球面レンズの焦点距離の求め方
球面レンズの焦点距離は、レンズの素材の屈折率とレンズの球面の曲率半径から求めることができます。
いま上図のような曲率半径R1、R2をもつ球面レンズがあるとすると、このレンズの焦点距離は次の式で求めることができます。
この式をレンズメーカーの式といいます。ここで、f は焦点距離、n はレンズの材質の屈折率、d はレンズの厚さ、R1 と R2は、それぞれ光が入る側と出る側レンズの面の曲率半径です。レンズの面が光が入る方向に対して凸型の場合は正の値、凹型の場合は負の値になります。上の図ではR2 が負の値になります。
ここで普通のレンズはレンズの厚さdより、レンズの曲率半径 R1 と R2 の方が十分に大きいので、上式の右辺の第2項を無視することができます。すると、レンズメーカーの式は次のようになります。
普通のルーペや理科の実験に使うレンズの場合、両面の形が同じで両凸レンズですから、R1 と R2 の大きさは同じとなります。 R1 は正の値、 R2 は負の値なので、 R1 =R、R2 =-R とすると、上式は次のようになります。
ガラスの屈折率は1.5ぐらいですから、焦点距離 f はほぼレンズの曲率半径 R に等しくなります。レンズの作図をするときに、このことを覚えておくと比較的正確な図を描けるので便利です。
なお、作図するときに、焦点距離はレンズの面からではなくて、レンズの中心から焦点までの距離であることを忘れないようにしましょう。
両面が対称の形をした両凸ガラス球面レンズの焦点位置は、レンズの曲率中心より、レンズの厚さの半分(d/2)だけ外側にあるということです。
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