青は進めの真実|交通信号の色
国際照明委員会(CIE)で定められた世界共通の交通信号の色は「緑・黄・赤」の3色です。航空関係などでは白や青の信号もありますが、CIEでは信号に使う光は「赤・黄・緑・青・白」の5色とし、それぞれの色の光の波長範囲や強さを定めています。
日本では交通信号の色は「緑・黄・赤」ではなく「青・黄・赤」と認識されています。「青は進め」とは言いますが、「緑は進め」とは言いません。日本で現在使われている交通信号は確かに「青・黄・赤」に見えますが、昔使われていた交通信号は「緑・黄・赤」の3色でした。しかし、当時も「青は進め」と緑信号のことを青信号と呼んでいました。どうして緑なのに青なのでしょうか。
これは日本人の青色に対する認識に由来します。日本人は昔から青色と緑色を明確に区別する文化をもっていませんでした。青色の範囲が広く、「青野菜」や「青々とした緑」など緑色も青色と呼ぶことが多かったのです。実際に明治生まれの自分の祖父も緑色を青色と言っていたことをよく覚えています。このような背景から、日本人は緑信号のことを青信号と呼んだわけです。
しかしながら、近年では、日本人も青色と緑色を区別するようになりました。緑色を青色と呼ぶ人はほとんどいなくなりました。ですから、昔の緑信号では青信号と呼ぶのに違和感が出てきたのですが、慣習で青信号と呼んでいたわけです。
そこで、現在の信号機では、CIEが規定している緑色信号の光の波長範囲で、なるべく青色に近い波長の光が採用されるようになりました。昔の信号よりはずいぶん青色に近い緑色になりました。
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