夕焼け空に炎ゆる雲
遠くの山に太陽が沈んでいき西の空が真っ赤に染まります。その山の上には雲があります。
【参考】空の色はどうして青色?|焼け空はどうして赤色に染まるのか
山の上の方は気流も激しいので夕日に照らされた雲の端がゆらゆらと揺れています。
そのゆらゆらと揺れる部分をよく見るとまるで雲が燃えて炎が出ているようでした。
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山の上の方は気流も激しいので夕日に照らされた雲の端がゆらゆらと揺れています。
そのゆらゆらと揺れる部分をよく見るとまるで雲が燃えて炎が出ているようでした。
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水中の様子をカメラで撮影すると次の写真のように真っ青な世界が映ります。人間の目ではここまで青く見えないかもしれませんが、カメラはしっかりと水中では青色の世界であることを捉えています。
次の図は水の吸収スペクトルです。水は波長が長い光をより吸収していることがわかります。500 nmより短い波長の青色系の光はほとんど吸収されていませんが、600 nmより長い波長の赤色系の光をたくさん吸収していることがわかります。水の光の吸収はわずかなためコップ1杯の水は青色には見えませんが、水の量が増えていくと青色に見えるようになります。
さて水中の青色の世界でさまざまな色はどのように見えるでしょうか。深くなるにつれて全体の光の量が少なくなると同時に赤色系の光が失われてきます。この様子を実験して撮影したのが下記の映像です。深い水中では赤色は黒い色に見えます。水中に赤色系の光がほとんど存在しなくなるため赤色の物体が反射する光がなくなるからです。
Underwater Color Loss With GoPro 0 to 155 Feet Depth - Fishing Lure Deep Test
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・水は水色
河川沿いの土手を歩いていたら空に大きな雲が広がっていました。風に吹かれて左の方へ移動していきます。雲の左側には太陽が輝いていたのですが雲に遮らられていきます。太陽が雲に隠れると雲の切れ間から光芒が漏れ出しました。これは薄明光線と言って雲の端や切れ間から光が漏れて光線が放射状に見える現象です。光線が下に降り注ぐ薄明光線は天使の柱とも呼ばれます。今回は光線が漏れ出している位置の下側に厚い雲が広がっているので天使の柱とまでは言えないような薄明光線でした。
光線が漏れ出しているところを拡大撮影してみました。上の写真より雲がやや左側に移動し太陽がさらに雲に隠れています。太陽光と雲の厚さで複雑な色合いになっています。上から1/3ぐらいのところと1/2ぐらいのところになんだか動物の顔のように見えますね。1/3のところは口を大きく開いています。1/2のところは青い目が不気味です。
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・かなとこ雲が発生(2020年8月30日)|かなとこ雲はどんな雲
先日「月齢7の月に「月面X」(2021年4月19日)」に「月面X」の記事と写真をアップしましたが、21日(月齢9)は「月面L」を撮影することができました。
写真の左下にひっくり返った「L」の文字を確認することができます。
「X」や「L」の他にも、「V」や「E」が見えることもあります。2018年3月に撮影された「L」「O」「V」「E」が一度に揃った写真がNASAのAstronomy Picture of the Dayに「Lunar LOVE」として登録されています。この写真を撮影したのは愛媛県の天体愛好家の竹尾昌さんで、この現象は「月面LOVE」と名付けられました。
Lunar LOVE
Image Credit & Copyright: Masaru Takeo - courtesy: Junichi Watanabe (NAOJ)
Astronomy Picture of the Day 2018 November 3
このNASAに登録された写真はVの部分が暗くて見づらいと思います。
朝日新聞デジタルの下記の記事に掲載されている写真がわかりやすいです。
「月面LOVE」バレンタイン2日前が観測のチャンス
https://www.asahi.com/articles/ASM283W9HM28ULBJ009.html
2021年4月19日の夜に撮影した月齢7の月です。上弦の月(20日20:00月齢8)の前日になります。
今回は下記に記載した通り、パナソニック デジタルカメラ ルミックス FZ85にパナソニック純正のテレコンバージョンレンズDMW-LT55を装着して撮影してみました。最大まで倍率をあげて撮影してみたところ、色収差の影響が若干出て月の縁が青みががって写りました。一方で他のテレコンより分解のは高い画像が得られました。
撮影した画像を良く見てみると、かろうじて「月面X」が写っていました。
月の表面には多数のクレーターが存在しますが、太陽光が当たる角度によって立体的に見えます。上弦の月の頃、月の明るい部分と暗い部分の境目あたりに光の加減で「X」の文字が見えます。この現象は「月面X」と呼ばれています。「月面X」のもとになっている地形は3つのクレーター「プランキヌス」「プールバック」「ラカイユ」の外壁によって作られています。
「月面X」は上弦の月の頃に必ず見られるわけではありません。「月面X」が綺麗に見えるのは約70分しかありません。また、上弦の月が夜に出ていること、月が観測地から見えやすい位置にあることが条件になります。「月面X」が見えるのは1年間を通して数回程度で、天気や雲に月が遮られると観測できるチャンスが失われてしまいます。2021年は「月面X」を合計6回、あと4回観測することができます。日時は下記の日の20:00〜22:30の間の1時間です。
2月19日、4月19日、6月17日21:30、8月15日20:00、10月13日20:00、12月11日22:30
4月19日は綺麗に「月面X」が撮影できる時間は21:00頃でしたので、上の写真は1時間ほど早めです。そのためと思いますがXの右側が欠けています。
【撮影機材】
この月の写真の撮影に使用したカメラはパナソニック デジタルカメラ ルミックス FZ85 ブラック DC-FZ85-Kです。焦点距離が20 mm〜1200 mmで、光学ズームでは60倍まで拡大可能です。
このカメラにパナソニックの純正のテレコンバージョンレンズ DMW-LT55を装着しました。倍率は1.7倍です。純正ではありますが、FZ-85で光学ズームを最大にすると、色収差の影響が出て月の縁が青みがかって写ります。
なおFZ-85にこのテレコンをつけるには、パナソニック レンズアダプター ルミックス DMW-LA8が必要です。
夜空に輝く月は自ら光を出しているわけではなく、太陽の光を反射して輝いていることはよく知られていると思います。
古代ギリシアのアリストテレスは月が明るく輝いて見えるのは、月の表面が鏡のようになめらかだからだと考えました。多くの学者達がアリストテレスの説を信じていましたが、この説を否定したのがガリレオ・ガリレイです。
ガリレオは1632年の著者『天文対話』において、3人の学者に月が明るく輝く理由を討論させています。登場する3人は、アリストテレス派のシムプリチオ、コペルニクス派のサルヴィアチ、そして中立的な立場のザグレドです。
コペルニクス派のサルヴィアチは2人を外に連れ出し、日光が当たっている明るい壁を見るように言います。そして、この壁に鏡をかけたたら、鏡は壁よりも明るく見えるか、暗く見えるかと問いかけます。
アリストテレス派の考えでは、表面が滑らかな鏡は光をよく反射するので、鏡は壁よりも明るく見えることになりますが、実際には鏡は壁の表面よりも暗く見えたのです。この矛盾する結果にアリストテレス派のシムプリチオは「この角度から見ると鏡は暗いが、鏡が光を反射する方向の場所に立てば、鏡は壁より明るく見える」と述べ、鏡は入射光に対して、一定の方向に光を反射すると「光の反射の法則」について説明します。
さらに、シムプリチオは鏡が平面ではなく球面であれば、あらゆる方向に光を反射すると述べます。そして、球体の月は太陽光線をあらゆる方向に反射しているのだから、地球上のどの場所からも明るく輝いて見えると凸面鏡による光の反射の説明をします。
シムプリチオの主張に対して、中立のサグレドは「物体が輝いて見えるようになるためには、物体が光を反射するだけではなく、その反射光が我々の眼に届くことが必要」と述べ、「鏡が球面であれば、反射光のごく一部だけが我々の眼に届くだけである」と反論します。
確かに凸面鏡はあらゆる方向に光を反射しますが、あらゆる方向から全体が明るく見えるというわけではありません。凸面鏡の表面の一部が輝く点のように見えるだけで、反射光が眼に届かない部分は暗いはずです。
コペルニクス派のサルヴィアチは実際に凸面鏡を壁にかけて実験をし、どこから見ても壁の方が凸面鏡より明るく見え、凸面鏡がどこにあるかわからないことを確認します。そして、もし月が球面だったら、月全体が輝いて見えるはずがなく、月は輝く点のように見えるはずである。月の表面は鏡のように滑らかではなく、壁のように乱雑になっていると結論づけます。
つまり、月は正反射ではなく、乱反射しているからこそ、明るく見えるということを明らかにしたのです。
次の図のように真っ暗な部屋で鏡と白い紙を真上からペンライトで照らします。真横から見ながら実験すると、鏡の見え方は変化しませんが、白い紙は光があたったところ全体が明るくなります。これは鏡が光を真上の方にしか反射しないのに対し、白い紙は光をいろいろな方向に反射するからです。
このように光が物体の表面で乱反射するおかげで、私たちは物体の姿や色をいろいろな方向から見ることができるのです。ガリレオはこのことを説明し、月の表面が鏡のように滑らかではなく、凸凹であることを明らかにしたのです。
1604年にケプラーの超新星(SN1604)が発見されると、天体観察への関心がたかりました。ガリレオは1597年にヨハネス・ケプラーにコペルニクスの地動説を指示する手紙を送っていますので、ケプラーの超新星の発見には刺激されたのではないかと思われます。
当時、天体を観察できる望遠鏡はありませんでした。オランダの眼鏡職人のハンス・リッペルスハイが凸レンズと凹レンズを組み合わせたオランダ式望遠鏡を発明したのは1608年のことでした。ガリレオは独自にオランダ式望遠鏡を製作し、天体の観察を行いました。
ガリレオは月の表面の観察も行い、1610年の著書『星界の報告』において、月はアリストテレスが主張したような表面が鏡のように滑らかな
球体ではなく、地球の表面と同様に凸凹しているということを記しています。この観察結果をもって、天文対話で3人に「月が明るく輝いて見える理由」を議論させたのです。
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18日の夕方、空に波状雲が広がっていました。波状雲は、雲が連なったり、うねったりして、波のような形をしています。よく波状雲は地震雲と呼ばれたりしますが、雲がこのような形になるのは上空の大気の流れによります。大気の流れが波打って大気波が生じると、空気が上下に動き、波打った形の雲ができます。
波状雲は大気の流れによってできるので、雲の形には関係がなく、巻積雲、巻層雲、高積雲、高層雲、層積雲、層雲などで生じます。この写真の波状雲の元の雲は高層雲でしょうか。
月が地球の影に覆われる月食。月食は月が満月の位置にあるときにだけ起こります。月が満月の位置にあるとき、月と太陽の間に地球が入るからです。本ブログの記事「月の満ち欠けの仕組み」に掲載した下記の図の満月のようになります。つまり、月-地球-太陽が一直線に並ぶときに、満月も起こり、月食も起こります。
上の図だけを見ると、月と地球と太陽が一直線に並ぶ時には、月が地球の影にすっぽりと隠される皆既月食になりそうです。しかし、月食が怒るのは稀で、日常の経験からもわかるとおり、月が満月の位置に来るたびに月食になるわけではありません。なぜ、満月になるのでしょうか。
実は、月の公転起動と地球の公転軌道は次の図のように5.14度ずれています。
この公転軌道のずれのため、月が満月の位置にいるとき、多くの場合は地球の影からずれたとろにいます。満月が地球の影と重なるところに入った場合に月食となります。満月が影の一部で隠されている場合は部分月食となり、満月が地球の影の中にすっぽり入ると、皆既月食となります。地球の影の大きさは満月3個分ぐらいの大きさです。満月が影のどの部分で重なるかによって、皆既月食の時間が変わります。
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先週の日曜日(2020年8月30日)の夕方、買い物に出かけようとして玄関を出ると大空にキノコのような形の雲が浮かんでいました。
かなとこ雲であることはすぐにわかったのですが、これほど見事なものを見る機会はそれほどないと思い、すぐに写真を撮り始めました。あまりにも横方向に広がっているので、パノラマモードで全体を撮影ました。
別の雲がほとんど発生していないため、青空を背景とした圧巻の景色となりました。
かなとこ雲は積乱雲(入道雲)が巨大に発達したものです。積乱雲ができると、どんどん上空をめざして成長していきますが、大気圏内の対流圏と成層圏の境界付近の対流圏界面まで発達すると、それ以上は成長できなくなるため、横方向に広がっていきます。この形が鍛金の道具である「金床(かなとこ、英語:アンビル)」に似ていることから、かなとこ雲と呼ばれます。
かなとこ雲になるような積乱雲が発生すると、非常に強い上昇気流のため、雲の下は悪天候です。雷の発生、どしゃ降りの雨、雹が降ることもあります。
対流圏界面は極地付近では約8,000メートル、赤道付近では17,000メートルぐらいの高さになります。日本付近は11,000メートルぐらいということですから、今回観測されたかなとこ雲も上空11 kmぐらいで広がっていることになります。
積乱雲が対流圏界面より高いところまで成長できない理由は、積乱雲の上昇気流が成層圏に入り込むことができないからです。一方、上昇気流は下部からどんどん供給されるため、空気は雲と一緒に横に広がっていきます。
30分ほどで買い物から帰ってきました。このとき撮影した写真です。雲はかなり横方向に広がっており、先端部分が巻雲になっています。どんどん横に広がり巨大化していくと、この部分から上昇気流が下降気流となるため、元の積乱雲の成長が弱まっていきます。
近所の家の軒先でアジサイがとても綺麗に咲いていました。
アジサイの花の色を左右する重要な物質は土壌中に含まれるアルミニウムです。アジサイの花の色素のデルフィニジンはアルミニウムと結びつくと青色に呈色し、アルミニウムが少ないと赤色に呈色する性質があります。
アルミニウムは土壌中にたくさん含まれていますが、土壌が酸性だと溶け出しやすく、植物に吸収されやすくなります。一方、土壌がアルカリ性だと溶け出しにくくなります。
同じ株に咲いているのに色の違う花をつけるのは、アジサイの根が四方八方に広がっているからです。雨が降ったり、水を与えているうちに、土壌の成分が流れ出したりして、酸性度やアルミニウムの量が変化すると、根が吸収するアルミニウムの量が変わるため、色が変わってくるのです。このあたりについては、本ブログ「光と色と:花の色はいろいろ」で解説しています。
さて、写真の中に白いアジサイが咲いています。この白いアジサイはアナベルという品種です。アナベルはアルミニウムと結びつく色素をもっていないため、土壌の酸性度によって色が変わりません。アナベルは咲き始めの成長時期はクロロフィルにより、薄い緑色をしていますが、成長すると真っ白な花になります。
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