとは?

 

    • 2-08 どうしてものが見えるのか

 

    • コラム 物体はどのようにして見えるのかを研究した人びと

 

    • 2-09 光と色の三原色

 

    • 2-10「光る」とはどのようなことか

 

    • 2-11 光の速度はどれぐらいか

 

    • コラム 光速の測定が光の波動説の完全勝利をもたらした

 

    • 2-12 光の正体は何か

 

    • 2-13 電磁波とは何か

 

    • 2-14 幾何光学と波動光学

 

  • コラム ナノテクノロジーとは

 

第3章 レンズの基本的な仕組みと働き

 

    • 3-01 影や像のできかた

 

    • 3-02 レンズの仕組みと働き

 

    • コラム 老眼鏡と近視眼鏡のレンズの種類を確かめる

 

    • 3-03 レンズの構成

 

    • 3-04 レンズを通る光の進みかた

 

    • 3-05 レンズでできる像

 

    • 3-06 レンズの式と倍率

 

    • 3-07 レンズの置き方

 

    • 3-08 2枚のレンズを通る光

 

    • 3-09 レンズの簡易な作図方法

 

    • コラム 平行光で凸レンズの焦点距離を求める

 

    • 3-10 凹面鏡と凸面鏡

 

  • コラム 凹面鏡を利用した太陽炉

 

第4章 レンズの分類

 

    • 4-01 レンズの基本的な分類のしかた

 

    • 4-02 表面で光を屈折するレンズ① 

 

    • 4-03 表面で光を屈折するレンズ② 

 

    • 4-04 表面屈折以外のレンズ

 

    • コラム 光を回折させてみよう

 

    • 4-05 レンズを作る材料

 

    • コラム ガラスはなぜ透明か

 

    • 4-06 光学ガラスの屈折率とアッベ数

 

    • 4-07 光学ガラスの分類

 

    • 4-08 ガラス以外の材料

 

    • 4-09 レンズのつくりかた

 

  • コラム 光学ガラスやレンズの製造工程を詳しく知りたい人は

 

第5章 レンズの収差と性能

 

    • 5-01 収差とは何か

 

    • 5-02 球面収差

 

    • 5-03 コマ収差と非点収差

 

    • 5-04 像面湾曲と歪曲収差

 

    • 5-05 軸上色収差と倍率色収差

 

    • 5-06 Fナンバー

 

    • 5-07 開口数NA

 

    • 5-08 絞りと瞳

 

    • 5-09 絞りの位置とテレセントリック

 

    • 5-10 焦点深度と被写界深度

 

    • 5-11 レンズの解像力と伝達関数MTF

 

    • コラム 偏心収差 レンズ製造やとりつけで生じる収差

 

    • 5-12 アッベの不変量とラグランジュの不変量

 

  • コラム レンズの設計

 

第6章 レンズを使った製品と技術

 

    • 6-01 光学系とは何か

 

    • 6-02 眼の働き

 

    • 6-03 眼鏡と眼の屈折異常① 

 

    • 6-04 眼鏡と眼の屈折異常② 

 

    • 6-05 コンタクトレンズの仕組み

 

    • コラム 昆虫の複眼の仕組み

 

    • 6-06 ルーペの仕組み

 

    • 6-07 顕微鏡の仕組み

 

    • 6-08 望遠鏡の仕組み

 

    • コラム 双眼鏡の仕組み

 

    • 6-09 カメラの仕組み

 

    • 6-10 CD-ROMとCD-ROMドライブの仕組み

 

    • 6-11 レーザープリンタの仕組み

 

    • 6-12 バーコードリーダーの仕組み

 

    • 6-13 半導体産業を支えるステッパーレンズ

 

  • 6-14 自然現象とレンズ

 

索引

 

参考文献

 

読者サポートサイト

 

http://lens.goryoukaku.com/

 

▼サンプルページ

 

巻頭口絵(抜粋)

 

Front

 

第1章 第1節 そもそもレンズとは

 

Page11

 

第2章 第3節 光はどのように進むのか③光の屈折と全反射

 

Page23

 

 

 

第3章 第4節 レンズを通る光の進みかた

 

Page34

 

第4章 第1節 レンズの基本的な分類のしかた

 

Page41

 

第5章 第2節 球面収差

 

Page52

 

第6章 第2節 目の働き

 

Page62

 

 

 

 

 

 

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2012年11月 2日 (金)

360度パノラマカメラのF1走行動画

360度パノラマの表示というとGoogle Street Viewを思い出しますが、これを視点操作が可能な動画のシステムとして実現したのが次の影像です。

この 映像はノルウェーのMaking View社が開発したシステムで作成されたものです。カメラシステムをF1 のセバスチャン・ブエミ選手が運転するレッド・ブルのマシンに搭載し、F1カーがコースを走る様子を360度パノラマで撮影してあります。

すごいのは、動画上でマウスやキーを操作すると、視点がスムーズに切り替わることです。

実際にためしてみてください。なお、こういう動画をマウスやキーで操作すると、自動車を操縦しているような錯覚に陥りますが、操作できるのはステアリングではなくて、カメラです。

でも、視点が変わるので運転しているような感覚にもなります。

ただし、視点とハンドル操作は逆だということに気が付くでしょう(笑)

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2012年10月26日 (金)

ピンホールで像ができる仕組み

 次の図のように厚紙に1センチメートルほどの星型の穴を開けて、天井の蛍光灯で厚紙の影を作ると、どのような影ができるでしょうか。穴の部分が明るい星型をした厚紙の影ができるでしょうか。

3031

 実際にやってみると、影の穴の部分は星型をしておらず、そこに蛍光管の姿が映し出されます。穴の形が円形でも三角形でも四角形でも、穴の形に関係なく蛍光管の姿が映ります。

 もし、蛍光管が円形のタイプのものなら、ドーナツ状の蛍光管の姿が映し出されます。このように映し出された物体の姿を像といいます。この像は鏡の中に見える物体の虚像とは異なり、そこに実際にやってきた光で作られる実像です。
 光源や物体の1点から出る光は四方八方に広がって進みます。次の図は物体の1点から出た光がピンホールに入る様子を示したものです。物体の1点から出て広がって進む光のほとんどは遮断されますが、ピンホールを通り抜けることができた光がスクリーンに物体の像を作ります。

3032

 ピンホールでできる像は元の物体と上下左右が反転した倒立像となります。これは光が直進するからです。次の図のように物体のABXYから出てピンホールに向かう光は、ピンホールを通過した後、A’B’X’Y’に向かって進みます。つまり、ピンホールで光が交差するため上下左右が反転した像ができるのです。ピンホール現象を利用したカメラが第1章で説明したカメラ・オブスクラ、つまりピンホールカメラです。

30321

 ピンホールと同様に鏡でスクリーンに像を作ることもできます。太陽光を鏡で反射させスクリーンに当てたとき、鏡とスクリーンの距離が短いと鏡の形をした明るい光が映るだけですが、距離が長くなると次の写真のように太陽の像が映ります。ピンホールは光を通過させて像を作りますが、鏡は光の進む向きを反転させて像を作ります。

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2012年9月 6日 (木)

度数を変更できる流体レンズ

 眼の水晶体は非常に優れたレンズです。水晶体の注目すべきところは、水晶体の厚さを調節することによって、焦点距離を変化させることができることでしょう。普通のレンズではそのようなことができないので、たとえば、カメラでは、レンズを前後に動かしてピントを合わせます。

 「なんとか水晶体のようにレンズ1枚で焦点距離を変更することができないか?」というアイデアで開発が進んでいるのが流体レンズです。

 ここで紹介するレンズは流体に電圧をかけて、焦点距離をリアルタイムに自由に変更することができるタイプのレンズです。屈折率の異なる2つの流体を使い、その厚さや形状を変えることによって、焦点距離を変えます。

 たとえば、オランダのPhilips Electronics社が開発したFluidFocusレンズは、次の図のように、短い円筒容器の中に、お互いに混じり合わない屈折率の異なる導電性流体と絶縁性流体が封入されています。

 

Photo

 

 ここに電圧をかけると流体の表面張力が変化し、流体の界面が短時間で下方向に凸型に変化します。この流体レンズは、まるで眼の水晶体のように1枚のレンズだけで焦点距離を変化させることができます 。

 このような流体レンズが実用化すれば、1枚のレンズで焦点距離が可変となるため、レンズ光学系全体の大きさを小さくすることができます。また、短時間でピントを合わせることができるようになります。

 前後に動かして焦点距離を調整するカメラのレンズと併用する形で、レンズにフィルターのように取り付けて、焦点距離の微調整に使うというのも面白いかもしれません。

 レンズはもともとガラスの表面を球面上に研磨した簡単な道具で、その基本原理も光の屈折にすぎませんが、新しい材料の開発や加工技術の発達などを背景に、どんどん進化しています。これから先も人類の英知がレンズに注がれていくことでしょう。

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2012年7月 3日 (火)

透明なプラスチック(1)

 一昔前までは透明な材料と言えばガラスが代表格でした。しかし、現在では、優れた透明性をもつプラスチックが開発され、ガラスの代わりに使われるようになってきました。プラスチック材料として透明性をを重視した素材といえば、ポリカーボナートとアクリル樹脂が代表格です。

 ポリカーボナートもアクリル樹脂も透明性の高いプラスチックですが、透明性だけで比較すると、アクリル樹脂の方がポリカーボナートよりも優れています。アクリル樹脂は眼鏡や光ファイバーの材料として使われます。もちろん、その透明性は石英ガラスには及びませんが、プラスチックの中では特に透明性が高い材料です。

 しかしながら、アクリル樹脂には割れやすいという欠点があります。そこで、アクリル樹脂までの透明性は必要ないが、割れにくいなどの耐久性を重視する場合にはポリカーボナートが使われます。

 たとえば、CDやDVDのディスクは、データを読むための光がディスクの板の厚み方向を往復するだけで良いので、アクリル樹脂ほど透明性がなくても支障はありません。そこで、CDやDVDのディスクの素材にはポリカーボナートが使われています。

 ただし、ポリカーボナートを光学用途に使うには複屈折(参考記事:方解石による複屈折)が大きいという問題があります。

 ポリカーボナートのポリマーを引き伸ばして成型する場合、ポリマーは成形の時に流れた方向に引き伸ばされた構造になります。このとき、ポリマーの鎖の方向と、鎖と垂直な方向との屈折率が異なるため、複屈折が生じます。

Photo

 複屈折が生じると、材料の縦方向と横方向で焦点距離が変わってしまうため、光でデータを読み取るのが難しくなります。そこで、これを解消するために、分子量を小さくしたり成形方法を工夫したりして複屈折をなるべく小さくするような工夫がなされています。

 一見、透明に見える材料も、力のかかり具合によって、屈折率がバラツキ複屈折を生じます。これを光弾性といいます。たとえば、プラスチック製のスプーンを偏光フィルタを通して観察してみると、歪んだ部分が色づいて見えます。

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【参考】

「機能性プラスチック」のキホン

桑嶋 幹 (著), 久保 敬次 (著)

欲しい性能を付与できる進化した有機材料の世界

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2012年6月19日 (火)

高エネルギー可視光線 - 用語

最近、パソコンの使用時に透明なメガネをかけている人が多くなってきました。

パソコンのディスプレイがCRTだった頃、静電気で飛沫する微粒子から眼を守るために、メガネをかけましょうというのがありましたが、LCDが主流になってからは、眼を守るためにメガネをかけるということはなくなりました。

どうして、最近になって、メガネをかける必要が出てきたかというと、LCDのバックライトがハ白色LEDに変わったからです。白色LEDは青色LEDと、その青色LEDの光で励起されると黄色い光を出す蛍光体を組み合わせたものです。ですから、白色LEDが出す光には波長が短くてエネルギーの高い青色光がたくさん含まれています。

眼科の分野では、可視光線のうち波長380 nmから530 nmまでの光のことを、高エネルギー可視光線(HEV light, High-Energy Visible light)と呼び、青色光網膜障害の原因となるとされています。最近では、白色LEDが使われる例が増えていますので、眼が長時間青色光にさらされる機会が増えています。

パソコンのLCDディスプレイは、眼から近い位置で使うことが多く、また、画面を凝視する時間が長いので、眼が青色光に長時間暴露されます。そこで、眼を守るために、高エネルギー可視光線の波長領域の光をカットするメガネが使われるようになっているのです。

Bluelight

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2012年5月26日 (土)

Micrographia by Robert Hooke / Project Gutenberg

昨日紹介したProject Gutenbergで、ロバート・フックのミクログラフィアの電子書籍をダウンロードすることができます。単純なhtmlで書かれたWebページも参照することが可能です。

Micrographia by Robert Hooke
http://www.gutenberg.org/ebooks/15491

顕微鏡は1590年頃にオランダのヤンセン親子によって発明されましたが、その発展は顕微鏡に比べ大きく遅れました。ものを拡大して見る道具としては、凸レンズ1枚のルーペで十分だったからと考えられます。

 イギリスのロバート・フックは拡大率が数十倍の凸レンズを2枚使った複式顕微鏡を作り、さまざまな動植物の観察を行いました。下図はフックが作った顕微鏡のスケッチです。

Roberthookmicroscope1

 フックはコルクに無数の小さな部屋があることを発見し、その部屋のことをcella(ラテン語で細胞という意味、英語ではcell)と名付けました。1665年に出版されたミクログラフィアに、フックが観察したたくさんの動植物のスケッチが掲載されています。これらのスケッチは上記のサイトで参照することができます。

Roberthookmicroscope2

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