方解石による複屈折
方解石は炭酸塩鉱物で、主成分は炭酸カルシウムCaCO3です。カルサイト(calcite)、石灰石とも呼ばれます。純粋なものは無色透明ですが、不純物あが混入したものは色がついており、特に美しいものは大理石として扱われます。
方解石に光を通すと、光が結晶の方向によって2つの光線に分けられます。そのため、方解石を通してものを見ると、次の写真のように二重になって見えます。この現象を複屈折といいます。
光は横波のため、次の図のように進行方向と垂直な様々な面で振動します。
いま、真空中の光速を c、物質中の光速を vとすると、屈折率 nは
n = c/v
であらわすことができます。この式から物質中の光の速度が変わると、屈折率が変わることがわかります。
方解石を通る光は、その振動面の方向によって、速度が異なります。そのため、複屈折が生じます。
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