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2020年10月17日 (土)

どっちが細長く見える?|シェパード錯視

 次の2つの箱を比べて見てください。どちらが細長く見えるでしょうか。

Shepard illusion シェパード錯視
どちらが細長く見える?

 この図はシェパード錯視といって、アメリカの認知科学者ロジャー・ニューランド・シェパード(Roger Newland Shepard )が1981年に下記の論文で発表したものです。

Shepard, R. N. (1981) Psychophysical complementarity. in Kubovy, M. and Pomeranz, J. (Eds.), Perceptual Organization, Hillsdale, NJ: Lawrence Erlbaum Associates, pp. 279-341. (see p.298)

 同様な錯視が1975年に日本の心理学者の牧野達郎が下記の論文で発表しています。

Makino, T. (1975). Comparison process as a factor of size-distance relationship. Psychologia, 18, 104-109.

 さて、こういう問題をわざわざ出すので答えは想像できると思いますが、左側と右側の箱の上部の平行四辺形はまったく同じ大きさです。そうは言っても、明らかに左側の方が細長く見えると思います。長い辺を奥行きの方へ傾くように配置すると長く見えます。ですが、左側の平行四辺形を45度右に回転してみると、

Shepard illusion シェパード錯視
左側の平行四辺形を回転してみると

 さて、平行四辺形でななく、次のように台形でやってみると、もっと誇張されます。この2つの台形は同じ大きさで同じ形をしています。

Shepard illusion シェパード錯視
台形にすると誇張される

 下記の本はロジャー・シェパードが1990年に発表した著作の日本語版です。

視覚のトリック―だまし絵が語る「見る」しくみ

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