科学

2020年7月21日 (火)

「レンズ」のキホン (イチバンやさしい理工系)

 「レンズ」のキホン (イチバンやさしい理工系)

 光学とレンズの初心者向けの図解入門書です。フルカラーですので、光路図などがとてもわかりやすくなっています。光学とレンズのキホンのキから解説しているので、これからレンズのことを勉強したい人だけでなく、レンズの基本を教える人にとっても役に立つと思います。

Hyosi

桑嶋幹(著)

レンズを知ると光学はこんなにおもしろい!
昨今のデジタル一眼レフカメラのブームもあって、レンズのことをもっと知りたい人が増えています。本書は、高校生から一般の人を対象に、レンズのことを知る超入門書として、図解や写真をふんだんに使いながら、わかりやすく光の世界を解説します。

レンズを知ることは、光の性質を知ることにつながります。また、メガネや望遠鏡などの光学機器ばかりか、ヒトの眼の構造の理解も進みます。身近な例を題材に、徹底してやさしく、おもしろい話題を集めました。

単行本: 224ページ
出版社: ソフトバンククリエイティブ (2010/6/18)
ISBN-10: 4797357150
ISBN-13: 978-4797357158
発売日: 2010/6/18

読者サポートサイト

http://lens-softbank.goryoukaku.com/

目次

はじめに
登場キャラクターのご紹介

第 1 章 レンズのお話

001 レンズは光の屈折をたくみに利用するために生みだした道具
002 レンズの歴史
003 小さなものを拡大して見る顕微鏡の歴史
004 遠くのものを近くに見る望遠鏡の歴史
005 レンズでできた像を記録するカメラの歴史

COLUMN レンズの語源

第 2 章 光のふるまい

006 光の直進性と逆進性
007 光の反射の法則
008 鏡による光の反射
009 光の乱反射
010 透明な物体を通る光
011 光は物質の境界面で折れ曲がる 光の屈折
012 光はどのような道筋を選んで進むのか フェルマーの原理
013 スネルの法則①
014 スネルの法則②
015 空気のゆらぎが光を曲げる 陽炎と逃げ水のしくみ
016 空気のゆらぎが光を曲げる 蜃気楼と大気差のしくみ
017 プリズムでできる光の色の帯 光の分散
018 大空にかかる光の色の帯 虹ができるしくみ
019 虹の形はどうして円弧なのか
020 光は波か粒子か① 光の回折
021 光は波か粒子か② 光の干渉
022 光の回折と干渉でできる虹のしくみ
023 光は縦波か横波か
024 偏光メガネとブリュースターの法則
025 光は電磁波の仲間
026 光の速さはどれぐらいか
027 光のふるまいを考える幾何光学と波動光学

COLUMN 近接場光ー光の回折限界を超える光 66

第 3 章 レンズのしくみと働き

028 点光源からでた光はどのように進むか
029 影のでき方
030 ピンホールでできる像
031 ピンホールカメラでできる像
032 レンズの基本的なしくみ
033 凸レンズと凹レンズの基本的な働き
034 レンズの焦点と焦点距離
035 レンズの主点と主平面
036 薄肉球面レンズの焦点距離の求め方
037 レンズを通る光の進み方
038 凸レンズでできる実像
039 無限遠からやってくる光は凸レンズでどこに像を結ぶか
040 凸レンズでできる虚像
041 凸レンズを半分隠すと実像と虚像はどうなるか
042 物体が焦点の位置にあるとき実像と虚像はどうなるか
043 凹レンズでできる虚像
044 レンズの写像公式と倍率① 凸レンズの実像の場合
045 レンズの写像公式と倍率② 凸レンズの虚像の場合
046 レンズの写像公式と倍率③ 凹レンズの虚像の場合
047 レンズの写像公式のまとめ
048 レンズの倍率を求めるもう1つの方法
049 レンズの作図の裏技① 光軸上の1点からでて凸レンズに入射する光
050 レンズの作図の裏技② 凸レンズに任意の傾きで入射する光
051 レンズの作図の裏技③ 凹レンズを通る光の場合
052 2枚のレンズを通る光
053 凹面鏡と凸面鏡のしくみ
054 凹面鏡と凸面鏡で反射する光
055 レンズの分類の仕方
056 表面屈折を利用したレンズ① 球面レンズ
057 表面屈折を利用したレンズ② 非球面レンズ
058 表面屈折を利用したレンズ③ シリンドリカルレンズ
059 表面屈折を利用したレンズ④ トロイダルレンズ
060 表面屈折を利用したレンズ⑤ フレネルレンズ
061 表面屈折を利用しないレンズ① グリンレンズ(屈折率分布レンズ)
062 表面屈折を利用しないレンズ② 回折レンズ

COLUMN メタマテリアルー負の屈折率をもつ物質

第 4 章 レンズの性能

063 レンズをつくる光学ガラスに求められる性質
064 光学ガラスの屈折率
065 光学ガラスのアッベ数
066 光学ガラスの分類
067 ガラス以外の光学材料① 天然や人工の結晶
068 ガラス以外の光学材料② 光学プラスチック
069 レンズができるまで① 球面レンズのつくり方
070 レンズができるまで② 非球面レンズのつくり方
071 収差とはなにか
072 球面収差
073 球面収差の補正
074 コマ収差と非点収差
075 像面湾曲と歪曲収差
076 軸上色収差と倍率色収差
077 像の大きさと明るさ
078 Fナンバーと実効Fナンバー
079 開口数NAとレンズの分解能
080 絞りと瞳
081 絞りの位置とテレセントリック
082 焦点深度と被写界深度

COLUMN ガラスはなぜ透明なのか

第 5 章 レンズを使った身近なもののしくみ

083 ヒトの眼の構造
084 正常な眼のしくみと働き
085 近視と遠視
086 老視と乱視
087 コンタクトレンズのしくみ
088 ルーペのしくみ
089 ルーペの倍率
090 光学顕微鏡のしくみ① 基本的なしくみ
091 光学顕微鏡のしくみ② 倍率と分解能
092 望遠鏡のしくみ① 基本的なしくみ
093 望遠鏡のしくみ② ケプラー式望遠鏡の光の進み方
094 望遠鏡のしくみ③ オランダ式(ガリレオ)望遠鏡の光の進み方
095 望遠鏡のしくみ④ 望遠鏡の倍率
096 望遠鏡のしくみ⑤ ピント合わせが必要なのはなぜ?
097 カメラのしくみ① Fナンバーとシャッタースピード
098 カメラのしくみ② 画角と焦点距離
099 カメラのしくみ③ デジタルカメラの画角と焦点距離
100 進化するレンズ 流体レンズのしくみ

COLUMN 像反転系 倒立像を正立像として見る

参考文献
索引

サンプルページ

第1章 第1節 レンズは光の屈折をたくみに利用するために生みだした道具

1001

第2章 第6節 光の直進性と逆進性

2006  

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2020年6月 6日 (土)

光学ガラス製のガラス玉

水晶玉 60mm 無色透明 クリア台座付き 宙玉撮影 クリスタルボール レンズボール 撮影 水晶球

ガラス玉があると、魚眼レンズの観察や虹ができる仕組み(水滴中の光の進み方)など、いろいろな実験ができます。以前は、大きなものを手軽な価格で入手するのは困難でしたが、最近になって中国製の安価なものを入手できるようになりました。直径60 mmで1,280円、80 mmで1,680円です。この値段だと複数個変える値段です。

Photo_20200605185001

 水晶玉とありますが、もちろん天然水晶であるはずはありません。Amazonのサイトには【K9クリスタル素材を採用、透明度が高いボール】とあります。K9というからには光学ガラスのクラウンガラスだと思いますが、K9というのは聞いたことがありません。調べてみたら、BK7と同じもののようです。BK7はホウケイ酸塩クラウン光学ガラスで、合成石英でもありません。ですので、水晶という表現は適切ではないのですが、実験道具としてはBK7で十分です。

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2020年6月 1日 (月)

わたしもファラデー  たのしい科学の発見物語

わたしもファラデー―たのしい科学の発見物語

板倉 聖宣 (著)

イギリスの化学者・物理学者のマイケル・ファラデーの生い立ち、業績とその内容について、4人の子どもと博士の対話を交えながら、わかりやすく解説しています。

巻末にファラデーの業績の年表の付録がついています。これがとても良いです。

著者は「仮説実験授業」の提唱者の板倉先生です。

Photo_20200531160801

内容(「BOOK」データベースより)

ファラデーはロンドンで鍛冶屋の子として生まれました。小学校しか出ていない彼は7年間の徒弟奉公をへて一人前の製本職人に。ところが徒弟時代に知った科学の楽しさが忘れられませんでした。ファラデーはどのようにして大好きな科学への道を歩むようになったのでしょうか。数学ができなくても豊かなイメージを武器に電磁気や半導体物質など今日の社会を支える大発見を次々となしとげたファラデー。その魅力的な半生をいきいきと描く発明発見物語。

内容(「MARC」データベースより)

小学校しか出ていなくて数学ができなくても、豊かなイメージを武器に、電磁気や半導体物質など、今日の社会を支える大発見を次々となしとげたファラデー。その魅力的な半生をいきいきと描く発明発見物語。

  • 単行本(ソフトカバー): 187ページ
  • 出版社: 仮説社 (2003/11/5)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4773501758
  • ISBN-13: 978-4773501759
  • 発売日: 2003/11/5
  • 商品の寸法: 18.8 x 12.8 x 1.4 cm

目次

第1章 ファラデーの生い立ち
第2章 新元素「ヨウ素」の発見に立ち会う―科学者としての第一歩
第3章 安全ランプの発明
第4章 磁力線のすばらしさの発見―世界最初のモーターの発明
第5章 電磁気の感応現象の追求―電磁誘導現象の発見
第6章 半導体物質の発見―白金の表面の不思議な現象のなぞ
第7章 磁石を近づけると逃げる物質の発見―「光も磁石に影響を受ける」ことの発見から「電波の存在」の予言まで

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2020年5月26日 (火)

天文アマチュアのための―新版 屈折望遠鏡光学入門

新版 屈折望遠鏡光学入門―天文アマチュアのための

吉田 正太郎

この本も絶版となっており中古本しか入手できませんが、屈折式望遠鏡の仕組みについて原理からしっかりと解説されており、ガリレオ式望遠鏡やケプラー式望遠鏡などの仕組みを学びたい人にお勧めの本です。

中古本ですが高い値がついています。自分が新品を購入した値段は2,940円でした。

Photo_20200521191401

内容(「BOOK」データベースより)

屈折望遠鏡の基本的な原理と、最新の技術を、できるだけ正確に、わかりやすく説明。

内容(「MARC」データベースより)

天体観測ばかりでなく、精密測角、照準望遠鏡、フィールドスコープ、双眼鏡としても広く用いられている屈折望遠鏡の基本的な原理と、最新の技術を、わかりやすく解説する。

単行本: 342ページ
出版社: 誠文堂新光社; 新版版 (2005/12)
ISBN-10: 441620518X
ISBN-13: 978-4416205181
発売日: 2005/12
商品の寸法: 20.8 x 15 x 2.8 cm

目次

1 世界史のなかの屈折望遠鏡
2 レンズ光学入門
3 屈折望遠鏡の一般光学
4 地上望遠鏡、フィールドスコープ、双眼鏡
5 光学材料
6 対物レンズ
7 接眼鏡
8 カタディオプトリック系

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2020年5月16日 (土)

雷の正体見たり静電気 雷の仕組み

雷の正体を探る

 大音響とともに鋭い光の筋が空を切り裂く雷。古代の人々は雷は雲の中にいる神様が光と音を出していると考えていました。たとえば、ギリシャ神話の全知全能の神であるゼウスは雷を司る天空神です。日本では、古くから雷神が雷をおこすと考えられていました。日本語の雷の語源は神鳴りと考えられています.

雷神(俵屋宗達)
雷神(俵屋宗達)

 雷の正体は18世紀の半ばには電気であることが予想されていました。雷の正体を初めて実験で確かめたのは、アメリカの政治家・科学者のベンジャミン・フランクリンです。フランクリンは静電気の実験に使われていたライデン瓶に蓄電すると、電気火花が発生するのを見て、この電気火花と稲妻は同じものではないかと考えたのです。

ベンジャミン・フランクリン
ベンジャミン・フランクリン

 ライデン瓶は1746年にオランダのライデン大学の物理学者ピーテル・ファン・ミュッセンブルークが発明した蓄電装置です。実際には数ヶ月ほど前にドイツのエヴァルト・ゲオルク・フォン・クライストも同じ仕組みのものを発明しています。ライデン瓶の上部の金属球に静電気を帯びたものを触れると、金属箔に電気が蓄えられます。電気が蓄えられた状態で、内側と外側の金属箔を短絡(ショート)するとライデン瓶の中で放電が起こり、電気火花が発生します。

ライデン瓶の仕組み
ライデン瓶の仕組み

フランクリンの凧あげ実験

 1752年6月、フランクリンは雷の正体を調べるため、自分の息子とともに雷雲をめがけて凧あげの実験を行いました。 彼は凧に針金を取り付け、凧糸には水に濡れやすい麻糸を使いました。そして、麻糸に金属の鍵を取り付けました。金属の鍵から手元までは感電防止のため濡れにくい絹糸を使いました。雷で麻糸が帯電して逆立ったとき、彼は息子に金属の鍵の先にライデン瓶を近づけるように言いました。息子がライデン瓶を鍵に近づけると、雷の電気がライデン瓶に蓄電されていきました。そして、ライデン瓶を短絡させると、ライデン瓶の中で電気火花が生じました。一瞬の出来事でしたが、雷の正体が電気であることが確かめられた瞬間でした。

フランクリンの凧あげ実験
フランクリンの凧あげ実験


※フランクリンの凧あげ実験は非常に危険ななので、絶対にやってはいけません。

雷雲が発生するしくみ

 空に浮かぶ雲は細かい水滴や氷の粒でできています。これらの水滴や氷の粒は地上や海上で蒸発した水です。空気は気温が高いほど水蒸気をたくさん含むことができます。暖かい空気は軽いので上空へ昇っていきますが、上空は気圧が低いので膨張します。このとき、空気は外部から熱を与えられない状態で膨張します。空気自身が持つ熱が膨張に使われるので、空気の温度が下がります。空気に含まれる水蒸気は冷やされると気体のままでは存在できなくなり、凝結して細かい水滴や氷の粒になります。これが雲の正体です。
 雷がよく起きるのは、夏に空高くまで発達した積乱雲の中です。積乱雲の中では、強い上昇気流のために、氷同士が激しく衝突します。このとき、氷の表面の水や衝突で融けた水が負の電荷を持ち、それが成長する氷に移動します。そのため、大きい氷の粒がマイナス、小さい粒がプラスの電気を帯びます。小さい粒は、軽いために雲の上の方へ、大きい粒は重いため雲の下の方へ移動します。その結果、雷雲は、ちょうどプラスとマイナスが向かい合った形となり、そこに高い電圧がかかるというわけです。また雷雲が大地に近づくと、その下の地面はプラスに帯電していきます。これを静電誘導といいます。

雷雲の帯電の仕組み
雷雲の帯電の仕組み

 雷雲が発生すると、雲の中で静電気がたまります。この静電気が、雲と地上の間の大気の絶縁性で支えきれないほど大きくなると、雲から地上へ対地放電が起こります。これが落雷です。また、放電は落雷よりも雲の中で頻繁に起こります。このとき、雲が青白く光って見えます。ひとつの雷雲の中で起こる場合を雲内放電、複数の雷雲の間で起こる場合を雲間放電といいます。

稲妻が光るしくみ

 内部を真空にしたライデン瓶で放電の実験を行うと、電気火花が生じなくなります。つまり、電気火花の発生には空気が関係しています。本来、空気は絶縁体で電流は流れません。しかし、強い電圧をかけると、瞬間的に電気絶縁性が失われ大電流が流れます。すると、大きなエネルギーを持った電子が、空気中の窒素や酸素に衝突します。窒素や酸素は電子のエネルギーを受け取り、自分自身も電子を放出してイオン化して高エネルギー状態になります。高エネルギー状態になった窒素や酸素は、すぐに元のエネルギー状態に戻ります。このとき、余分なエネルギーが光となって出てくるわけです。これを放電現象といいますが、稲妻の光もこれと同じ現象です。なお、放電が起こると、火花の周囲の温度が急激に上昇し、空気が瞬間的に膨張します。そして、膨張した空気はすぐに冷えるため収縮します。この空気の膨張と収縮が振動となって音となります。

 雷の放電は、大気の絶縁性のために、いっきに地面には届きません。何度も小きざみに放電を繰り返し、電気の通り道を作りながら、地面へと近づきます。稲妻がジグザグに見えるのはこのためです。これを先駆放電といいます。稲妻が地面に届くと、今度は逆に地面から雲に向かって放電が起こります。これを帰還雷撃といい、このとき強い光と大きな音を出します。これが落雷です。

 落雷をハイスピードカメラで撮影して映像がYouTubeにあがっています。

 Slow Motion Lightning

落雷の威力は凄いです。

Close-Up Lightning strike Compilation with Horrifying Sound and Destruction |Thunder strikes

 

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2020年5月 4日 (月)

時計が右回りの理由

 最近はデジタル時計を使っている人が多いと思いますが、時計回りにと言われれば、誰しも右回りであることを理解するでしょう。

Watch

 世界中にはさまざま文化やルールがありますが、時計が右回りは万国共通です。どうして右回りが万国共通になっているかというと、それは時計の成り立ちに関係しています。古来より、人類は太陽の動きにより、朝ー昼ー夜といった時間の流れを意識していたはずです。そして、太陽の動きから正確な時の流れを計る日時計が発明されました。

 人類最古の日時計は真っ直ぐな棒を地面に突き立てた簡単なものでした。紀元前3000年頃のエジプトでは、オベリスクと呼ばれる神殿などに立てられたモニュメントの影が日時計として利用されていました。影の位置で時刻を知ることができ、影の長さで季節を知ることができました。また、古代バビロニアでも日時計が利用されていたという記録も残っています。日時計は古代ギリシャや古代ローマで発展しました。

 

 さて、人類はアフリカで生まれ、北上していきました。文明の多くは北半球で発展したと考えられます。日時計の影は北半球では右回りになります。その後の時計の開発も北半球で進んだため、時計の針は右回りとなりました。

 日時計は英語でSundial(サンダイアル)といいます。時計以外にも回転式のメーター、ツマミやダイアルなどが右回りなのも日時計に関係していると考えられています。もし、人類が誕生したときの地球の大陸が南半球中心だったら、時計回りは左回りになっていたかもしれません。

 日時計は自分でも作れますが、下記のキットが良くできています。

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2020年4月21日 (火)

光には重さがあるのか

 イギリスの物理学者アイザック・ニュートンの伝記に「リンゴが木から落ちるのを見て、万有引力を発見した」という有名な逸話があります。ボールを投げると放物線状に曲がりながら落下するように、私たちの身の回りにある質量をもつものはすべて地球の重力に引かれて地面に落下します。

 アインシュタインは1905年6月に『運動物体の電気力学について』という論文で特殊相対性理論を発表し、その3ヶ月後に『物体の慣性はその物体の含むエネルギーに依存するであろうか』という論文で、エネルギーと質量は等価であり、相互に交換可能であることを示しました。これが有名な次の式です。

   E=mc2  ①式

 それでは、エネルギーと質量が等価であるならば、エネルギーをもっている光も重力の影響で曲がるのではないでしょうか。

Photo_20200419151601

 アインシュタインは、強い重力が働く場所では、図のように空間が曲がると考えました。そして、空間が曲がると、時間が遅れると考えました。これを重力による時空の曲がりと言います。そして、時空が曲がったところでは、直進する性質をもつ光が空間の曲がりに沿って進むようになる。つまり、光は歪んだ空間の中を直進するが、空間が曲がっているのだから、外から見ると光が曲がって進んでいるように見えると考えました。光の進路を調べればこの理論が正しいかどうかを確認できると予言しました。

Photo_20200419152901

 彼の予言は1919年5月29日の皆既日食のときに、太陽の光が遮断されたわずかな時間を利用して、太陽周辺に見える星を観察することによって確かめられました。このとき、太陽の陰に隠れて見えない位置にあるはずの星が見えたことが確認されたことによって、アインシュタインの一般相対性理論が正しいことが証明されたのです。

 エネルギーと質量が同等で、光が重力によって曲がるならば、光に質量があると言っても良いのしょうか。私たちが物体の質量を考えるとき、物体は静止しています。この静止した物体の質量を静止質量といいます。その静止した物体の質量とエネルギーの関係を表した式が

   E=mc2  ①式

なのですが、元々、この①式は次の②式から運動量pがゼロだったときに導出されるものです。①式を見て、単純に「光もエネルギーがあるから質量がある」と考えてはいけません。光は静止することなく常に一定の速度で動いていますから、①式は光には適用できません。

   E2=(mc2)2 + (pc)2   ②式

(E:エネルギー、m:質量、p:運動量、c:光速)

ところで、②式において、質量mがゼロだったとすると、

   E=pc  ③式

となります。mがゼロでもEはゼロにはならないことは明白です。

この式を運動量pの式に直すと、

  p=E/c ④式

となります。この式はマクスウェルの電磁波の方程式から導出することができます。ここでは省略しますが、②式において質量mをゼロとしたときに、電磁波の持つ運動量とエネルギーの関係式に一致したため、光の質量はゼロと考えられるようになりました。

 ただし、光は静止することなく常に一定の速度で動いていますから、光の静止質量がゼロであるというのは便宜的な意味でしかありません。逆説的に言えば、静止質量がゼロの光は常に動いていなければならないのです。

 ニュートン力学で定義される質量は物体の動かしにくさの度合いを示す量ですから、これを加速も減速もしない常に速度が一定の光に適用することはできません。しかし、光の粒子説において、光を粒子と考えると、光子は質量のない粒子ということになってしまいます。光子の質量をゼロとすることで、都合良く光を粒子として取り扱うことができるのです。

 エネルギーと質量が同等であるということについては、重力は質量だけでなくエネルギーを持ったものと相互作用するので、光も重力の影響を受けると考えて良いでしょう。

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2020年4月16日 (木)

カメラ発明の日は3月19日ではなく8月19日

 カメラの語源は、ラテン語のカメラ・オブスキュラで、カメラは部屋、オブスキュラは暗いという意味です。大昔のカメラは内部が真っ暗な箱に小さい孔を開けた簡単な構造のものでした。レンズもついていなければ、フィルムもありません。小孔から差し込む光が、反対側の壁に物体の像を映し出すという、光のピンホール現象を利用したものです。

 カメラ・オブスキュラは天体の観測や絵を描く道具として使われていましたが、像を綺麗に映そうとすると像が暗くなるという問題がありました。この問題はピンホールに凸レンズをつけることで解決されました。レンズの利用によって、カメラ・オブスキュラはさらに実用的になりました。しかし、当時のカメラ・オブスキュラでは、映った像を写真として残すことはできませんでした。カメラ・オブスキュラの像をそのまま写真として残すことは人類の長年の夢だったのです。

カメラ・オブスキュラと像
カメラ・オブスキュラと像

 1822年、フランスのジョゼフ・ニセフォール・ニエプスは天然アスファルトを感光材に使って写真の撮影に成功しました。写真を1枚撮るのに8時間もかかりましたが、カメラ・オブスキュラの像を写真として残すことに成功したのです。ニエプスはルイ・ジャック・マンデ・ダゲールと研究を進め、銀メッキした銅板の表面にヨウ化銀を付着させた板を使う方法を考えました。エニプスは1833年に他界してしまいましたが、ダゲールはこの研究を進め、1839年に銀板写真を発明しました。この銀板写真法をダゲレオタイプといい、そのカメラをダゲレオタイプのカメラといいます。1回の撮影で一枚の写真しか撮れませんでしたが、非常に鮮明な写真を撮ることができ、しかも撮影時間は30分と大幅に短縮されました。

ジョゼフ・ニセフォール・ニエプスとルイ・ジャック・マンデ・ダゲール
ジョゼフ・ニセフォール・ニエプスとルイ・ジャック・マンデ・ダゲール

このあたりの詳しい話は、このブログで下記で、まとめてありますので、興味のある方はご覧いただければ幸いです。

ピンホール現象とカメラオブスクラ 写真の仕組み(1)

カメラオブスクラの像を写真に残す 写真の仕組み(2)

白黒写真の仕組み 写真の仕組み(3)

 さて、本題ですが、ダゲールは1839年の初頭に、フランス科学アカデミーの常任秘書のフランソワ・アラゴにダゲレオタイプのカメラの仕組みを秘密厳守で説明しています。アラゴはこの画期的な発明を理解し、ダゲールを支援しました。

 その後、フランス政府はダゲールのこの発明の権利を、ダゲールとニエプスの息子の終身の年金と引き換えに買い取りました。

 そして、このダゲレオタイプのカメラは1839年8月19日にパリで開催された科学アカデミーで紹介され公式にその発明が認められました。フランス政府はこの発明をフランスからの「世界への無償の贈り物」として発表し、その完全な手順書を公開しました。これにより、ニエプスとダゲールが発明した銀板写真は世界中に広まりました。

 ところで、国内の多くのサイトでカメラ発明の日は3月19日と説明されています。しかしながら、これは上述の通り8月19日の間違いではないかと思います。8を3と誤植した可能性が高いと思われます。海外のサイトでは、8月19日という説明が多いです。

ルイ・マンデ・ダゲール著 完訳 ダゲレオタイプ教本―銀板写真の歴史と操作法

ダゲレオタイプ操作法を詳述した小冊子「ダゲレオタイプ教本」は、1839年8月20日パリで発売されたが、その日に売り切れてしまい、次の年末までに10数ヵ国語訳が出版されるほどの、世界的大ベストセラーとなった。本書は永く待望されていた、この写真における金字塔「ダゲレオタイプ教本」の初めての完訳である。ダゲレオタイプ発明前史と、この画期的な発明が完成されるまでの秘話などを含む、懇切な「解説」が添えられた本書は、すべての写真愛好家に対する必読の書と言っても過言ではない。

出版社 : 朝日ソノラマ (1998/9/1)
発売日 : 1998/9/1
言語 : 日本語
単行本 : 162ページ
ISBN-10 : 4257120207
ISBN-13 : 978-4257120209

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2020年4月 9日 (木)

図解入門 よくわかる最新レンズの基本と仕組み[第3版] - 身近な現象から学ぶレンズと科学と技術

図解入門 よくわかる最新レンズの基本と仕組み[第3版]

レンズの基本と仕組み since 2005(初版2005年、第2版2013年)

光を見る・知る・掴む。世界を切り取る技術!豊富なイラストで手に取るようにわかる!

内容

レンズは光技術の立役者であるといっても過言ではありません。本書は、カメラ、望遠鏡、顕微鏡、CD/DVDプレーヤー、コピー機など私たちの身の回りで 使われているレンズの入門書です。本書は、物理が苦手の人でも、 レンズについて知りたいという人を対象に、光の性質から、レンズの基本的な仕組み、レンズの種類、収差や性能、眼鏡やカメラなど実際の機器でのレンズの使われ方を図表を使ってやさしく解説しています。第3版では、スマートフォンなど最新機器で利用されている技術や、医療分野での活用例についても紹介します。

単行本: 312ページ
出版社: 秀和システム; 第3版 (2020/3/31)
言語: 日本語
ISBN-10: 4798058106
ISBN-13: 978-4798058108
発売日: 2020/3/31

はじめに

 21世紀の科学技術は「光の時代」と言われています。現在、光の先端技術を応用したものが、私たちの生活の中にたくさん入ってきています。

 光の技術があるところでは、必ずといってよいほどレンズが活躍しています。レンズはカメラや望遠鏡だけではなく、CD/DVDプレーヤーやコピー機、レーザープリンタをはじめとする、光を使った様々な製品に使われているのです。レンズは光技術の立役者であるといっても過言ではありません。

 本書の構成にあたっては、レンズの専門家ではない人や、物理は少し苦手と思っている人が、「レンズについて知りたい」「勉強したい」と思ったときに、どのような入門書があればよいのかを中心に考えました。

 レンズを勉強するためには、光の基本的な性質を理解しておく必要があります。なぜなら、光とレンズは切っても切れない間柄だからです。この本では、光の基本的な性質についても、ページをかなり割いて説明しました。本書で取り上げたものは、レンズを学ぶ上で必要となる知識です。本書1冊で光の基本からレンズの仕組みまでを理解できるように、あるいはレンズの専門書で行き詰まったとき、理解を助けるために読んで頂けるように心がけて、執筆を進めました。また、数式がたくさん出てきますが、数式を読み飛ばしても図解と説明で概要が理解できるように執筆したつもりです。

 本書は2005年3月に第1版、2013年3月に第2版が発売され、初版から15年を経て、ここに第3版を出版する運びとなりました。今回の改訂にあたっては、本書の基本的な主旨は踏襲し、読者の皆さんから頂いた質問や意見などを参考に、最新情報なども加えて、よりわかりやすい内容に仕上げることをめざしました。

 読者の皆さんが、本書を手にすることによって、光とレンズに関する基本知識を身につけられ、本書がレンズ光学の専門書への橋渡しの役割を果たすことができたとしたならば、著者としてこれほど嬉しいことはありません。

 最後になりますが、本書の作成にあたっては、北海道理科サークルWisdom96(初版当時)の皆さんに、文章を読んで意見を頂いたり、写真を提供して頂いたり、お世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。また、編集作業を担当していただいた秀和システムの編集部の皆さんに深くお礼を申し上げます。

2020年3月
桑嶋 幹

もくじ

第1章 レンズとは何か

  • 1-01 そもそもレンズとは?
  • 1-02 レンズの働きをするものを探してみよう
  • 1-03 レンズの歴史

コラム 世界最古のレンズ? ニムルドのレンズ

  • 1-04 望遠鏡と顕微鏡の歴史
  • 1-05 カメラの歴史
  • コラム 活動写真の発明

第2章 光の基本的な性質

  • 2-01 光はどのように進むのか① 光の直進性

コラム 鏡の歴史

  • 2-02 光はどのように進むのか② 光の反射と乱反射
  • 2-03 光はどのように進むのか③ 光の屈折と反射

コラム 光通信と光ファイバー

  • 2-04 光はどのように進むのか④ フェルマーの原理とスネルの法則
  • 2-05 光の分散
  • 2-06 光の回折と干渉

コラム シャボン玉でできる虹

  • 2-07 光が偏るとは?
  • 2-08 どうしてものが見えるのか

コラム 物体はどのようにして見えるのかを研究した人びと

  • 2-09 光と色の三原色
  • 2-10「光る」とはどのようなことか
  • 2-11 光の速度はどれぐらいか

コラム 光速の測定が光の波動説の完全勝利をもたらした

  • 2-12 光の正体は何か
  • 2-13 電磁波とは何か
  • 2-14 幾何光学と波動光学

コラム ナノテクノロジーとは

第3章 レンズの基本的な仕組みと働き

  • 3-01 影や像のできかた
  • 3-02 レンズの仕組みと働き

コラム 老眼鏡と近視眼鏡のレンズの種類を確かめる

  • 3-03 レンズの構成
  • 3-04 レンズを通る光の進みかた
  • 3-05 レンズでできる像
  • 3-06 レンズの式と倍率
  • 3-07 レンズの置き方
  • 3-08 2枚のレンズを通る光
  • 3-09 レンズの簡易な作図方法

コラム 平行光で凸レンズの焦点距離を求める

  • 3-10 凹面鏡と凸面鏡

コラム 凹面鏡を利用した太陽炉

第4章 レンズの分類

  • 4-01 レンズの基本的な分類のしかた
  • 4-02 表面で光を屈折するレンズ①
  • 4-03 表面で光を屈折するレンズ②
  • 4-04 表面屈折以外のレンズ

コラム 光を回折させてみよう

  • 4-05 レンズを作る材料

コラム ガラスはなぜ透明か

  • 4-06 光学ガラスの屈折率とアッベ数
  • 4-07 光学ガラスの分類
  • 4-08 ガラス以外の材料
  • 4-09 レンズのつくりかた

コラム 光学ガラスやレンズの製造工程を詳しく知りたい人は

第5章 レンズの収差と性能

  • 5-01 収差とは何か
  • 5-02 球面収差
  • 5-03 コマ収差と非点収差
  • 5-04 像面湾曲と歪曲収差
  • 5-05 軸上色収差と倍率色収差
  • 5-06 Fナンバー
  • 5-07 開口数NA
  • 5-08 絞りと瞳
  • 5-09 絞りの位置とテレセントリック
  • 5-10 焦点深度と被写界深度
  • 5-11 レンズの解像力と伝達関数MTF

コラム 偏心収差 レンズ製造やとりつけで生じる収差

  • 5-12 アッベの不変量とラグランジュの不変量

コラム レンズの設計

第6章 レンズを使った製品と技術

  • 6-01 光学系とは何か
  • 6-02 眼の働き
  • 6-03 眼鏡と眼の屈折異常① 
  • 6-04 眼鏡と眼の屈折異常② 
  • 6-05 コンタクトレンズの仕組み

コラム 昆虫の複眼の仕組み

  • 6-06 白内障と眼内レンズ
  • 6-07 ルーペの仕組み
  • 6-08 顕微鏡の仕組み
  • 6-09 望遠鏡の仕組み

コラム 双眼鏡の仕組み

  • 6-10 カメラの仕組み
  • 6-11 CD-ROMとCD-ROMドライブの仕組み
  • 6-12 レーザープリンタの仕組み
  • 6-13 バーコードリーダーの仕組み
  • 6-14 半導体産業を支えるステッパーレンズ
  • 6-15 自然現象とレンズ

索引

参考文献

 

サンプルページ

 

巻頭口絵(抜粋)

Front

第1章 第1節 そもそもレンズとは

Page11

第2章 第3節 光はどのように進むのか③光の屈折と全反射

Page23

第3章 第4節 レンズを通る光の進みかた

Page34

第4章 第1節 レンズの基本的な分類のしかた

Page41

第5章 第2節 球面収差

Page52

第6章 第2節 目の働き

Page62

 

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2013年11月22日 (金)

アインシュタインの肉声 The Common Language of Science

アインシュタインの肉声を聞いたことがある人はそう多くないかもしれません。

Alberteinstein1947

このYouTubeの映像は、1941年秋に英国科学振興協会のラジオ演説において、アインシュタインが自身の論文「The Common Language of Science(科学の共通言語)」を朗読した音声を録音したものです。

Einstein speech : The common language of science

下記がこのスピーチの全文です。

The Common Language of Science
Essay by Albert Einstein

     The First Step towards language was to link acoustically or otherwise commutable signs to sense-impressions. Most likely all sociable animals have arrived at this primitive kind of communication---at least to a certain degree. A higher development is reached when further signs are introduced and understood which establish relations between those other signs designating sense-impressions. At this stage it is already possible to report somewhat complex series of impressions; we can say that language has come to existence. If language is to lead at all to understanding, there must be rules concerning the relations between the signs on the one hand and on the other hand there must be a stable correspondence between sings and impressions. In their childhood individuals connected by the same language grasp these rules and relations mainly by intuition. When man becomes conscious of the rules concerning the relations between sings the so-called grammar of language is established.

     In an early stage the words may correspond directly to impressions. At a later stage this direct connection is lost insofar as some words convey relations to perceptions only if used in connection with other words (for instance such words as: “is,”“or,”“thing,”). Then word-groups rather than single words refer to perceptions. When language becomes thus partially independent from the background of impressions a greater inner coherence is gained.

     Only at this further development where frequent use is made of so-called abstract concepts, language becomes an instrument of reasoning in the true sense of the word. But it is also this development which turns language into a dangerous source of error and deception. Every-combinations correspond to the world of impressions.

     What is it that brings about such an intimate connection between language and thinking? Is there no thinking without the use of language, namely in concepts and concept-combinations for which words need not necessarily come to mind? Has not everyone of us struggled for words although the connection between “things” was already clear?

    We might be inclined to attribute to the act of thinking complete independence from language if the individual formed or were able to form his concepts without the verbal guidance of his environment. Yet most likely the mental shape of an individual, growing up under such conditions, would be very poor. Thus we may conclude that the mental development of the individual and his way of forming concepts depend to a high degree upon language. This makes us realize to what extent the same language means the same mentality. In this sense thinking and language are linked together.

    What distinguishes the language of science from language as we ordinarily understand the word? How is it that scientific language is international? What science strives for is an utmost acuteness and clarity of concepts as regards their mutual relation and their correspondence to sensory data. As an illustration let us take the language of euclidian geometry and algebra. They manipulate with a small number of independently introduced concepts, respectively symbols, such as the integral number, the straight line, the point, as well as with signs which designate the fundamental operations, that is the connections between those fundamental concepts. This is the basis for the construction, respectively definition of all other statements and concepts. The connection between concepts and statements on the one hand and the sensory data on the other hand is established through acts of counting and measuring whose performance is sufficiently well determined.

     The super-national character of scientific concepts and scientific language is due to the fact that they have been ser up by the best brains of all countries and all times. In solitude and yet in cooperative effort as regards the final effect they created the spiritual tools for the technical revolutions which have transformer the life of mankind in the last centuries. Their system of concepts have served as a guide in the bewildering chaos of perceptions so that we learned to grasp general truths from particular observations.
What hopes and fears does the scientific method imply for mankind? I do not think that this is the right way to put the question. Whatever this tool in the hand of man will produce depends entirely on the nature of the goals alive in this mankind. Once these goals exist, the scientific method furnished means to realize them. Yet is cannot furnish the very goals. The scientific method itself would not have led anywhere, it would not even have been born without a passionate striving for clear understanding.

     Perfections of means and confusion of goals seem-in my opinion-to characterize our age. If we desire sincerely and passionately the safety, the welfare and the free development of the talents of all men, we shall not be in want of the means to approach such a state. Even if only a small part of mankind strives for such goals, their superiority will prove itself in the long run.

Albert Einstein
"The Theory of Relativity and Other Essays"
MJF Books
New York, NY

 

 

 

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