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2013年3月 3日 (日)

自然哲学の始まり

 世界中に多くの天地創造の神話があることからわかるとおり、古代の人々にとって、この世界がどのように生まれ、身の回りのものが何からできているのかという疑問に対する答えは、神々の存在だったでしょう。しかし、神々による天地創造のような説明は、地域や文化によって内容や解釈が変わり、普遍的なものではありませんでした。

 紀元前6世紀頃、現在のトルコの南西部に存在したイオニアにミレトスという古代ギリシャの植民都市が栄えていました。

紀元前5~6世紀頃のギリシャ周辺の国々

Map

 当時、ミレトスは地中海交易の拠点で、様々な国から多くの人々が訪れ、異文化交流が進みました。すると、人々がそれまで信じていた世界観や価値観は、崩れ始め、多様化し、混乱しました。古代ギリシャの人々にとっては、彼らが信じていたオリンポスの神話が崩れていくことになりました。

 そのような中で、普遍的な真理の追求が行われるようになり、これが哲学となりました。例えば、古代ギリシャでは、地震は海神ポセイドンによって引き起こされると考えられていましたが、哲学者タレスは神による説明を排除し、大地を支える水が振動するから地震が起きるという説を唱えました。

 自然哲学はミレトスで始まったと考えられており、ここで活躍した哲学者たちをミレトス学派と呼びます。やがて、自然哲学はイオ二ア全体に広がり、この地方の哲学者たちはイオニア学派と呼ばれるようになりました。

 後に活躍したアリストテレスはイオニア学派の哲学者たちを「自然について語る者(フィシオロゴイ)」と呼びました。なお、ミレトス学派はイオニア学派に属しますが、思想の違いから、一般に両派は区別されます。

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