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2020年12月

2020年12月14日 (月)

木々の葉が黄色や赤色に色付く理由|紅葉の仕組み

紅葉する樹木は

 秋が深まる頃、木々の葉が黄色や赤色に色づき、鮮やかな紅葉を楽しむことができます。紅葉とは樹木の葉が落葉の前に色が変わることですが、全ての全ての木が紅葉するわけではありません。紅葉するのはカエデやイチョウなどの落葉樹で、秋が深まると一斉に葉を落とします。一方、マツやスギなどの常葉樹は1年を通して深緑の葉を留めています。落葉樹のように一斉に葉を落とすことはありませんが、古くなった葉は落として、新しい葉に変えていきます。

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葉はどうして緑色なのか

 植物は光合成によって無機物である二酸化炭素と水からブドウ糖をつくり、それをもとにデンプンやタンパク質など生きていくために必要なエネルギー源や体を作る物質を合成しています。光合成は葉の細胞に含まれている葉緑体で行われます。植物の葉が緑色に見えるのは細胞内に葉緑体がたくさん存在しているからです。葉緑体にはクロロフィル(葉緑素)という色素が含まれています。

光合成の仕組み
光合成の仕組み

 葉にはクロロフィル以外にもカロテノイドという黄、橙、赤色を示す色素が含まれています。しかし、光合成を盛んに行っている春や夏はクロロフィルの色素がたくさん存在するため、葉は全体としては緑色に見えます。

 次の図はクロロフィルの吸収スペクトルです。クロロフィルは500 nm以下の青色光と600 nm以上の赤色光を吸収し、500 nmから600 nmの緑や黄色の光を吸収せずに反射します。その反射した光が緑色や黄緑色に見えるのです。

クロロフィルの吸収スペクトル
クロロフィルの吸収スペクトル

どうして紅葉するのか

 木々の葉が色づくことをひとくちに紅葉と言いますが、紅葉には葉が赤色に変わる「紅葉」と黄色に変わる「黄葉」があります。落葉樹の葉の色が緑色から赤色や黄色に変わるのは、秋が深まって、気温が低下し、日照時間が短くなると、光合成が行われなくなるためです。光合成が行われなくなると、緑色の色素のクロロフィルが少なくなるため、それ以外の色素の色が現れてきます。

 イチョウなどの「黄葉」する葉はクロロフィルの量が少なくなると葉の中に存在していたカロテノイドの色が現れてきます。

 一方、カエデなどの「紅葉」する葉は紅葉の時期になると葉と枝の境に「離層」と呼ばれる細胞ができます。この細胞が葉と枝の間の物質の移動を遮断するため、光合成で作られていた糖分が葉の中に留まり、糖分の濃度が上がります。そこに日光が当たると、クロロフィルと糖分が反応してアントシアニンという赤色の色素が生じます。クロロフィルが少なくなり、アントシアニンの量が増えると、葉の表面が赤くなります。

カエデとイチョウ
カエデとイチョウ

 植物がもつ色素はクロロフィル、カロテノイド、アントシアニン以外のものもあります。花がさまざな色を呈するのも色素によるものです。

花の色と色素
花の色と色素

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2020年12月 4日 (金)

飛び飛びのエネルギー|量子力学の幕開け(3)

プランクのエネルギー量子仮説

 ドイツの物理学者マックス・プランクはレイリー・ジーンズの式とヴィーンの式を組み合わせると黒体放射スペクトルをより正確に再現できると考え、試行錯誤の末、1900年にプランクの法則を導き出しました。

 プランクは光のエネルギーは波のように連続的に変化するのではなく、1個、2個と数えられる粒子のように飛び飛びに変化すると考えました。そして、ある振動数の光が担うことのできるエネルギーは、光の振動数にある定数をかけた値を最小単位として、その整数倍になるというエネルギー量子仮説を提唱しました。この定数は後にプランク定数と呼ばれるようになります。プランク定数に振動数をかけたhνをエネルギー量子と呼びます。こうしてプランクは黒体放射スペクトルに極大値が現れる理由を説明しました。

プランクの量子仮説
プランクの量子仮説

 エネルギー量子仮説によると、光はhν単位でしかエネルギーをやり取りできません。ここで、図6に示すように、ある大きさのエネルギーEをさまざまな振動数の光に分配することを考えてみましょう。振動数が大きくなると、hν単位も大きくなりますから、振動数の小さい光の方がより多くのhν単位でEを担うことになります。Eの分配が進んで、残りのエネルギーがhνより小さくなると、光はエネルギーを担えなくなります。また、hνがEより大きい光は、最初からエネルギーを担うことができません。このように、さまざまな振動数の光にEを分配しようとすると、ある振動数から分配できなくなるのです。また、Eの大きさによって、効率的にエネルギーを担える振動数が異なります。そのため、黒体放射スペクトルに極大値が現れることになるのです。

光のエネルギーの分配
光のエネルギーの分配


 当時の物理学-古典物理学-によれば、光の波のエネルギーは連続的に変化するという考え方が常識でした。ですから、エネルギーが飛び飛びに変化するプランクのエネルギー量子仮説は古典物理学の常識を根底から覆す発見だったのです。プランクが見い出した仮説は後年アインシュタインやニールス・ボーアなどによって確立されていく量子力学の基礎となりました。この発見が量子論の幕開けとされ、プランクは量子論の父と呼ばれました。しかし、プランク自身は古典物理学を信じて疑うことはなく、自ら導いた仮説に直ちに納得していませんでした。古典物理学とエネルギー量子仮説を結びつける何らかの理論が見つかるだろうと信じて研究を進めたのです。

マックス・プランク
マックス・プランク

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