シソは漢字では紫蘇と書きます。シソは古くから薬草として使われ、紫の蘇る薬草ということから、紫蘇と呼ばれるようになりました。北海道の焼酎に鍛高譚という紫蘇の焼酎があります。これも紫蘇の薬効に関する北海道の民話に由来します(鍛高譚の由来)。
私たちが食用にしているシソには赤色の葉のアカジソと、大葉とも呼ばれている緑色の葉のアオジソがあります。アカジソとアオジソはシソ科の仲間ですが、品種は異なります。
私たちが梅干しなどでシソの色と認識しているのは、アカジソの色です。アカジソにはアントシアニン系のシソニンという色素が含まれています。この色素が梅の実を梅干し独特の紅色に染めます。なお、アオジソにはシソニンは含まれていません。
アントシアニンは多くの植物がもっている色素です(花の色はいろいろ)。アントシアニンは次のような化学構造をもつアントシアニジンが糖と結合したものです。アントサニジンはR1~R7の置換基が変わることによって、さまざまな種類があります。
例えば、置換基がOH基であるアントシアニジンのペラルゴニジンは赤色、シアニジンは赤紫色、デルフィニジンは紫赤色をしています。
アントシアニンの化学構造と色の関係
また、アントシアニンは、pH によって化学構造に変化が生じ、色調が変化します。酸性条件下では赤色、アルカリ性条件下で青色を呈します。
梅干しを漬けると、酸性の梅酢ができます。すると、アカジソに含まれるアントシアニンが赤色に変化します。梅の実はその色で染められることになります。
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