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2012年3月30日 (金)

色の基準は太陽光 色が見える仕組み(5)

色の基準を決める光は太陽光

 私たち人間の視覚は太陽光のもとで発達してきました。ですから、太陽光は人間にとって最も自然で理想的な光であり、太陽は私たちが見ている色の基準となる光源です。

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 太陽から地球にやってくる電磁波は地球の大気で散乱・吸収されます。例えば、人体に有害な放射線は大気で吸収され、ほとんど地表に届きません。紫外線・赤外線も大気で吸収され、その一部しか地表に届きません。可視光線は大気で散乱・吸収されますが、すべての波長領域の光が地表に届きます。このように大気は太陽光に対してフィルターのような働きをしています。多くの生物の視覚は主に大気のフィルターを通り抜けてきた可視光線に適応しながら進化してきたのです。

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標準の光

 物体の色は物体を照らし出す光によって色が違って見えます。太陽光、白熱電灯、蛍光灯のもとでは、同じ色でもわずかに違う色に見えます。

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 色を厳密に定義するためには、光源を特定する必要があります。そこで、私たち人間の視覚にとって理想的な太陽光をもとに、「標準の光」が定められています。

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 その中でも色を定義する光として、D65が基準とされています。D65は紫外線を含む昼間の太陽光で照らされた物体の色を測定するために用いられる標準の光です。D65に紫外線が含まれているのは、物体の中には紫外線が当たると蛍光を発するものがあるからです。現在、D65の標準の光を忠実に再現する光源はありませんが、D65の標準の光に近い光源が標準光源として使われています。

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