ガラス玉レンズの焦点距離と倍率
透明なガラス玉をレンズとした場合、そのレンズの焦点距離と倍率がどれぐらいになるかを考えてみましょう。
この場合も次のレンズメーカーの式を用いて求めることができます。
普通のルーペや理科の実験に使うレンズの場合は、R1 と R2はdより十分に大きいので右辺第2項を無視することができましたが、球体の場合は dの大きさはR1 と R2の和にしか過ぎませんから、第2項を無視することはできません。そこで、この式にd =2r 、R1 =r、R2=-r を代入し、f について解くと、次のようになります。
ガラスの屈折率を1.5とすると、f = 1.5 r となります。この式を見るとわかる通り、球体の直径が小さければ小さいほど、球体の表面から焦点までの距離は小さくなります。つまり、ガラス玉レンズの焦点は球体表面のすぐそばにあることになります。
ビー玉などを手にとり見てみると、物体が上下左右が逆転した実像が見えます。ビー玉をルーペのように扱うためには、物体を焦点の内側に置いて虚像を見るようにしなければなりません。
さて、ルーペの倍率 は、明視の距離 250 mmをレンズの焦点距離 f で割った値となります。直径 10 mmのガラス玉レンズの焦点距離 f と倍率 mは
f = 1.5 × 5 = 7.5 mm
m = 250/7.5 = 33.3 倍
直径 1 mmのガラス玉の場合は333倍にもなります。
17世紀のオランダのアマチュア生物学者、アントニー・ファン・レーウェンフックは直径1mm程度のガラス玉1個を使った単式(単眼式)の顕微鏡を自作し、さまざまなものを観察しました。彼は200倍を超える倍率の顕微鏡で、微生物をはじめとする当時人間がまだ気がついていなかったいろいろなものを発見したり、観察したりしています。レーウェンフックと彼の顕微鏡についてはまた別の機会に紹介します。
Nederlands: Anthonie van Leeuwenhoek (1632-1723). Natuurkundige te Delft by Verkolje, Jan
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