ハレー彗星が近日点を通過(1986/02/09)
ハレー彗星はおよそ76年の周期で地球のそばにやってきます。ハレー彗星の核は直径約10 kmのいびつな形をしています。核は岩と塵からできていて、そのまわりを氷が覆っています。ハレー彗星が太陽に近づいてくると、熱で氷が気体となり核のまわりが球形に光り輝きます。この輝いた部分をコマといいます。また、彗星の核から放出された物質が光輝いて尾を引いたように見えます。
Comet P/Halley as taken March 8, 1986 by W. Liller, Easter Island, part of the International Halley Watch (IHW) Large Scale Phenomena Network.
http://nssdc.gsfc.nasa.gov/photo_gallery/photogallery-comets.html
地球などの惑星の周期軌道は円に近い形ですが、多くの彗星の周期軌道は細長い楕円形です。ハレー彗星の軌道は、太陽の側から海王星の向こう側までのびた細長い楕円形をしています。
イギリスの天文学エドモンド・ハリーは1700年の始めに彗星が楕円軌道をしていることに気がつき、ニュートンの運動の法則に基づいて計算を行い、ハレー彗星が1758年か1759年に地球に接近することを予測しました。彼が予測した通り、ハレー彗星は1758年の暮れに地球の側にやってきました。そのため、彗星の名前がハレー彗星と名付けられました。

エドモンド・ハリー
ハレー彗星の観測でもっとも古い記録は紀元前240年のもので、中国の秦の始皇帝が「ほうき星」を見たと伝えられています。紀元前240年以来、これまで地球に30回接近しています。前回、ハレー彗星がやってきたのは1986年です。このときの接近では2月9日に近日点を通過しました。近日点というのは、惑星などが太陽にもっとも近づく点のことです。ハレー彗星の近日点は約1.5億kmです。次にハレー彗星がやってくるのは2062年です。
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