シロクマの毛は透明で肌は黒い
シロクマの正式名称はホッキョクグマ(北極熊)で哺乳綱食肉目クマ科クマ属の食肉類です。
ホッキョクグマは全身を覆う毛で身体が白く見えるためシロクマ(白熊)と呼ばれます。北極の環境下では雪や氷と同化し得物に気が付かれにくくなる効果があります。しかしシロクマの毛は本当は白色ではありません。シロクマの毛は中空でストローのような構造をしています。この透明の毛が密集して生えているため、光が当たると乱反射して白く見えます。
またホッキョクグマの地肌は黒色をしています。光の熱をよく吸収する黒い地肌に透明な毛が太陽光を送ります。これによってホッキョクグマの体温が上がります。さらに毛も太陽光に温められ、毛に含まれている空気が保温効果を生み出します。厳寒の北極の環境で冷たい外気を遮断しているわけです。その他、分厚い脂肪や短い足も寒冷地への適応です。ホッキョクグマは北極での生活のために身体を適応させて進化させたと言って良いでしょう。
| 固定リンク | 0
「光のおはなし」カテゴリの記事
- シロクマの毛は透明で肌は黒い(2023.09.29)
- 太陽と雲と薄明光線(2023.05.11)
- 有機ELの仕組み(2021.02.09)
- 白いアジサイ「アナベル」はなぜ白いのか?(2020.06.29)
「 生物」カテゴリの記事
- シロクマの毛は透明で肌は黒い(2023.09.29)
- 真鯉と緋鯉の違い|緋鯉(ヒゴイ)が赤い理由(2022.06.23)
- 見る―眼の誕生はわたしたちをどう変えたか(2021.07.30)
- 木々の葉が黄色や赤色に色付く理由|紅葉の仕組み(2020.12.14)
- サクラ色はアントシアニン(2020.04.15)
コメント
色のことについてもっと知りたいと色々検索していて、photonさんの記事を見つけ勉強させていただいてます。このコメント欄から質問させていただいてもよろしいでしょうか?
セラミックの人工歯を製作する歯科技工士です。1.2~1.5mmの厚みの被せものを作っています。セラミックといっても種々ありますがそのうちのポーセレンと呼ばれる半透明の素材です。
ガラスの近いですが、そのようなものに色付けをする場合は下方混色になりますか?減法混色になりますか?ポーセレンの層構造的には、最下層に光を反射するオペークのような低い透明層、表面(直接目に見えるほう)に移行するにつれ、透明度が順次増していきます。最下層に色付けする場合もありますし、中間層や表層に色付けする場合もあります。
ご教授のほう、どうぞよろしくお願いします。
投稿: 山田和伸 | 2024年8月26日 (月) 11時10分
山田和伸様
コメントありがとうございます。
半透明とはいえ歯の素材に色をつける場合には色材を使うと思います。太陽光や電灯の光を当てたときに素材が吸収せずに反射した光で色が見えることになりますので基本的に減法混色になります。
「光の三原色」と「色の三原色」の原理と仕組み|色が見える仕組み(7)
https://optica.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-ab6f.html
投稿: photon | 2024年8月26日 (月) 21時41分