光の色は波長で決まる?
430 nmの光は青色、550 nmの光は緑色、650 nmの光は赤色というように、一般に、光の色は波長によって決まると説明されますが、この説明は厳密には正しくありません。
光の速さは真空中で秒速約30万キロメートルですが、屈折率1.33の水中における光の速さは30/1.33で秒速22.5万キロメートルと遅くなります。このとき、真空中でλ nmだった光の波長はλ/1.33 nm となり、短くなります。
もし、光の色が光の波長で決まるなら、同じ色の光でも、空気中と水中では色が異なることになります。しかし、たとえば、空気中で赤い波長範囲の光が、水中で波長が短くなるからといって、黄や緑の光になるということはありません。赤い光は空気中でも水中でも赤いのです。
空気中でも水中でも変らない光の性質はエネルギー(振動数、周波数)です。実は光の色は光のエネルギー(振動数、周波数)によって決まるのです。
光の色は波長によって異なるという説明の「波長」には、「真空中(または空気中)の波長」という意味が暗黙の了解として含まれていることを覚えておくと良いでしょう。
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