月の運動から地球の質量を求める 地球の重さはどのようにしてはかる(2)
月の運動から地球の質量を求める
月は万有引力によって地球に引き寄せられながら、地球のまわりをぐるぐると回っています。月と地球の間の距離がほぼ一定に保たれているのは、月にかかっている遠心力と引力が釣り合っているからです。これは遠心力と万有引力が等しいことを意味しています。
いま質量mの物体が円運動をしているとき、その物体に働く遠心力Fは(5)式で表すことができます。
ここで、ωは角速度、rを回転半径です。角速度ωは物体の速度をvとすると(6)式で求めることができます。
(6)式を(5)式に代入すると、(7)式となります。
遠心力と引力が釣り合うということは(7)式が(1)式と等しくなるということですから、(8)式が成り立ちます。
(8)式のMは地球の質量です。rは月と地球の間の距離(384400000 m)、Gは6.67428×10-11 m3/kg・s2ですから、月の回転速度vがわかればMを計算で求めることができます。月は地球のまわりを約27.32日で公転しています。月の軌道の円周は2πrで求めることができますから、月の回転速度を求めると
となります。これを(8)式に代入すると、地球の質量Mはは約6×1024 kgとなり、6000000000兆トンとなり、地球上の物体に働く重力から地球の質量を求める 地球の重さはどのようにしてはかる(1)の計算結果と一致します。
この方法を使うと、地球の運動から太陽の質量を求めることも可能です。
Google Chart APIを使って数式を書く方法
http://webbackwriter.blogspot.jp/2012/06/google-chart-api.html
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