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2013年10月 1日 (火)

高温の物体から出る光 熱放射

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 高温に熱せられたものが光を出すことは多くの人が経験から知っていると思います。たとえば、写真のような電気ストーブは、ヒーターが高温になると、ヒーターから赤い光が出てきます。高温の物体から光が出てくるしくみを考えてみましょう。

 電熱線に電気と通すと、発熱と同時に暗赤色になります。電熱線は温度が高くなるにつれて明るい色を出します。このとき、電熱線が発熱するのは、電熱線の金属原子が振動するからです。原子が振動するとき、原子の中の電子は原子より軽いため、より激しく振動します。電荷をもつ電子が振動すると、電磁波が発生します。

 冷たい氷を含めて、あらゆる物体は熱をもち赤外線を出しています。これは電子の振動に由来します。そして、物体の温度が上昇して電子の振動エネルギーが可視光線のエネルギーに相当する大きさになると、目に見える光が出てきます。電子の振動が激しくなるにつれて、光の波長の種類と光の量が増え、やがて白色光や青白い光が出てくるようになります。このように物体が熱を光として出す現象を熱放射といいます。熱放射で物体から出てくる光の色や強さは、物体によらず温度で決まります。これを黒体輻射といいます。

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 身近な例では、白熱電球は、熱放射で光を出しています。白熱電球は電気エネルギーを熱エネルギーに変換してから光を出すため、電気エネルギーを光に変換する効率が低く、100ワットの電球で10%程度しかありません。そのため、光っている電球は非常に熱くなっています。

 光源が発する光の色を熱放射で光を出している物体の絶対温度(K)に換算して表したものを色温度といいます。色温度によって光源の色を数値的に表すことができます。また熱放射で光を出している物体についてはその物体の色から温度を知ることができます。たとえば宇宙に輝く恒星はその色から表面温度を知ることができます。白熱電球も熱放射で光を出しているのでその色から温度を知ることができます。しかし同じ伝統でもLEDや蛍光灯は熱放射で光を出しているわけではありませんのでその色から温度を知ることはできません。

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