マジックミラーの原理と仕組み
マジックミラーというと何か特殊な鏡のように聞こえるかもしれません。しかし、日常の生活の中でもマジックミラーと同じような現象を体験することができます。
例えば、夜間に明るい部屋の中からガラス窓越しに外を見たとき自分や部屋の中の様子がガラスに鏡のように映りこんでさっぱり外が見えないという体験をしたことがあるでしょう。あるいは夜間に電車に乗っているとき電車の窓が鏡のようになっていることに気がついたことがあるでしょう。
透明な物体に光があたると、ほとんどの光は物体を透過しますが一部の光は物体の表面で反射します。また物体が透明であるということは物体のこちら側から進んでいく光も、物体の向う側からやってくる光も物体を透過するということです。
ですから昼間でも窓ガラスを注意深く見てみるとものが映っていることがわかります。このとき窓ガラスに映ったものが見えづらいのは外が明るいためです。外からやってくる光が多くガラスの反射光が目立たないからです。
ガラス窓が鏡のように見えるかどうかはガラス窓の内側と外側の明るさに関係しています。夜間、部屋の中から見た窓ガラスが鏡のよう見えるのは部屋の外が暗いので外から入ってくる光がほとんどなくなり、窓ガラスで反射した光が良く見えるようになるからです。 これは暗いところからは明るいところが良く見えるということです。この現象はガラスでなくても網戸やレースのカーテンなどでも体験することができます。
マジックミラーはこの原理を利用しているのです。ただし、マジックミラーは単純なガラスではありません。なるべく鏡に見えるような工夫がされています。鏡はガラスに裏側に光を反射する銀やアルミニウムの薄膜を張りつけて、さらに光が透過しないように保護膜をつけてあります。マジックミラーは保護膜をつけずに光を反射する薄膜を貼りつけガラスを透過する光を約10%、反射する光を約50%にしてあります。この工夫によってガラスがより鏡のように見えるようにしてあります。
実際にマジックミラーを使うときには、鏡のように見える方を暗くする必要があります。よく刑事ドラマなどで証人がマジックミラーを通して犯人を特定するシーンが出てきますが容疑者は明るい部屋、証人は暗い部屋にいるはずです。
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