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2012年1月16日 (月)

光のエネルギーの計算(公式の導出と波長・振動数・eVの変換)

最終更新日:2025年11月24日

光のエネルギーの計算フォーム

波長 [nm] 光のエネルギー [eV]


要約

 このページは光のエネギーの計算について実用的に解説したものです。光学、物理、半導体関連の分野で光のエネルギーを扱う方々にとって、理論の基礎から実務で役立つ計算式まで網羅しています。専門知識がない読者にも理解しやすいよう基礎概念から解説しています。上記の光のエネルギーの計算フォームに光の波長を入力するとエネルギー(eV)を計算することができます。

光のエネルギーの計算(公式の導出と波長・振動数・eVの変換)
光のエネルギーの計算(公式の導出と波長・振動数・eVの変換)

目次

光のエネルギーとは

 光は電磁波の仲間ですから、光のエネルギー電磁波のエネルギーになります。光は波としての性質と粒子としての性質の両方を持ち合わせています。これを光の二重性といいます。光のエネルギーは光子ひとつが持つエネルギーのことです。光の量子性は光のエネルギーを求める研究から見いだされました。プランクの法則の発見あたりから、光電効果の発見、アインシュタインの光量子仮説あたりまでを調べるとわかります。

 アインシュタインが発見した質量とエネルギーの等価性に関する式 E=mc2 (m:質量、c:光速)ついては次の記事を参照してください。

光のエネルギーの単位

 光のエネルギーの単位として使われるのはジュール(J)と電子ボルト(eV)です。ジュールは1ニュートンの力がその力の方向に物体を1メートル動かすときの仕事とです。1ボルトの電圧において1クーロンの電荷を動かすのに必要な仕事とも定義することができます。一方、電子ボルトは素粒子、原子核、原子、分子などの粒子が持つエネルギーを表すもので、1電子ボルト は電気素量をもつ荷電粒子が真空中で1ボルトの電位差を過するときに得るエネルギーのことです。

光のエネルギーの計算式(公式)

電磁波のエネルギー E  [ J ] は次の式で計算することができます。

= ν = hc/λ [ J ]

 : プランク定数 6.62607 ×10-34 [ Js ]
ν  : 振動数(=/λ )[Hz]
 : 真空中の光速 2.99792458×108 [ m/s ]
λ   : 真空中の電磁波の波長 [m]

電磁波のエネルギーは電子ボルト(エレクトロンボルト) [ eV ] で扱われます。

1 [ eV ]というのは、1 [ V ]で加速された電子1つのエネルギーです。

1 [ eV ] = 1.60218×10-19 [ J ]

ですから、

  =  4.13566×10-15 [ eVs ]

よって、

= (4.13566×10-15)×(2.99792458×108)/λ [ eV ]

= 1.23984 × 10-6 /λ [ eV ] 

光の波長は通常は nm で扱われます。

1 [ nm ] = 10-9 [ m ]

ですから、

= 1.23984 × 103 /λ [ eV ]

となります。

結果として、波長から光のエネルギーに変換する計算式は次の通りです。

E = 1240 /λ [ eV ] 

で光のエネルギーを求めることができます。また、次の式で光の振動数ν [Hz]を求めることができます。

ν = c/λ [ Hz ] 

可視光線の波長とエネルギーと振動数

可視光線の波長とエネルギーと振動数は次の表のようになります。

可視光線のスペクトル
可視光線のスペクトル
波長 λ[ nm ] エネルギーE [ eV ]

振動数[Hz](ν=c/λ

 200  6.20  14.99×1014
 250  4.96  11.99×1014
 300  4.13  9.99×1014
 350  3.54  8.57×1014
 400  3.10  7.49×1014
 450  2.76  6.66×1014
 500  2.48  6.00×1014
 550  2.25  5.45×1014
 600  2.07  5.00×1014
 650  1.91  4.61×1014
 700  1.77  4.28×1014

 光のエネルギーから波長に変換する計算式は次の通りです。

λ = 1240 /E [ nm ] 

 光のエネルギーから振動数に変換する計算式は次の通りです。

ν = c・E /1240 [ Hz ] 

次の図は電磁波の種類と波長・周波数・エネルギーの関係を示したものです。

光のエネルギー|電磁波の種類と波長・周波数・エネルギー
電磁波の種類と波長・周波数・エネルギー

光のエネルギーの応用例

 光のエネルギーの計算式は光の量子性と波動性からさまざまな分野で活用されています。具体的にはLEDのバンドギャップ計算、太陽光発電(ソーラーパネル)の発電効率の計算、写真の露光量と感光度の計算、レーザー加工、分光分析など多岐にわたります。

【参考記事】

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Author:Photon(専門:光学、工学修士)

 

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コメント

光のエネルギーは振動数のみで決まるものなのでしょうか?同じ振動数でもエネルギーの強いもの弱いものの差異があるのではないかと思いますが、光子一個分のエネルギーがhνということですか?ご教授下さい。

投稿: Pipoola | 2013年7月 3日 (水) 11時55分


Pipoola 様

コメントありがとうございます。

光のエネルギーを考えるときは、光の粒子としての振る舞いを考える必要があります。

光子のエネルギーは振動数によって決まります。プランクの法則の発見あたりから、光電効果の発見、アインシュタインの光量子仮説あたりまでを調べるとわかります。

下記の本では第6章の始めの方に解説してあります。
https://optica.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-4837.html

このサイトの記事では

光電効果 光の正体は何か
https://optica.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-cf4f.html

あたりが参考になるかと思います。

投稿: 光と色と | 2013年7月17日 (水) 00時17分

光エネルギーは振動数に比例する。の分光分布では放射強度(大気圏外)が470nmで最大になっており、振動数に比例していません。太陽放射は光エネルギーではないのでしょうか。太陽放射と光エネルギーの関係を教えてください。
また、放射強度の単位がW/㎡/nm ですがnmの意味が分かりません。教えてください。
以上、よろしくお願いします。

投稿: ハイバラ | 2014年6月17日 (火) 01時10分

返事がたいへん遅くなり申し訳ありません。

太陽光のスペクトルを次の記事に掲載してあります。

https://optica.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-efe1.html

このスペクトルは太陽がどの波長の光をどれぐらい出しているかを示していますので、太陽光がたくさん出している波長の光のエネルギーが大きくなります。

投稿: 光と色と | 2014年8月 3日 (日) 11時57分

初めまして、
記憶のエネルギー調整の説明で
可視光域をわかりやすく可視化する資料を探していました。

「電磁波の種類と波長・周波数・エネルギー」の図をお借りします。
仲間と共有して私たちの見える、見えない世界を学ばせていただきます。
無断借用になってすみません。 
よろしくお願いします。

投稿: 最神くうか | 2021年5月24日 (月) 18時41分

便利です

投稿: | 2022年12月20日 (火) 18時13分

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