丸底フラスコのレンズ
丸底フラスコに水を入れて壁掛け時計の前に置いてみました。フラスコの中には時計の実像が見えます。壁にかかった物体としての時計とフラスコの中に映る実像としての時計が映っています。
実像はよく倒立していると言われますが、この写真で物体と実像の文字盤の位置を比較すると、レンズの光軸(時計の針の中心)を中心に上下左右が反転していることがよくわかります。
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丸底フラスコに水を入れて壁掛け時計の前に置いてみました。フラスコの中には時計の実像が見えます。壁にかかった物体としての時計とフラスコの中に映る実像としての時計が映っています。
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地球にもっともたくさん降り注ぐ光は太陽光です。太陽はどのように生まれ、太陽でどのようにして光が生まれるのか考えてみましょう。
宇宙が誕生したときにできた水素やヘリウムのガスは宇宙誕生から1~2億年後までには宇宙空間にほぼ均等に広がっていました。
やがて、これらのガスは自身の質量によって集まりだし、宇宙空間に密度の高いところと低いところができました。密度の高いところは銀河のもとになり、宇宙空間にたくさんの銀河のもとが誕生しました。
銀河のもとの中でガスは雲のように集まっていました。この雲はガスの質量によって収縮し、塊のようになっていきました。ガスがどんどん圧縮して密度が高くなると、塊の中心温度もどんどん上昇していきました。すると、ガスの塊の中で高温によって原子が電離し、質量の軽い電子がはじき飛ばされ電子と原子核が分離しました。原子核と電子はバラバラになり、質量の大きい原子核だけが残りました。この原子核の塊はさらに温度を上げ、やがて核融合を起こすようになりました。原子核の塊は核融合によって光を放つようになり恒星として輝き始めましたこのようにして宇宙にたくさんの銀河と恒星が生まれました。
宇宙が誕生してから90億年ほどたった頃、銀河系のどこかでひとつの恒星がその一生を終えて超新星爆発しました。爆発した恒星は宇宙空間にたくさんの元素を放出しました。放出された元素は宇宙に存在していたガスやチリと一緒に集まりだし、やがて新しい塊となりました。この塊が太陽のもと、すなわち原始太陽系星雲です。太陽のもとができるプロセスは上述の恒星ができるプロセスと同じです。太陽はやがて核融合を引き起こし恒星となりました。
太陽光は太陽の中心で生じている核融合で生み出されます。太陽の中心で生まれた光は太陽の内部を通って太陽の表面から出てきます。この過程で光は太陽内部に存在するたくさんの電子と相互作用しますが電子は光を吸収したり、再放出したりします。
太陽の中心で生まれた光は、すぐに外へ出られるわけではありません。たくさんの電子が光の吸収・再放出を繰り返しながら、光を太陽の中心から表面の方へ受け渡していきますが、電子が光子を放出する方向はバラバラなため、光はさまざまな方向へランダムウォークするように太陽内部を進みます。
そのため、太陽の中心で生まれた光が太陽の表面から出て来るまでには数十万年から数百万年かかります。そしてようやく太陽表面に到達した光は約8分で地球に届きます。いま私たちの地球に降り注いでいる太陽光は人類の祖先がアフリカで登場するよりもずっと昔に太陽の中心で生まれたものです。
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可視光線よりやや広い範囲ですが波長300~800 nmの単色光の水中における屈折率と光速を表にまとめました。
水中の光速は真空中の光速 c = 299,792,458 m/s として、c/n で求めたものです。
300~800 nmの光の水中の屈折率と光速
| 波長(nm) | 屈折率 n(水中) | 光速 c/n (m/s) |
|---|---|---|
| 300 | 1.349 | 222,233,105 |
| 325 | 1.346 | 222,728,423 |
| 350 | 1.343 | 223,225,955 |
| 375 | 1.341 | 223,558,880 |
| 400 | 1.339 | 223,892,799 |
| 425 | 1.338 | 224,060,133 |
| 450 | 1.337 | 224,227,717 |
| 475 | 1.336 | 224,395,552 |
| 500 | 1.335 | 224,563,639 |
| 525 | 1.334 | 224,731,978 |
| 550 | 1.333 | 224,900,569 |
| 575 | 1.333 | 224,900,569 |
| 600 | 1.332 | 225,069,413 |
| 625 | 1.332 | 225,069,413 |
| 650 | 1.331 | 225,238,511 |
| 675 | 1.331 | 225,238,511 |
| 700 | 1.331 | 225,238,511 |
| 725 | 1.33 | 225,407,863 |
| 750 | 1.33 | 225,407,863 |
| 775 | 1.33 | 225,407,863 |
| 800 | 1.329 | 225,577,470 |
最近、携帯電話や小型テレビなどに有機ELと呼ばれるディスプレイが使われるようになってきました。有機ELディスプレイは液晶やプラズマディスプレイに続く次世代の薄型ディスプレイとして注目されています。また、有機ELは照明への利用の研究開発も進んでおり、次世代の照明としても期待されています。有機ELは有機エレクトロルミネッセンス(OEL、Organic ELectro-Luminescence )の略で、有機物に電圧をかけると、光を出す現象のことです。
金属が電気を通すことができるのは、金属の内部に金属原子から離れて自由に動くことができる自由電子が存在するからです。この自由電子の動きが電流の正体です。
多くの有機物は自由電子をもたないため絶縁体です。ところが、ある種の有機物はその内部に比較的自由に動くことができる電子をもち、電圧をかけると電流が流れます。このような有機物を有機伝導体といいます。電圧をかけると光を出すものが有機ELの材料として使われます。
エレクトロルミネッセンスのルミネッセンスは、物質が外部からエネルギーを吸収したのち、吸収したエネルギーを光として放出する発光現象のことです。たとえば、パーティなどに使うケミカルライトは、化学反応のエネルギーで高エネルギー状態となった蛍光物質が元の安定したエネルギー状態に戻るときに、余分なエネルギーを光として放出する化学ルミネッセンスを利用したものです。
エレクトロルミネッセンスはルミネッセンスのうち電気エネルギーで発光する現象のことです。蛍光灯やLEDが光る仕組みもエレクトロルミネッセンスです。
有機ELの発光パネルは、有機ELの材料となる有機物を透明な基板に薄く塗ったもので、その厚さは1万分の1ミリメートル程度しかありません。有機ELの発光パネルは次の図のように電極で発光層を挟み込んだ構造をしています。
電極間に電圧をかけると、陰極から電子、陽極から正孔(電子が不足して電子の抜け穴ができたところ)が注入されます。電子と正孔はそれぞれ電子輸送層と正孔輸送層を通って、発光層で結合します。このとき、結合のエネルギーで発光層の物質が高エネルギー状態となります。しかし、この高エネルギー状態は元の安定したエネルギー状態に戻ります。このとき、高エネルギー状態と元の安定したエネルギー状態の差分のエネルギーが光として透明基板側から放出されます。この発光は電圧をかけている限り続きます。
発光層に使われる材料には低分子と高分子の蛍光物質と燐光物質があります。現在、広く使われているのは低分子の蛍光物質で、光の三原色の蛍光物質がそろっています。燐光物質は蛍光物質に比べて発光効率が良く、最近になって実用化されるようになりつつありますが、長寿命の青色の発光材料の開発が進められています。高分子材料は実用化に向けて開発が進んでいます。実用的な材料が開発されると、安価な大型の有機ELパネルの大量生産や折り曲げることができるフィルム状のディスプレイの実現が可能になると期待されています。
有機ELディスプレイのカラー表示の方式はいくつかあります。ここでは次の図に示す4つの方式について説明します。
①は最も標準的な方式で、RGBの光の三原色(光と色と「「光の三原色」と「色の三原色」|色が見える仕組み(7)」)を発光する発光層を使ったものです。発光層を色別に配置する必要があるため製造コストが高くなります。
②は白色光を出す発光層とRGBのフィルターを使った方式です。①よりも構造が簡単ですが、フィルターで光が吸収されるため発光効率が悪くなります。この方式はバックライトを使う液晶ディスプレイ(LCD)のカラー表示とよく似ています。
③は青色光を出す発光層とRGの蛍光物質を使う方式です。①よりも構造が簡単で、②よりも発光効率が良い方式です。
④は①と同じですが、発光層を並べるのではなく積み重ねる方式です。①はRGBを3つ並べて1ピクセルととしていますが、④はRGBを重ねて1ピクセルとしています。有機ELパネルの基板は薄いので、このような方式が可能となります。
有機ELディスプレイはLCDに比べ明るくて鮮明な画像を表示することができます。これはLCDがフィルターを透過してきたバックライトの光で画像を作っているのに対し、有機ELディスプレイは発光層が自ら光を出すからです。また、視野角が広く、斜めから見ても画像が綺麗に見えます。発光のレスポンスが良く、低消費電力です。さらに、非常に薄くできるため、変形するフィルムなどにも画像を表示することができます。
有機EL照明は1990年代に白色光を出す発光層材料が開発され、実現できるようになりました。有機EL照明はパネル全体が光るので、天井や壁の面全体を光らせるような大規模な面光源の照明を作ることができます。また、形状も自由に設計することが可能です。
【関連記事】
凹レンズでできる虚像のレンズの写像公式も実像のときと同様に求めることができます。
この図からレンズの公式を導くことができます。
次の図で△OABと△OA’B’が相似形であることに注目します。
△OABと△OA’B’が相似形ですから、
A’B’/AB=B’O/BO=b/a ……(1)式
の関係にあります。
次に、下図で△FPOと△FA’B’が相似形であることに注目します。
△FPOと△FA’B’が相似形ですから、
A’B’/PO=B’F/OF=(f-b)/f ……(2)式
の関係にあります。
ここで、AB=POであることに着目すると(1)式と(2)式が等しいことがわかります。
つまり、
b/a=(fーb)/f
の関係にあります。
この式を変形すると、
bf=afーab
となります。
両辺をfで割ると
b=aーab/f
より
-ab/f=b-a
両辺をabで割ると
-1/f=1/a-1/b ……(3)式
となります。
凹レンズの場合はf<0とし、また虚像はb<0とする約束がありますので、
1/f=1/a+1/b
のように表すことができます。
レンズの倍率mは虚像の高さと物体の高さの比ですからA’B‘/ABです。これは(1)式と同じですから、次の式が得られます。
m=A’B’/AB=b/a
ここで(3)式を考えてみましょう。1/a と 1/b の差分が -1/f ですから、1/a - 1/b は負の値となることがわかります。
ということは
1/b > 1 /a
ということです。つまり、
b/a < 1
凹レンズの虚像の倍率は常に1より小さくなります。
これは凹レンズでは物体を拡大して見ることができないことを意味しています。
光学設計を解説した多くの本は、光学の基礎知識が十分あることが前提で、数式ばかりが目立ちます。この本も数式は多いのですが、必要となる前提知識を解説しながら展開しているので、たとえば掲載されている図が与えられた課題のようなものではなく、どうしてそのようになっているのかを考えることができます。光学設計を行う上での必要な力を身に着けることができる一冊です。
光学設計が専門ではなくても、光学系についてわかりやすく解説しているので、理科などで光学の実験を行う人、カメラ・望遠鏡・顕微鏡などの光学機器に興味のある人にとっても役に立つと思います。
内容
光学設計では、具体的には、光を都合よく収束、あるいは拡散させて画像を得たり、照明をしたりするために、レンズ、ミラーなどの光学部品の曲率、材質、大きさ、それらの配置を決める作業(計算)を行う。本書は、それを学ぶ、あるいは光学設計を始めようという技術者のために、豊富な図面と基本的な計算式により、丁寧に解説した入門書。
発売日 : 2017/5/27
単行本 : 192ページ
ISBN-10 : 4526077127
出版社 : 日刊工業新聞社 (2017/5/27)
ISBN-13 : 978-4526077128
言語: : 日本語
目次
はじめに
近年、レンズやミラーなどで構成された光学部品は、カメラや顕微鏡といた旧来の光学製品の枠を超え、スマートフォン用カメラ、車載カメラ、プロジェクションマッピング、各種センサのキー部品として、さらに照明系などの様々な応用分野においてますますその重要性を高めていることは、皆様もご承知のところかと思います。画像を取り込み、高精細な画像を撮像素子上に形成したり、スクリーンに投影したりする場合には現状ではレンズなどの光学部品を用いるしか術がないと言ってよく、こうした光学部品を目的に合わせて設計する“光学設計技術”の必要性も自ずと高まってきています。
レンズには他の製品に既に使われている完成品を新しい装置に流用する、ということが難しい側面があります。使用波長域、焦点距離、明るさ(Fナンバー)だけでなく、画像に取り込める被写体の広さ、そして結像分解能も所望のレベルを求めなければなりません。さらに光の入射角度、画像の歪み、そして物体からレンズまでの距離、像からレンズまでの距離、レンズの大きさなどの寸法について等々その他にも多くの制約があります。目的の光学的仕様を満たし、できるだけコンパクトで製造コストの安いものを、と考えますと、どこかで大きな妥協をしない限り、新規に光学設計を起こさざるを得なくなります。こうして、差別化された目的に合致した光学系を得るため、あるいはその際に、ある程度妥協するにいたしましても、光学設計技術の知識を必要とされる方が増えているのだと思います。
またコンピュータの計算能力の向上、市販の光学設計プログラムの入手のしやすさが、今までよりも光学設計を敷居の低いものにしています。そこで、レンズを使う立場の方々も含めた、より多くの方に光学設計について、よりしっかりと知っていただきたい、と思い本書を著させていただきました。
私は、この光学設計という仕事を始めて35年以上になりますが、この仕事が好きです。どこが好きかと申しますと、なかなか説明は難しいのですが自分の力が出せて多少なりとも人様のお役に立てているということが一番かもしれません。ですが、それだけですとただ自分に適している、というような当たり前な理由になってしいます。もう少しよく考えてみますと光学設計は、光学理論という物理学の範疇に含まれる理論をその拠り所としています(光がどう進む、曲がる、反射される、強め合う、弱め合う、などについて知るために)。ところが、実は数字のみを頼りにして光学系による現象を評価、改善していこうという際の抽象性(本書内では近軸理論、収差論、光路長の理論や最適化のところで顕著です)には、多分に数学的なところがあります。それと同時に当然、光学設計は実際の光学系を製造するためのものでなくてはなりません。従いましてどのように製造しようかという心づもりは設計中も非常に大切になります。
このように数学と、実際のもの造りが直結して、その結果が確認できるという作業は意外に少ないのではないかと思います。数学というものは、数学的なもの、と言ったほうがよいかもしれませんが思考の成果であり、純粋に考え抜けるものです(抜けない場合も多いですが)。うまくいくとそこには快感が生じます。そしてその結果が工業分野での新しいキーパツとして、製造技術、物理、数学の結実として、実在し、結果を目の当たりにすることができます。結局これが楽しいのだと思います。
ですから、私の捉え方ではどうしても数式と光学設計は離して考えにくいのです。いくら入門書とは言っても定性的な話ばかりで、数学的な解説のない光学設計の本は、良質な光学の入門書とはなり得ても光学設計の本としてはなかなか成立しにくいのではないかと思います。斯様な次第で、私の力不足もありますが、入門書ではありますが、本書には数式が予想外に多くなってしまいました。お許しいただければと思います(高校の数学レベルで十分理解可能ですが)。とりあえず結果のみ知り、通読後、ご参考にしていただいても結構です。いろいろな読み方でご利用いただいて、本書が少しでも皆様のお役に立てるようでしたら法外の喜びです。
最後に、本書の出版の機会をお与えいただき、何かとご尽力いただきました日刊工業新聞社出版局、鈴木徹部長に、そしてお世話になりました関係者の方々に深く御礼申し上げます。
2017年2月
牛山善太
第1章 光学設計の概念
1-1 光学設計とは、そもそも光学系とは
1-2 光学系が実現すること
1-3 光学設計における結像評価の考え方
1-4 改めて結像とはどういうことか?
1-5 光学設計における光学理論
第2章 幾何光学と光線について
2-1 幾何光学理論の重要性
2-2 幾何光学で重要な法則、フェルマーの原理
2-3 幾何光学で重要な法則、スネルの屈折則
2-4 幾何光学において明るさを計算するための法則
2-5 光線の構造
2-6 光線追跡について
2-7 収差とは何か?
第3章 近軸理論
3-1 なぜ近軸理論を構造として採用できるのか
3-2 まず倍率を考えてみましょう
3-3 近軸光線追跡式
3-4 焦点距離
3-5 結像を表す重要な式
3-6 レンズメーカーの式による光学系の構造
3-7 実物体と実像、虚物体と虚像
3-8 主点・焦点距離はどこから測るのか?
3-9 主点・主平面の性質
第4章 光学系の明るさを決めるもの
4-1 開口絞り
4-2 視野絞りと主光線
4-3 Fナンバー
4-4 入射瞳と射出瞳
4-5 テレセントリック系とは
第5章 球面収差
5-1 プリズムで収差を考える
5-2 球面収差について
5-3 球面収差の計算
5-4 とりあえず球面収差がなくなる条件とは
5-5 球面収差のパワー分割による補正
5-6 球面収差の打ち消し合いによる補正
5-7 球面収差図
5-8 光線の高さによる球面収差の違い
第6章 軸外の収差、コマ収差
6-1 軸外結像におけるメリディオナル断面とサジタル断面
6-2 軸外の収差、コマ収差と非点収差
6-3 コマ収差
6-4 正弦法則について
6-5 画面中心近傍のコマ収差を除去する正弦条件について
6-6 正弦条件からわかること
6-7 幾何光学において重要な光路長差
6-8 アイコナールと結像の余弦則
6-9 結像の余弦則から正弦条件を導く、そして縦倍率とは
6-10 アプラナティックレンズとコマ収差
6-11 球面収差が残っている時の正弦条件
第7章 非点収差と像面湾曲
7-1 非点収差とは
7-2 スポットダイヤグラム
7-3 メリディオナル像点とサジタル像点位置の計算
7-4 アプラナティズムと非点収差
7-5 像面湾曲とペッツバール和
7-6 ペッツバール和の重要性
7-7 ペッツバール和を小さくできるレンズ1
7-8 ペッツバール和を小さくできるレンズ2
7-9 ペッツバールレンズ
7-10 ペッツバールレンズの利点
第8章 歪曲収差と射影関係
8-1 歪曲収差
8-2 射影関係
第9章 色収差
9-1 光の波長について
9-2 分散とアッベ数
9-3 2枚のレンズによる色消し
9-4 2次スペクトルの除去
9-5 倍率の色収差
第10章 総合的に収差を考える
10-1 完全対称型のレンズについて
10-2 対称系レンズの無限倍率使用1
10-3 対称系レンズの無限倍率使用2
10-4 ピントずれと焦点深度
10-5 横収差図の読み方1
10-6 横収差図の読み方2
第11章 周辺光量
11-1 周辺光量について
11-2 一般的な周辺光量の計算1
11-3 一般的な周辺光量の計算2
11-4 周辺が暗くならない光学系、輝度不変則
11-5 周辺が暗くならない光学系、瞳収差
第12章 光学系の評価と最適化
12-1 光学系の性能評価
12-2 回折による解像限界について
12-3 MTF
12-4 MTFとフーリエ変換について
12-5 MTF図の読み方
12-6 コンピュータによる最適化
12-7 最適化における対応力
参考文献
太陽光のスペクトルにDの暗線があるということは、太陽の表面に多数のナトリウム原子が存在することを意味します。このことは、他の暗線を調べると、太陽にどのような原子が存在するのかがわかることも意味します。
1868年にインドで観測された皆既日食で、太陽の縁から立ち昇るプロミネンスの光のスペクトルに新たな輝線が確認されました。この輝線は、新しい原子によるものと考えられ、その原子はヘリウムと名付けられました。地球上でヘリウムが発見されたのは、それから27年後の1895年のことです。
現在、太陽光には約25,000本の暗線が確認されています。暗線は発見者に因みフラウンホーファー線と呼ばれています。
| 記号 | 元素 | 波長(nm) | 記号 | 元素 | 波長(nm) |
|---|---|---|---|---|---|
| A | O2 | 759.370 | E2 | Fe | 527.039 |
| B | O2 | 686.719 | F | Hβ | 486.134 |
| C | Hα | 656.281 | G | Fe | 430.790 |
| D1 | Na | 589.594 | G | Ca | 430.774 |
| D2 | Na | 588.997 | H | Ca+ | 396.847 |
| D3 | Na | 587.565 | K | Ca+ | 392.368 |
主なフラウンフォファー線
太陽と同様に宇宙にたくさん存在する恒星からやってくる光のスペクトルを調べることによって、その天体にどのような原子が存在するのかを知ることができます。
地球から遠ざかる天体の光は、ドップラー効果により、波長が長くなります。これを赤方偏移といいますが、どれぐらい波長が長くなったかを調べるには、基準の光が必要となります。この基準にフラウンホーファー線が使われます。
銀河のスペクトルの赤方偏移から、この宇宙が膨張していることがわかったのです。
このように遙か彼方の天体からやってくる光には、天体からの原子のメッセージが込められているのです。
リチャード・P. ファインマン (著), Richard P. Feynman (原著), 釜江 常好 (翻訳), 大貫 昌子 (翻訳)
この本はファンマン博士の講義の内容をまとめたものです。光を粒子として考え、光と物質の相互作用などをわかりやすく説明しています(もともとの量電磁力学がそれほど簡単ではありませんが、量子電磁力学の本の中ではかなり優しい内容です。
私たちは、光は直進するという基本的な性質をもっていることや、光が反射するとき入射角と反射角が等しくなるということを知っていますが、この本を読むと、もはやその法則は絶対的なものではなく、近似的なものであるということがわかります。 光がどのように伝わっていくのかなどについても説明されています。
後半では光子や電子の運動や相互作用などについてファインマンダイアグラムを用いて説明しています。
自分がもっている本はハードカバーで表紙は下記の左側ですが、現在再販されているものは右側のような表紙になっています。


内容(「BOOK」データベースより)
「ねえ、リチャード、あなたは何を研究しているの?」友達の奥さんがそう尋ねてきた。はてさて、どうする、ファインマンさん。物理が全然わからない人に、自分の研究を理解してもらえるか。それも、超難解で鳴る量子電磁力学を。光と電子が綾なす不思議な世界へ誘う好著。物理学者リチャード・ファインマン、面目躍如の語りが冴える。
単行本: 215ページ
出版社: 岩波書店 (1987/06)
ISBN-10: 4000058665
ISBN-13: 978-4000058667
発売日: 1987/06
商品の寸法: 18 x 13 x 1.6 cm
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1859 年、ドイツの化学者ローベルト・ブンゼンと物理学者グスタフ・キルヒホフはスペクトル測定の研究を進めていました。ブンゼンが発明したブンゼン・バーナーはほぼ無色の炎を出すことができました。ブンゼンとキルヒホフは、この炎に物質を入れ、物質から出る光のスペクトルを調べる炎光分光分析という分析法を開発しました。1860年に分光学的手法によりセシウムとルビジウムを発見しています。
ブンゼンとキルヒホフは炎光分光分析法で太陽光のスペクトルの分析を行い、フラウンフォーファー線のD線について調査しました。2人は太陽光のスペクトルに D の暗線が生ずるのは、太陽光がナトリウム原子が出す光を含まないからだと考えました。そして、太陽光とナトリウム原子の光を混合すると、ナトリウム原子のDの輝線が太陽光のDの暗線を補い、全体としてはDの暗線が消えると考えました。ところが、実験の結果は、Dの暗線が消えるどころか、予想に反して、より暗くなってしまったのです。
ブンゼンとキルヒホフは、暗線が生じないオイルランプの光とナトリウム原子の光で同様の実験をおこないました。すると、D の暗線をもつスペクトルが得られたのです。2人はこの結果について、「オイルランプの炎の中にはナトリウム原子がたくさん存在する。そこに、
ナトリウム原子が出す光がやってくると、オイルランプ中のナトリウム原子がその光を吸収する。その結果、Dの位置の光が欠けて暗線が生じる」と結論づけました。
つまり、ブンゼンとキルヒホフは原子自らが発光する光と同じ光を吸収することを発見したのです。
ニュートンがプリズム分光実験から約150年後の1814年、ドイツの光学機器の技術者ヨゼフ・フォン・フラウンホーファーは高精度のプリズムを搭載した望遠鏡で太陽光のスペクトルを観察していたところ、綺麗な虹色のスペクトルの中に、暗線が飛び飛びに存在していることに気がつきました。
スペクトルの中に暗線があるということは、その部分の光が欠けていることを意味しています。
当初、フラウンホーファーは、この暗線は光学ガラスの問題で生じたのではないかと考え、別の光学ガラスを使って観察を繰り返しました。しかし、何度繰り返しても暗線が消えることはなかったのです。この暗線はフラウンホーファー線と呼ばれます。
フラウンホーファー線は実際にはイギリスの化学者・物理学者のウイリアム・ウォラストンによって1802年に発見されていますが、暗線の探究を行ったフランホファーの名が付けられました。
フラウンホーファーは太陽光のスペクトルの暗線の数と位置を丁寧に詳しく調べあげ、およそ600本の暗線があることを確認しました。続いて、月や金星の光のスペクトルについても調べてみました。すると、それらのスペクトルにも暗線が見つかったのです。そして、その暗線の数と位置を調べてみたところ、太陽光のスペクトルの暗線と一致していました。
フラウンホーファーは、この結果について、月や金星は太陽光を反射しているのだから、太陽と同じ結果になっても不思議ではないと考えました。そこで、フラウンホーファーはいくつかの恒星の光のスペクトルを調べてみました。すると、恒星の光のスペクトルの暗線の数や位置が太陽光のスペクトルの暗線とは異なることを発見したのです。
フラウンホーファーはスペクトルの暗線を調べると、太陽や恒星について詳しく知ることができると考え、太陽光のスペクトルの波長の長い赤色の光の方から、主要な暗線にA、B、C…と記号をつけました。
フラウンホーファーは炎の中に食塩を入れ、ナトリウム原子の炎色反応で生じる黄色い光のスペクトルを調べてみました。すると、黄色い光の輝線が暗線Dと同じ位置に現れました。
| ナトリウム原子の輝線は、分光分析の幕開け(1)-炎色反応でナトリウムの輝線を発見で説明したように、1752年のトーマス・メルビルの炎色反応の実験によって発見されています。メルビルはこの輝線がナトリウム原子に由来するものであることには気がついていませんでしたが、フラウンホーファーの暗線Dはメルビルが発見した輝線と同じものでした。 |
フラウンホーファーは暗線Dとナトリウム原子の輝線に何らかの関係があると考え、この結果を報告しました。しかし、当時の科学者たちから受け入れられず、この発見は忘れ去られることになりました。