かなとこ雲が発生(2020年8月30日)|かなとこ雲はどんな雲
関東地区に見事な「かなとこ雲」が発生
先週の日曜日(2020年8月30日)の夕方、買い物に出かけようとして玄関を出ると大空にキノコのような形の雲が浮かんでいました。
かなとこ雲であることはすぐにわかったのですが、これほど見事なものを見る機会はそれほどないと思い、すぐに写真を撮り始めました。あまりにも横方向に広がっているので、パノラマモードで全体を撮影ました。
別の雲がほとんど発生していないため、青空を背景とした圧巻の景色となりました。
「かなとこ雲」はどんな雲?
かなとこ雲は積乱雲(入道雲)が巨大に発達したものです。積乱雲ができると、どんどん上空をめざして成長していきますが、大気圏内の対流圏と成層圏の境界付近の対流圏界面まで発達すると、それ以上は成長できなくなるため、横方向に広がっていきます。この形が鍛金の道具である「金床(かなとこ、英語:アンビル)」に似ていることから、かなとこ雲と呼ばれます。
かなとこ雲になるような積乱雲が発生すると、非常に強い上昇気流のため、雲の下は悪天候です。雷の発生、どしゃ降りの雨、雹が降ることもあります。
「かなとこ雲」は最後にどうなる?
対流圏界面は極地付近では約8,000メートル、赤道付近では17,000メートルぐらいの高さになります。日本付近は11,000メートルぐらいということですから、今回観測されたかなとこ雲も上空11 kmぐらいで広がっていることになります。
積乱雲が対流圏界面より高いところまで成長できない理由は、積乱雲の上昇気流が成層圏に入り込むことができないからです。一方、上昇気流は下部からどんどん供給されるため、空気は雲と一緒に横に広がっていきます。
30分ほどで買い物から帰ってきました。このとき撮影した写真です。雲はかなり横方向に広がっており、先端部分が巻雲になっています。どんどん横に広がり巨大化していくと、この部分から上昇気流が下降気流となるため、元の積乱雲の成長が弱まっていきます。
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