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2020年4月25日 (土)

光は蓄えることができるか(1)ー光は光のままで蓄えることが可能か

 光を光のままで蓄える方法としてまず簡単に思いつくのは、次の図のように内面が鏡面になった空洞の球体に光を取り込んで無限に反射させる方法でしょう。もちろん、球体内部は空気が存在しない真空とします。

Kagamijigoku

 この方法は一見すると永久に光をためておくことができるような感じがしますが、実現は不可能です。なぜなら球体の内面の反射率を100%にすることができないからです。仮に内面の反射率を99%にすることができたとしましょう。n回反射した後の光の強さは下記の式で求めることができます。

光の強さ

 球体内で光が100回反射すると光の強さはもとの約37%、300回反射すると約5%になってしまいます。

 光の速さは秒速約30万 kmもありますから、私たちが扱えるような大きさの球体では、光は無限に近い回数反射して、あっという間に消失してしまいます。それでは、球体の大きさを宇宙的規模まで大きくするとどうでしょうか。そうすると、単位時間あたりに光が反射する回数が減るので、ある程度の時間は光を球体内にとどめることはできるでしょう。

 しかし、これは遠くにある星から光がやってくるのと同じで、光を再び取り出すことができるまでに相当の時間を要することになってしまいます。とても光をためることができたと言えるような状態ではありません。

光は光として蓄えることができないのでしょうか。この続きはまた。

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