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2009年11月20日 (金)

虹の色は7色なのか 虹の仕組み(3)

虹の仕組みの解説は別館「光と色と THE NEXT」でリニューアルしました。


虹の色は本当に7色なのか

 虹の色は赤橙黄緑青藍紫の7色とされていますが、虹は赤から紫まで連続的に変化する無数の色でできています。決して7色だけではありません。なぜ虹の色は7色と言われているのでしょうか。

虹の色

虹の色を7色と決めたのはアイザック・ニュートン

 白色光をプリズムで色の帯に分光する実験を行ったニュートンは虹の色を7色と決めました。もともと虹の基本色は赤黄緑青紫の5色とされてきましたが、この5色に果物のオレンジの橙色と、植物染料インディゴの藍色を加えて7色としたそうです。

 その7色を順番に並べてみると次のようになります。

 赤(あか) 橙(だいだい) 黄(き) 緑(みどり) 青(あお) 藍(あい) 紫(むらさき) 

 上の写真を拡大し虹の色の変化を調べてみました。ガンマ補正をかけて色の変化をわかりやすくしてみました。何とか7色がほぼ確認できると思いますが、色の変化は連続的です。

虹の色は7色

 ニュートンも色と色の間は色が無限に変化していると言っていますが、どうして7色と決めたのでしょうか。

 ニュートンが虹を7色と決めた当事、7は神聖な数字と考えられていました。聖書にも7はたくさん出てきます。また、音楽のオクターブもドレミファソラシの7音です。こうしたことから、美しい虹も7つの基本の色からできていると考えることにしたのでしょう。

Keyboard

世界各国の虹の色は?

 日本人が虹の色を7色と考えるのは、ニュートンの虹の研究に由来する学校教育によるものです。江戸時代に日本の蘭学者の青池林宗が1827年に発表した日本で最初の物理学書「気海観瀾」に虹の色は7色と記載があります。

気海観瀾(京都大学貴重資料デジタルアーカイブ)
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00001815

 諸外国では、虹の色は5色や6色とするところもありますが、厳密に虹が何色かはあまり気にしていないようです。

アメリカ 6色

 赤(あか) 橙(だいだい) 黄(き) 緑(みどり) 青(あお) 紫(むらさき) 

ドイツ 5色

 赤(あか) 橙(だいだい) 黄(き) 緑(みどり) 青(あお)

インドネシア 4色

 赤(あか) 黄(き) 緑(みどり) 青(あお)

台湾 3色

 赤(あか) 黄(き) 紫(むらさき) 

 虹の色が何色に見えるのかは、科学の問題ではなく、文化の問題です。何色に見えるかではなく、何色と見るかということです。

 子どもが描いた虹が7色でなくても、大きな問題ではありません。むしろ、先入観なく、どのように見えているのかをありのままに描いているのですから、虹は7色だと叱ってはいけません。

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コメント

はじめまして。
娘の自由研究のネタ探しで尋ね当たりました。
すばらしい!です。わかりやすいし、単に科学のみでなく、文化を語れるところがすばらしい。
他の記事もたくさん読ませていただきます。

投稿: うにゃ | 2010年8月15日 (日) 21時13分

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