光に色はついているのか 色が見える仕組み(2)
レーザー光線はなぜ見えるのか
プリズムで虹色の帯を作ったニュートンは、「光そのものには色はついていないが、光には人間の視覚に色の感覚を引き起こす能力がある」と述べています。光には色はついていないのでしょうか。
理科の実験で光の進む道筋を調べるとき、赤色や緑色のレーザポインタを使って光線を観察することが多いでしょう。レーザポインタの光線が色づいて見えるのは、光が空気中のホコリやチリなどの微粒子で散乱し、その散乱した光が目に入るからです。煙などを使うと光線がはっきりと見えるようになるのは、空気中にたくさんの微粒子が漂っているからです。
つまり、私たちは光線そのものを見ているのではなく、光に照らし出されて色づいた微粒子を見ているのです。ですから、まったく微粒子が存在しない空気中や真空中では、私たちはレーザポインタの光線を見ることができません。
私たちが色を見ることができるのは、光源の物体を見るときか、光で照らし出された物体を見るときです。すなわち、光が眼に入ったときにだけ、私たちは色を見ることができます。私たちが見る色は、眼に入ってくる光の波長(振動数)によって決まりますが、光そのものに色がついているわけではありません。色は光そのものの物理学的な性質ではなく、光を見る側の人間の生理学的な現象として生じるのです。
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