自然現象

2020年6月29日 (月)

白いアジサイ「アナベル」はなぜ白いのか?

近所の家の軒先でアジサイがとても綺麗に咲いていました。

アジサイ 紫陽花

 アジサイの花の色を左右する重要な物質は土壌中に含まれるアルミニウムです。アジサイの花の色素のデルフィニジンはアルミニウムと結びつくと青色に呈色し、アルミニウムが少ないと赤色に呈色する性質があります。

 アルミニウムは土壌中にたくさん含まれていますが、土壌が酸性だと溶け出しやすく、植物に吸収されやすくなります。一方、土壌がアルカリ性だと溶け出しにくくなります。

 同じ株に咲いているのに色の違う花をつけるのは、アジサイの根が四方八方に広がっているからです。雨が降ったり、水を与えているうちに、土壌の成分が流れ出したりして、酸性度やアルミニウムの量が変化すると、根が吸収するアルミニウムの量が変わるため、色が変わってくるのです。このあたりについては、本ブログ「光と色と:花の色はいろいろ」で解説しています。

 さて、写真の中に白いアジサイが咲いています。この白いアジサイはアナベルという品種です。アナベルはアルミニウムと結びつく色素をもっていないため、土壌の酸性度によって色が変わりません。アナベルは咲き始めの成長時期はクロロフィルにより、薄い緑色をしていますが、成長すると真っ白な花になります。

アナベル アジサイ

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2020年5月16日 (土)

雷の正体見たり静電気 雷の仕組み

雷の正体を探る

 大音響とともに鋭い光の筋が空を切り裂く雷。古代の人々は雷は雲の中にいる神様が光と音を出していると考えていました。たとえば、ギリシャ神話の全知全能の神であるゼウスは雷を司る天空神です。日本では、古くから雷神が雷をおこすと考えられていました。日本語の雷の語源は神鳴りと考えられています.

雷神(俵屋宗達)

 雷の正体は18世紀の半ばには電気であることが予想されていました。雷の正体を初めて実験で確かめたのは、アメリカの政治家・科学者のベンジャミン・フランクリンです。フランクリンは静電気の実験に使われていたライデン瓶に蓄電すると、電気火花が発生するのを見て、この電気火花と稲妻は同じものではないかと考えたのです。

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 ライデン瓶は1746年にオランダのライデン大学の物理学者ピーテル・ファン・ミュッセンブルークが発明した蓄電装置です。実際には数ヶ月ほど前にドイツのエヴァルト・ゲオルク・フォン・クライストも同じ仕組みのものを発明しています。ライデン瓶の上部の金属球に静電気を帯びたものを触れると、金属箔に電気が蓄えられます。電気が蓄えられた状態で、内側と外側の金属箔を短絡(ショート)するとライデン瓶の中で放電が起こり、電気火花が発生します。

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フランクリンの凧あげ実験

 1752年6月、フランクリンは雷の正体を調べるため、自分の息子とともに雷雲をめがけて凧あげの実験を行いました。 彼は凧に針金を取り付け、凧糸には水に濡れやすい麻糸を使いました。そして、麻糸に金属の鍵を取り付けました。金属の鍵から手元までは感電防止のため濡れにくい絹糸を使いました。雷で麻糸が帯電して逆立ったとき、彼は息子に金属の鍵の先にライデン瓶を近づけるように言いました。息子がライデン瓶を鍵に近づけると、雷の電気がライデン瓶に蓄電されていきました。そして、ライデン瓶を短絡させると、ライデン瓶の中で電気火花が生じました。一瞬の出来事でしたが、雷の正体が電気であることが確かめられた瞬間でした。

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※フランクリンの凧あげ実験は非常に危険ななので、絶対にやってはいけません。

雷雲が発生するしくみ

 空に浮かぶ雲は細かい水滴や氷の粒でできています。これらの水滴や氷の粒は地上や海上で蒸発した水です。空気は気温が高いほど水蒸気をたくさん含むことができます。暖かい空気は軽いので上空へ昇っていきますが、上空は気圧が低いので膨張します。このとき、空気は外部から熱を与えられない状態で膨張します。空気自身が持つ熱が膨張に使われるので、空気の温度が下がります。空気に含まれる水蒸気は冷やされると気体のままでは存在できなくなり、凝結して細かい水滴や氷の粒になります。これが雲の正体です。
 雷がよく起きるのは、夏に空高くまで発達した積乱雲の中です。積乱雲の中では、強い上昇気流のために、氷同士が激しく衝突します。このとき、氷の表面の水や衝突で融けた水が負の電荷を持ち、それが成長する氷に移動します。そのため、大きい氷の粒がマイナス、小さい粒がプラスの電気を帯びます。小さい粒は、軽いために雲の上の方へ、大きい粒は重いため雲の下の方へ移動します。その結果、雷雲は、ちょうどプラスとマイナスが向かい合った形となり、そこに高い電圧がかかるというわけです。また雷雲が大地に近づくと、その下の地面はプラスに帯電していきます。これを静電誘導といいます。

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 雷雲が発生すると、雲の中で静電気がたまります。この静電気が、雲と地上の間の大気の絶縁性で支えきれないほど大きくなると、雲から地上へ対地放電が起こります。これが落雷です。また、放電は落雷よりも雲の中で頻繁に起こります。このとき、雲が青白く光って見えます。ひとつの雷雲の中で起こる場合を雲内放電、複数の雷雲の間で起こる場合を雲間放電といいます。

<h4>稲妻が光るしくみ</h4>


 内部を真空にしたライデン瓶で放電の実験を行うと、電気火花が生じなくなります。つまり、電気火花の発生には空気が関係しています。本来、空気は絶縁体で電流は流れません。しかし、強い電圧をかけると、瞬間的に電気絶縁性が失われ大電流が流れます。すると、大きなエネルギーを持った電子が、空気中の窒素や酸素に衝突します。窒素や酸素は電子のエネルギーを受け取り、自分自身も電子を放出してイオン化して高エネルギー状態になります。高エネルギー状態になった窒素や酸素は、すぐに元のエネルギー状態に戻ります。このとき、余分なエネルギーが光となって出てくるわけです。これを放電現象といいますが、稲妻の光もこれと同じ現象です。なお、放電が起こると、火花の周囲の温度が急激に上昇し、空気が瞬間的に膨張します。そして、膨張した空気はすぐに冷えるため収縮します。この空気の膨張と収縮が振動となって音となります。

 雷の放電は、大気の絶縁性のために、いっきに地面には届きません。何度も小きざみに放電を繰り返し、電気の通り道を作りながら、地面へと近づきます。稲妻がジグザグに見えるのはこのためです。これを先駆放電といいます。稲妻が地面に届くと、今度は逆に地面から雲に向かって放電が起こります。これを帰還雷撃といい、このとき強い光と大きな音を出します。これが落雷です。

 落雷をハイスピードカメラで撮影して映像がYouTubeにあがっています。

 Slow Motion Lightning

落雷の威力は凄いです。

Close-Up Lightning strike Compilation with Horrifying Sound and Destruction |Thunder strikes

 

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2020年4月21日 (火)

光には重さがあるのか

 イギリスの物理学者アイザック・ニュートンの伝記に「リンゴが木から落ちるのを見て、万有引力を発見した」という有名な逸話があります。ボールを投げると放物線状に曲がりながら落下するように、私たちの身の回りにある質量をもつものはすべて地球の重力に引かれて地面に落下します。

 アインシュタインは1905年6月に『運動物体の電気力学について』という論文で特殊相対性理論を発表し、その3ヶ月後に『物体の慣性はその物体の含むエネルギーに依存するであろうか』という論文で、エネルギーと質量は等価であり、相互に交換可能であることを示しました。これが有名な次の式です。

       ①式

 それでは、エネルギーと質量が等価であるならば、エネルギーをもっている光も重力の影響で曲がるのではないでしょうか。

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 アインシュタインは、強い重力が働く場所では、図のように空間が曲がると考えました。そして、空間が曲がると、時間が遅れると考えました。これを重力による時空の曲がりと言います。そして、時空が曲がったところでは、直進する性質をもつ光が空間の曲がりに沿って進むようになる。つまり、光は歪んだ空間の中を直進するが、空間が曲がっているのだから、外から見ると光が曲がって進んでいるように見えると考えました。光の進路を調べればこの理論が正しいかどうかを確認できると予言しました。

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 彼の予言は1919年5月29日の皆既日食のときに、太陽の光が遮断されたわずかな時間を利用して、太陽周辺に見える星を観察することによって確かめられました。このとき、太陽の陰に隠れて見えない位置にあるはずの星が見えたことが確認されたことによって、アインシュタインの一般相対性理論が正しいことが証明されたのです。

 エネルギーと質量が同等で、光が重力によって曲がるならば、光に質量があると言っても良いのしょうか。私たちが物体の質量を考えるとき、物体は静止しています。この静止した物体の質量を静止質量といいます。その静止した物体の質量とエネルギーの関係を表した式が

     ①式

なのですが、元々、この①式は次の②式から運動量pがゼロだったときに導出されるものです。①式を見て、単純に「光もエネルギーがあるから質量がある」と考えてはいけません。光は静止することなく常に一定の速度で動いていますから、①式は光には適用できません。

     ②式

(E:エネルギー、m:質量、p:運動量、c:光速)

ところで、②式において、質量mがゼロだったとすると、

     ③式

となります。mがゼロでもEはゼロにはならないことは明白です。

この式を運動量pの式に直すと、

   ④式

となります。この式はマクスウェルの電磁波の方程式から導出することができます。ここでは省略しますが、②式において質量mをゼロとしたときに、電磁波の持つ運動量とエネルギーの関係式に一致したため、光の質量はゼロと考えられるようになりました。

 ただし、光は静止することなく常に一定の速度で動いていますから、光の静止質量がゼロであるというのは便宜的な意味でしかありません。逆説的に言えば、静止質量がゼロの光は常に動いていなければならないのです。

 ニュートン力学で定義される質量は物体の動かしにくさの度合いを示す量ですから、これを加速も減速もしない常に速度が一定の光に適用することはできません。しかし、光の粒子説において、光を粒子と考えると、光子は質量のない粒子ということになってしまいます。光子の質量をゼロとすることで、都合良く光を粒子として取り扱うことができるのです。

 エネルギーと質量が同等であるということについては、重力は質量だけでなくエネルギーを持ったものと相互作用するので、光も重力の影響を受けると考えて良いでしょう。

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2013年3月13日 (水)

環水平アーク

 雲が色づいて見える環水平アークという現象があります。これは大気中に浮遊した氷の粒で、太陽光が屈折し、水平な虹が見える現象です。

 写真の環水平アークは、2004年5月の連休に白神に登山に行ったときに撮影したものです。JR東日本五能線の白神岳登山口で仲間と合流したのですが、そのときに空に出ていました。

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2013年2月16日 (土)

ロシアに落下した隕石 (まとめ映像)

米航空宇宙局(NASA)によると、15日にロシア南部チェリャビンスク州に落下した隕石は、大気圏突入前で直径15メートル、質量7千トンだったようです。この隕石は火星と木星の間に存在する小惑星帯から飛来してきたものと考えられています。

大気圏突入時の隕石の速度は毎秒約18キロメートル(=毎秒18000メートル)だったようです。音速を340メートルとして計算すると、なんとマッハ53もの速さです。物体の速さが音速を超えると、空気急激にが圧縮され、空気の振動が波として伝わります。その波を衝撃波と言います。

隕石は高度25キロメートル当たりで大爆発しましが、TNT爆弾で300キロトンのエネルギーが衝撃波として伝わったと考えられています。いかに甚大な被害が出たかわかります。

多くの人が負傷しましたが、不幸中の幸いは死者が出なかったことです。隕石が落下した場所が湖だったのが良かったのでしょう。

Meteorite

どなたかがまとめ映像をYouTubeにアップしてくれていますが、これを見ると本当にすごいです。爆発音が入った映像もあります。

昔とは違って、現在は普段からカメラを持った多くの人がいて、ドライブレコーダなどカメラを搭載した自動車がたくさん走り、いたるところに監視カメラがあります。現在だからこそ決定的な瞬間が映像が撮影され、瞬時に世界中に配信されたわけです。情報社会は10年前より確実に進化しています。

Падение метеорита в Челябинске ! 15.02.2013г.meteorite in Chelyabinsk

 

 

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2012年12月21日 (金)

虹色のユーカリの木 Rainbow Eucalyptus

ニューブリテン、パプアニューギニアなどに虹色のユーカリの木の仲間が生息しているそうです。表面の樹皮が向けると、緑色の内樹皮が現れ、その樹皮が時間の経過とともに色づくのだそうです。色がつくのは紅葉と同じような仕組みとのことです。緑色の色素が時間の経過とともに分解して変色するのだろうと思います。

この木はパルプや紙の製造にも使われ、フィルピンでは植林されているそうです。

Rainboweucalyptus

こちらが虹色の木の映像です。

Rainbow Eucalyptus

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2012年11月 9日 (金)

ピンホール現象で笑い顔

早朝に起きたら、壁にこんな像ができていました。どっかで見たような漫画の笑い顔です。

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出かける前だったので、写真だけ撮影しました。十分に観察はできなかったのですが、これはベランダのカーテンが左右合わった切れ目部分の上部から差し込んだ光が作った太陽の像です。

切れ目がピンホールになって像ができたのだと思います。上の2つの円形は太陽の形です。下の三角は大きな切れ目から差し込んだ光でしょうが、角が丸くなっています。これはピンホール現象の影響でしょう。

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2012年8月23日 (木)

天空の鏡 世界一の大きさの平面鏡 ウユニ塩湖

Photo

 南アメリカ大陸のボリビアアンデス山脈の標高3700メートルの高地に、ウユニ塩原という広さ1万2000平方キロメートルにもなる塩の大地があります。ウユニ塩原は真っ白な大地で、Google Mapで見てもその場所はすぐにわかります。


大きな地図で見る

 このウユニ塩原は、遙か昔にアンデス山脈が海底から隆起したときに、この付近が平坦な大地となり、あたりに川などができなかったために、大量の海水が残ってしまったことによりできたそうです。

 ウユニ塩原は乾期は塩の大地で自動車で走行も可能です。その高低差は最大でも50センチメートルしかないそうで、世界でもっとも広い平らな大地です。

 雨期になると塩原の表面に水がたまって湖となりますが、その湖の深さは、一部をのぞいて自動車で走ることができるほど浅いそうです。

雨期のウユニ塩原の様子はまるで天空の鏡です。次の動画は、その天空の鏡の表面を走行するバイクの映像です。

まさに、世界一大きな平面鏡と言えるでしょう。

Солончак Уюни

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2012年5月28日 (月)

古代ギリシャの哲学者タレスが予言した皆既日食

 古代ギリシャの都市ハリカルナッソスの歴史家ヘロドトスの「ヒストリア(歴史)」という著書に、紀元前6世紀に行われた戦争中に、昼が夜に変わり、双方の兵士たちが戦いをやめ、和平を急ぐ気持ちになったということが記されています。これは紀元前585年5月28日に起きた皆既日食のことと考えられています。

 同書によると、この日食は古代ギリシャのイオニア地方で発祥したミレトス学派の始祖であるタレスが予言していたようです。もちろん、タレスの予言は現在のように○月○日○時○分のような予言ではありませんでした。ヘロドトスのヒストリアから伺えるのは、タレスの日食の予言は年単位であっただろうということです。

 もちろん、タレスが日食が生じる詳しい仕組みや計算方法を知っていたわけではありません。しかし、古代から天球上での太陽と月の動きは知られていて、太陽と月が重なる時期については、ある程度の予想ができていたと考えられます。

 タレスが活躍していた当時、ミレトスは地中海交易の拠点であり、様々な国から多くの人々が訪れ、異文化交流が進みました。それによって、これまでそれぞれの地域の人々が信じていた神学的な世界観や価値観は、崩れ始め、多様化し、混乱しました。そのような中で、世界の仕組みや、身の回りの自然現象などについて、普遍的な真理の追求が行われるようになり、これが哲学となりました。その哲学の祖となったのがタレスです。

 おそらく、この異文化交流によって、タレスはさまざまな情報を入手したのだろうと思います。その中には、日食に関する記録もあったのではないかと思います。

 もし、タレスがたくさんの日食の記録が入手でき、その周期性に気がつけば、日食が起きる時期をおおまかに予言することは難しいことではなかったでしょう。

 タレスは紀元前585年5月28日に日食が起きると予想したわけではありませんから、当時の人々の認識は今年中に日食が起きるという予言があるという程度だったでしょう。多くの人がその予言を信じていたかどうかはわかりません。

 しかし、5月28日に行われた戦争中にその予言が見事的中したのです。しかも、日食は部分日食ではなく、皆既日食でした。あたりが暗くなり、昼が夜に変わったことにより、兵士たちは驚いたと思います。彼らは浮き足立ち、そして早く元通りの世界に戻ってくれと、和平を願ったのでしょう。

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2012年4月24日 (火)

時空を感じることができる映像

天体やオーロラなどを撮影した映像なのですが、このように再生すると、時空の流れを実感することができます。

回る地球、輝く星、流れる雲、光るオーロラ、大地に根付く植物・・・

Temporal Distortion

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