光源

2023年5月11日 (木)

太陽と雲と薄明光線

 河川沿いの土手を歩いていたら空に大きな雲が広がっていました。風に吹かれて左の方へ移動していきます。雲の左側には太陽が輝いていたのですが雲に遮らられていきます。太陽が雲に隠れると雲の切れ間から光芒が漏れ出しました。これは薄明光線と言って雲の端や切れ間から光が漏れて光線が放射状に見える現象です。光線が下に降り注ぐ薄明光線は天使の柱とも呼ばれます。今回は光線が漏れ出している位置の下側に厚い雲が広がっているので天使の柱とまでは言えないような薄明光線でした。

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 光線が漏れ出しているところを拡大撮影してみました。上の写真より雲がやや左側に移動し太陽がさらに雲に隠れています。太陽光と雲の厚さで複雑な色合いになっています。上から1/3ぐらいのところと1/2ぐらいのところになんだか動物の顔のように見えますね。1/3のところは口を大きく開いています。1/2のところは青い目が不気味です。

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2021年2月 9日 (火)

有機ELの仕組み

有機ELとは

 最近、携帯電話や小型テレビなどに有機ELと呼ばれるディスプレイが使われるようになってきました。有機ELディスプレイは液晶やプラズマディスプレイに続く次世代の薄型ディスプレイとして注目されています。また、有機ELは照明への利用の研究開発も進んでおり、次世代の照明としても期待されています。有機ELは有機エレクトロルミネッセンス(OEL、Organic ELectro-Luminescence )の略で、有機物に電圧をかけると、光を出す現象のことです。

エレクトロルミネッセンスとは

 金属が電気を通すことができるのは、金属の内部に金属原子から離れて自由に動くことができる自由電子が存在するからです。この自由電子の動きが電流の正体です。

 多くの有機物は自由電子をもたないため絶縁体です。ところが、ある種の有機物はその内部に比較的自由に動くことができる電子をもち、電圧をかけると電流が流れます。このような有機物を有機伝導体といいます。電圧をかけると光を出すものが有機ELの材料として使われます。

 エレクトロルミネッセンスのルミネッセンスは、物質が外部からエネルギーを吸収したのち、吸収したエネルギーを光として放出する発光現象のことです。たとえば、パーティなどに使うケミカルライトは、化学反応のエネルギーで高エネルギー状態となった蛍光物質が元の安定したエネルギー状態に戻るときに、余分なエネルギーを光として放出する化学ルミネッセンスを利用したものです。

 エレクトロルミネッセンスはルミネッセンスのうち電気エネルギーで発光する現象のことです。蛍光灯やLEDが光る仕組みもエレクトロルミネッセンスです。

ケミカルライトと蛍光灯とLED
ケミカルライト(左)と蛍光灯(中)とLED(右)

有機ELの発光パネルのしくみ

 有機ELの発光パネルは、有機ELの材料となる有機物を透明な基板に薄く塗ったもので、その厚さは1万分の1ミリメートル程度しかありません。有機ELの発光パネルは次の図のように電極で発光層を挟み込んだ構造をしています。

有機ELの発光パネルの仕組み
有機ELの発光パネルの仕組み

 電極間に電圧をかけると、陰極から電子、陽極から正孔(電子が不足して電子の抜け穴ができたところ)が注入されます。電子と正孔はそれぞれ電子輸送層と正孔輸送層を通って、発光層で結合します。このとき、結合のエネルギーで発光層の物質が高エネルギー状態となります。しかし、この高エネルギー状態は元の安定したエネルギー状態に戻ります。このとき、高エネルギー状態と元の安定したエネルギー状態の差分のエネルギーが光として透明基板側から放出されます。この発光は電圧をかけている限り続きます。

有機ELパネルの発光の仕組み
有機ELパネルの発光の仕組み

 発光層に使われる材料には低分子と高分子の蛍光物質と燐光物質があります。現在、広く使われているのは低分子の蛍光物質で、光の三原色の蛍光物質がそろっています。燐光物質は蛍光物質に比べて発光効率が良く、最近になって実用化されるようになりつつありますが、長寿命の青色の発光材料の開発が進められています。高分子材料は実用化に向けて開発が進んでいます。実用的な材料が開発されると、安価な大型の有機ELパネルの大量生産や折り曲げることができるフィルム状のディスプレイの実現が可能になると期待されています。

有機ELによるカラー表示

 有機ELディスプレイのカラー表示の方式はいくつかあります。ここでは次の図に示す4つの方式について説明します。

有機ELディスプレイのカラー表示の方式
有機ELディスプレイのカラー表示の方式

 ①は最も標準的な方式で、RGBの光の三原色(光と色と「「光の三原色」と「色の三原色」|色が見える仕組み(7)」)を発光する発光層を使ったものです。発光層を色別に配置する必要があるため製造コストが高くなります。

 ②は白色光を出す発光層とRGBのフィルターを使った方式です。①よりも構造が簡単ですが、フィルターで光が吸収されるため発光効率が悪くなります。この方式はバックライトを使う液晶ディスプレイ(LCD)のカラー表示とよく似ています。

 ③は青色光を出す発光層とRGの蛍光物質を使う方式です。①よりも構造が簡単で、②よりも発光効率が良い方式です。

 ④は①と同じですが、発光層を並べるのではなく積み重ねる方式です。①はRGBを3つ並べて1ピクセルととしていますが、④はRGBを重ねて1ピクセルとしています。有機ELパネルの基板は薄いので、このような方式が可能となります。

有機ELの特徴と利用

 有機ELディスプレイはLCDに比べ明るくて鮮明な画像を表示することができます。これはLCDがフィルターを透過してきたバックライトの光で画像を作っているのに対し、有機ELディスプレイは発光層が自ら光を出すからです。また、視野角が広く、斜めから見ても画像が綺麗に見えます。発光のレスポンスが良く、低消費電力です。さらに、非常に薄くできるため、変形するフィルムなどにも画像を表示することができます。

 有機EL照明は1990年代に白色光を出す発光層材料が開発され、実現できるようになりました。有機EL照明はパネル全体が光るので、天井や壁の面全体を光らせるような大規模な面光源の照明を作ることができます。また、形状も自由に設計することが可能です。

天井全面の有機EL照明
天井全面の有機EL照明

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2020年11月18日 (水)

青は進めの真実|交通信号の色

 国際照明委員会(CIE)で定められた世界共通の交通信号の色は「緑・黄・赤」の3色です。航空関係などでは白や青の信号もありますが、CIEでは信号に使う光は「赤・黄・緑・青・白」の5色とし、それぞれの色の光の波長範囲や強さを定めています。

 日本では交通信号の色は「緑・黄・赤」ではなく「青・黄・赤」と認識されています。「青は進め」とは言いますが、「緑は進め」とは言いません。日本で現在使われている交通信号は確かに「青・黄・赤」に見えますが、昔使われていた交通信号は「緑・黄・赤」の3色でした。しかし、当時も「青は進め」と緑信号のことを青信号と呼んでいました。どうして緑なのに青なのでしょうか。

 これは日本人の青色に対する認識に由来します。日本人は昔から青色と緑色を明確に区別する文化をもっていませんでした。青色の範囲が広く、「青野菜」や「青々とした緑」など緑色も青色と呼ぶことが多かったのです。実際に明治生まれの自分の祖父も緑色を青色と言っていたことをよく覚えています。このような背景から、日本人は緑信号のことを青信号と呼んだわけです。

 しかしながら、近年では、日本人も青色と緑色を区別するようになりました。緑色を青色と呼ぶ人はほとんどいなくなりました。ですから、昔の緑信号では青信号と呼ぶのに違和感が出てきたのですが、慣習で青信号と呼んでいたわけです。

 そこで、現在の信号機では、CIEが規定している緑色信号の光の波長範囲で、なるべく青色に近い波長の光が採用されるようになりました。昔の信号よりはずいぶん青色に近い緑色になりました。

青信号
青信号

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2014年5月18日 (日)

不思議な3Dライト 

光るドクロのライト。

3dlamp

このドクロ、どこから見ても3Dに見えるのですが、実は厚さ5 mmのガラス板でできているのだそうです。どうなっているのかは下記の映像を見るとわかります。

BULBING: Flat LED lamp! on Kickstarter

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2013年10月 1日 (火)

高温の物体から出る光 熱放射

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 高温に熱せられたものが光を出すことは多くの人が経験から知っていると思います。たとえば、写真のような電気ストーブは、ヒーターが高温になると、ヒーターから赤い光が出てきます。高温の物体から光が出てくるしくみを考えてみましょう。

 電熱線に電気と通すと、発熱と同時に暗赤色になります。電熱線は温度が高くなるにつれて明るい色を出します。このとき、電熱線が発熱するのは、電熱線の金属原子が振動するからです。原子が振動するとき、原子の中の電子は原子より軽いため、より激しく振動します。電荷をもつ電子が振動すると、電磁波が発生します。

 冷たい氷を含めて、あらゆる物体は熱をもち赤外線を出しています。これは電子の振動に由来します。そして、物体の温度が上昇して電子の振動エネルギーが可視光線のエネルギーに相当する大きさになると、目に見える光が出てきます。電子の振動が激しくなるにつれて、光の波長の種類と光の量が増え、やがて白色光や青白い光が出てくるようになります。このように物体が熱を光として出す現象を熱放射といいます。熱放射で物体から出てくる光の色や強さは、物体によらず温度で決まります。これを黒体輻射といいます。

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 身近な例では、白熱電球は、熱放射で光を出しています。白熱電球は電気エネルギーを熱エネルギーに変換してから光を出すため、電気エネルギーを光に変換する効率が低く、100ワットの電球で10%程度しかありません。そのため、光っている電球は非常に熱くなっています。

 光源が発する光の色を熱放射で光を出している物体の絶対温度(K)に換算して表したものを色温度といいます。色温度によって光源の色を数値的に表すことができます。また熱放射で光を出している物体についてはその物体の色から温度を知ることができます。たとえば宇宙に輝く恒星はその色から表面温度を知ることができます。白熱電球も熱放射で光を出しているのでその色から温度を知ることができます。しかし同じ伝統でもLEDや蛍光灯は熱放射で光を出しているわけではありませんのでその色から温度を知ることはできません。

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2012年6月24日 (日)

色温度 - アイちゃんのなるほどライティング

岩崎電気のホームページに「アイちゃんのなるほどライティング」というサイトがあります。

アイちゃんのなるほどライティング
http://www.iwasaki.co.jp/info_lib/lighting/

色温度についてわかりやすく解説してくれる映像です。

色温度 - アイちゃんのなるほどライティング

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2012年6月23日 (土)

影絵 白と黒の世界

人間の手だけで作った影絵の映像ですが、白と黒と手の形だけで引き込まれるような世界を作り出しています。

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しゃれた映像だなと思ったら、最後に。なるほど、ある会社のCMでした。

Shadow Hands!!!!! Amazing!!!!!!

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2012年6月13日 (水)

岩崎電気の「アイちゃんのなるほどライティング」 光や光源のことを映像で詳しく解説してくれるサイト

 岩崎電気のホームページに「アイちゃんのなるほどライティング」というサイトがあります。

アイちゃんのなるほどライティング
http://www.iwasaki.co.jp/info_lib/lighting/

光のことや光源のことを映像でわかりやすく解説してくれます。

光とは? - アイちゃんのなるほどライティング

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2012年6月12日 (火)

いろいろな電灯のスペクトル

いろいろな電灯の可視スペクトルを集めた映像を見つけました。

回折格子分光器-いろいろな電球の光のスペクトル

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2012年4月17日 (火)

電灯から出て四方八方に放射状に広がる光

電灯など普通の光源から出た光は四方八方に放射状に広がります。

そのことが良くわかる電灯がありました。

P9100330

電灯の傘のところを拡大して撮影してみました。

P9100329

1点から放射状に出た光の一部だけがレンズに入ります。こういう実験装置ありますね。

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