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2013年4月

2013年4月28日 (日)

背理法 存在しないことを証明する

 古代ギリシャの哲学者であり、エレア派の始祖でもあるパルメニデスの養子にゼノンという哲学者がいました。ゼノンはパルメニデスの思想が世の中で受け入れられないことを嘆き、師の考えに対する異論に反論し、師を擁護するための論法を考えました。

 ゼノンが考え出した方法は「背理法」です。背理法は、相手が真とする命題をひとまず真と仮定して論理を展開し、真と仮定したことによって生じる矛盾を導き出すことによって、相手の命題が成り立たないことを証明する方法です。

 自分が真とする命題を証明する立場で考えると、自分の命題の否定を真と仮定することにより導き出される矛盾を示すことによって、自分の命題が真であると結論づけることになります。

 背理法について、簡単な例で考えてみしょう。昆虫とクモは節足動物の仲間ですが、昆虫は節足動物昆虫類、クモは節足動物クモ類に属します。クモが昆虫ではないことを背理法で証明してみましょう。

 まず、「クモは昆虫ではない」の否定である「クモは昆虫である」を真の命題として、次の図のように論理
を展開します。

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 このように、昆虫とクモの構造を比較すると、矛盾が生じることから、「クモは昆虫である」という仮定が成り立たないことを示すことができ、もとの命題「クモは昆虫ではない」を証明することができます。

 ところで、昆虫とクモの足の数について、

① クモは足が8本ある
② 昆虫はクモではない
③ よって、昆虫の足は8本ではない

 

という証明はできるでしょうか。実は、この証明はできません。昆虫をタコに入れ替えてみてください。タコは昆虫ではありませんが、足は8本あります。このように条件の設定や手順を間違えると、証明ができなくなります。

 

また、命題と条件によっては目的の証明ができずに迷宮入りしてしまう可能性もあります。背理法を使うときには、このような状況に陥らないように注意する必要があります。

 

 

 

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2013年4月20日 (土)

光速の測定と光の波動説

次の図のように、光が空気中から水中にはいるとき、光は水と空気の境界面で屈折して水中に入ります。このとき、屈折角は入射角より小さくなります。

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 この現象は、光の波動説では光の速さが水中ではおそくなるためとされていました。一方、粒子説では、光の粒子が水にはいるときに下向きの力がはたらくためとされていました。光の粒子に下向きの力がはたらくということは、光の粒子が水中に入るときに加速されることを意味します。つまり光速は水中の方が速いことになります。この光の屈折に対する、光の粒子説と波動説の解釈の食い違いに決着がつけば、光が粒子か波かがわかることになります。実はヤングもそのことを指摘していましたが、1800 年代の初めに水中の光速を正確に測定する技術はなかったのです。

 水中の光速を測定しようと最初に試みたのは、フランスの物理学者フランソワ・アラゴです。彼はいち早く光の波動説を認めた科学者であり、その関係でフレネルと共同研究を行っています。光が横波であることが実証されたのも、2人の共同研究によるものでした。

Francois_arago
フランソワ・アラゴ

 アラゴは光の波動説を証明するため、1838 年頃から水中とガラス中の光の速さを比べる実験をしましたが、十分な結果を得ることができませんでした。

 1850 年、視力が衰え始めたアラゴは水中の光速がわかれば、光の粒子説と波動説の論争に決着をつけることができると唱え回転鏡を用いた光速の測定実験をフィゾーとフーコーに託したのです。

 フィゾーはアラゴが推奨した回転鏡を用いた光速の測定実験を途中で諦めてしまいましたが、フーコーは回転鏡を用いた光速測定実験に拘り続け、装置の改良を続けました。

 1850 年、フーコーはついに水中の光速を測定することに成功しました。彼が測定した水中の光速は、空気中の光速(秒速 30 万キロメートル)の約3/4の値、秒速22万5千キロメートルでした。この実験結果によって、光は波であると結論づけられ、1672 年に始まった光の粒子説と波動説の論争に、ひとまず終止符が打たれることになったのです。

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2013年4月10日 (水)

大きなレンズで光のエネルギーを集める

大きなレンズを使って太陽光を集めた様子を撮影した映像です。焦点の温度は華氏2000度(=摂氏1093度)にもなるそうです。

この焦点の位置にいろいろなものを持ってくると、あっという間に燃焼してしまいます。

ビンの中の液体はあっという間に沸騰、ビンは破裂してしまいます。

Burning Stuff With 2000ºF Solar Power!!

この大きなレンズは、古いテレビで使われていたものだそうで、フレネルレンズと呼ばれるものです。フレネルレンズについては、こちらの記事で解説しています。

光と色と:フレネルレンズの原理と仕組み

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2013年4月 8日 (月)

3Dテトリスと思ったら

一見すると立体のテトリスですが・・・

Photo

どのようになっているかは、こちらの映像を見るとわかります。

最近、この手の3Dが多いですね。

Tetris Stop Motion Chalk Art

 

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2013年4月 2日 (火)

透明な体や光る体をもつ不思議な深海生物たち

深海に生きる生物には、体が透明だったり、光を発したり、面白い特徴をもつものがたくさんいます。この映像はそのような深海の生物をカメラでとらえたものです。

Deep Sea Creatures - Nature's Microworlds - Episode 11 Preview - BBC Four

 

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