本日2012年5月22日、東京スカイツリーがオープンしました。
東京スカイツリーの展望台からどれぐらい先まで見えるかを計算で求めてみましょう。
東京スカイツリーの高さは634 mです。第1展望台の高さは350 m、第2展望台の高さは高450 m、アンテナの高さは610 mです。
次の図は高さ450 mの第2展望台から地平線を見たときの様子を示したものです。第2展望台からはθ度分だけ離れた距離にしてH km先まで見えることになります。
地球の中心、展望台、地平線の3点が作る直角三角形に注目して、三角関数を使うか、三平方の定理を使うと、Hを求めることができます。それでは、三角関数を用いて求めてみましょう。
①第1展望台から見える地平線までの距離
まず、cosθ = 底辺/斜辺 を考えます。
底辺は地球の半径ですから、6378 kmになります。一方、斜辺は(地球の半径+展望台の高さ)ですから、6378.35 kmになります。
すると、
cosθ = 6378/6378.35 → θ=0.60度
となります。
次に、tanθ=高さ/底辺 を考えます。
底辺は地球の半径ですから、6378 kmとなります。一方、高さはHとなります。
すると、
tanθ = H/6378 → H = 6378tanθ
となります。θ=0.6度を代入すると
H = 6378 tan(0.6) = 66.8 km
になります。
②第2展望台から見える地平線までの距離
計算方法は1と同じです。
cosθ = 6378/6378.45 → θ= 0.68度
H = 6378 tan(0.68) = 75.7 km
となります。
③アンテナから電波が直進で到達できる地面までの距離
これも計算方法は同じです。
cosθ = 6378/6378.61 → θ= 0.79度
H = 6378 tan(0.68) = 88.2 km
となります。
おまけ…
①地球上に立っている身長170 cmの人から見える地平線までの距離の計算は次の通りです。
cosθ=6378/6378.0017 → θ=0.042度
H = 6378 tan(0.042) = 4.66 km
非常に近い。歩いて1時間程度のところに地の果てがあることになります。
無人島で遭難した人が、島の近くを航行する船に助けを呼ぶことを考えてみましょう。この状態だと、自分のいるところから4.7 kmの範囲までしか船を探すことができません。ですから、遠くの船を探すには、できるだけ高い木に登った方が良いのです。狼煙をあげると、遠くの船からでも立ち昇る煙を見つけてもらうことができます。
②東京タワーのメインデッキ(150 m)
cosθ=6378/6378.15 → θ=0.393度
H = 6378 tan(0.393) = 43.74 km
③東京タワーのトップデッキ(250 nm)
cosθ=6378/6378.25 → θ=0.507度
H = 6378 tan(0.507) = 56.47 km
④Hは次の式で求めることもできます。
H=θ/360×2πr (2πrは地球の円周)
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