フレネルレンズの原理と仕組み
フレネルレンズの発明
灯台は沖合を航行する船舶に光を送ります。光を絞って遠くに送るためには、大きな明るい光源と、その光を集めて送るための大きなレンズが必要になります。ところが、そんなに大きなレンズは作ることができません。
「どうしたら遠くまで光を送ることができる灯台用のレンズを作ることができるか?」
このレンズのアイデアを考え出したのがフランスの物理学者オーギュスタン・ジャン・フレネルです。
フレネルレンズの構造
フレネルは1822年に、下図のようにガラスの板にノコギリの歯のようなギザギザの段差をつけたレンズを考案しました。このレンズは発明者にちなんでフレネルレンズと名付けられました。フレネルレンズはレンズの表面を細かく分解して平面に配置したような断面をしています。球面レンズの表面部分を細かく分解して平面上に配置したようになるので、レンズの厚さが薄くなります。まるでプリズムを並べたような形になります。
フレネルレンズの用途
こうしたレンズは望遠鏡などの物体を観察するための道具には使えません。なぜならば、像が綺麗にできないからです。そのため、フレネルレンズは光を集めるために使われることが多いです。例えば、カメラのストロボの前についているギザギザの透明な板がフレネルレンズです。
ただし、簡易のルーペとして目の細かいフレネルレンズはあります。文房具でプラスチック板に同心円状の模様がついたレンズを売っていますがあれがフレネルレンズです。
灯台のフレネルレンズ
灯台のような大型のフレネルレンズの光の進み方を見てみましょう。
ガラスの表面に削られた、ひとつひとつのギザギザがプリズムと同じような働きをします。すべての光が同じ方向に真っ直ぐに進むように、レンズの中心部分と円周部分でギザギザの形を変えてあり、光の進み方が異なります。外周部ではプリズム内面で光を全反射させています。
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