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2020年7月 2日 (木)

ハイゼンベルクの顕微鏡~不確定性原理は超えられるか

ハイゼンベルクの顕微鏡~不確定性原理は超えられるか

石井 茂 (著)

 この本も中古でしか入手できなくなりました。前半で量子力学の発展の歴史を解説し、後半で不確定性原理にどのような欠陥があり、どのように修正されたのかを「小澤の不等式」の紹介とともに解説しています。

ハイゼンベルグの不確定性原理とは
 ニールス・ボーアのもとで研究をしていたヴェルナー・ハイゼンベルクは、1927 年に、電子などのミクロな粒子の位置と運動量は同時に特定することはできず、位置を特定しようとすると運動量が決まらなくなり、運動量を特定しようとすると位置が決まらなくなるという「不確定性原理」を発表しました。この位置と運動量を同時に特定することができないというのは、測定方法の問題ではなく、電子のようなミクロの粒子の基本的な性質として、ある時間に、どの位置にいて、どんな速さで運動しているのかは、一意的に決まらないというものでした。

 

Photo_20200702115801

「不確定性原理に欠陥」「不確定性原理を破る小澤の不等式が実証」

日経サイエンス ハイゼンベルクの不確定性原理を破った! 小澤の不等式を実験実証
http://www.nikkei-science.com/?p=16686

Nature Physicsに掲載された論文は次の通りです。
Experimental demonstration of a universally valid error–disturbance uncertainty relation in spin mesurements
https://www.nature.com/articles/nphys2194  

著者からのコメント

 現代社会は量子力学に多くを負っています。コンピュータを動作させる原動力の半導体は、量子力学なしでは今日の隆盛はあり得ませんでした。インターネットで情報を運ぶ手段となっているレーザー光の技術も、量子力学なしには発展できなかったでしょう。その量子力学の基本原理が「ハイゼンベルクの不確定性原理」です。

 1927年、天才物理学者ハイゼンベルクは次のように宣言しました。量子の世界では、物体の位置と速度を同時に知ることはできない。この関係は非常に簡単な不等式で表されます。そしてハイゼンベルクはこの原理を、ミクロの世界を見ることのできる仮想的な顕微鏡を使った思考実験によって導きました。本書の表題はそれにちなんだものです。

 ハイゼンベルクの不確定性原理は以後、絶対的な基本原理として君臨し続けてきたのでした。しかしそこには、あいまいな点が残っていました。75年間、誰も指摘しなかったこのあいまいさを、ある日本人科学者が明快に整理して説明したのは2002年のことです。それは発見者の名をとって「小澤の不等式」と呼ばれています。ハイゼンベルクが発見した不等式は絶対不変の原理ではなく、小澤の不等式によって乗り越えられるかもしれない、という可能性が出てきたのです。

 しかも20世紀後半の技術進歩によって、より小さな現象を測定することが可能になってきました。ハイゼンベルクの不等式が正しいのか、それとも小澤の不等式が正しいのか。それは遠からず実験によって証明されるでしょう。

 本書はその新しく発見された小澤の不等式が、どのようなものであるかを解説します。ギリシャ時代から今日に至るまで、物理学上の基本的発見のほとんどが欧米で成し遂げられてきました。現代の物理学を象徴するハイゼンベルクの不確定性原理が、日本人科学者の手によって覆されるとすれば、こんな痛快なことがまたとあるでしょうか。(著者:石井 茂)

出版社 / 著者からの内容紹介

 ハイゼンベルクが発見した不確定性原理は、量子力学の一応の完成を告げると同時に、量子力学の物理的解釈をめぐって論争の種をまくことになった。量子力学の数学的定式化はフォン・ノイマンによって達成されるが、このときノイマンは不確定性原理がもたらす量子の観測問題にも手を染めた。量子力学を疑う人々がほとんどいなくなっていったこととは裏腹に、観測問題については「シュレディンガーの猫」「ウィグナーの友人」「EPRパラドックス」などのさまざまな疑問が提出され、長い間にわたって論争が続いてきた。

 量子力学における観測問題を決着させたのは、日本の数理物理学者であった。その新しい観測理論は、ハイゼンベルクの不確定性原理に修正を迫る結果になった。

 本書はハイゼンベルクやシュレディンガーなどのあまり知られていないエピソードをたっぷりと紹介しながら、不確定性原理がいかに発見され、その後いかなる道をたどったかを物語る。

内容「BOOK」

「小澤の不等式」がハイゼンベルクを乗り超える!不確定性原理の不思議な世界への招待。

単行本: 272ページ
出版社: 日経BP社 (2005/12/28)
ISBN-10: 4822282333
ISBN-13: 978-4822282332
発売日: 2005/12/28
商品の寸法: 19.4 x 13.4 x 2 cm

目次

第1章 不確定性原理とは何か
第2章 不確定性原理はどのようにして発見されたか
第3章 物理学会との対決―コペンハーゲン解釈の成立
第4章 再開された論争―アインシュタインの再批判
第5章 原子核物理学の発展とハイゼンベルク
第6章 コペンハーゲン解釈への挑戦
第7章 不確定性原理は破れているのか―重力波測定の限界をめぐって
第8章 書き直された不確定性原理―ハイゼンベルクから小澤へ

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