スペクトルとはなにか(1)|ニュートンのプリズム実験とスペクトルの語源
光の色の帯をスペクトルと名付けたニュートン
1666年、イギリスの物理学者アイザック・ニュートンは太陽光をプリズムに通すと虹のような連続した光の色の帯が現れる現象を発見しました。このような現象が起こるのは、太陽光に含まれる可視光線がプリズムで屈折して、さまざまな色の光に分かれるからです。ニュートンはこの連続した光の色の帯のことをスペクトルと名付けました。
スペクトルの語源
スペクトル(spectrum)の語源はラテン語のspectrumに由来します。ラテン語のspectrumは「見る」を意味するspecere から派生した「見えるもの」「現れるもの」を意味する言葉で、影像・投影・射影や幽霊・亡霊を意味します。ニュートンは大空にかかる美しい虹や真っ暗い部屋の壁に現れた幻想的な光の色の帯を見て、スペクトルと名付けたのかもしれません。
スペクトルとは
一般的に、スペクトルとは光の成分を波長の順に並べたもののことをいいます。光は波長によって分類することができますが、スペクトルも光の波長範囲によって可視スペクトル、赤外スペクトル、紫外スペクトル、X線スペクトルなどに分類されます。ニュートンが発見した太陽光の光の色の帯は、太陽光に含まれる可視光線のスペクトルです。
太陽光から出る光のスペクトルは次の図のようになります。これは、横軸を波長、縦軸を光の強度で表したスペクトルです。
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