ようこそ!「光と色と」へ
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物体に色が生じる原理には1リンゴやバナナのように光の吸収と反射によるもの、虹やプリズムで生じる光の屈折と分散によるもの、シャボン玉やCDの裏面などのように光の反射と回折と干渉によるものがあります。
【参考】その色、どこから
それらの原理のうち色素が関係しているものは光の吸収と反射によるものです。色素は光が作用すると特定の波長の可視光を吸収したり放出したりして発色する物質です。
物質が光を吸収したり放出したりする現象は物質にあたる光と物質中の電子の相互作用で生じます。多くの物質は紫外領域や赤外領域の光と相互作用するため色は生じませんが、色素は可視領域の光を吸収したり放出したりするため色を生じます。また色を発する同様な構造を持った物質でも光との相互作用が弱ければ色を呈しませんので色素とは呼びません。
物質中の電子のエネルギーは通常は安定した状態にあります。物質に光があたると電子は特定の波長の光のエネルギーを受けて高エネルギー状態になります。電子は直ちにもとの安定した状態に戻りますが、このとき受け取った光のエネルギーを熱として放出します。これによって特定の波長の光が消失します。これがいわゆる光の吸収です。電子が吸収しなかった波長の光のエネルギーは電子から再放出されます。これが反射になります。このため物質は吸収した光以外の光を反射することになります。
リンゴの色素は青緑系の光を吸収しそれ以外の光を反射しています。その反射した光が赤色に見えます。バナナの色素は青色系の光を吸収しそれ以外の光を反射します。反射した光は黄色に見えます。
物質が光の吸収と反射によって色を呈する場合、物質の状態によっては散乱、透過、屈折、回折、干渉などの現象が加わることがあります。その場合は必ずしも物質が呈する色と見た目の色は一致しません。
かつては色を呈する物質を色素として利用してきましたが、最近は物質が色を呈する理論が明らかになってきたため特定の構造を持たせて特定の色を呈する物質を作ることができるようになっています。
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遠くの山に太陽が沈んでいき西の空が真っ赤に染まります。その山の上には雲があります。
【参考】空の色はどうして青色?|焼け空はどうして赤色に染まるのか
山の上の方は気流も激しいので夕日に照らされた雲の端がゆらゆらと揺れています。
そのゆらゆらと揺れる部分をよく見るとまるで雲が燃えて炎が出ているようでした。
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可視光線よりやや広い範囲ですが波長300~800 nmの単色光の水中における屈折率と光速を表にまとめました。
水中の光速は真空中の光速 c = 299,792,458 m/s として、c/n で求めたものです。
300~800 nmの光の水中の屈折率と光速
波長(nm) | 屈折率 n(水中) | 光速 c/n (m/s) |
---|---|---|
300 | 1.349 | 222,233,105 |
325 | 1.346 | 222,728,423 |
350 | 1.343 | 223,225,955 |
375 | 1.341 | 223,558,880 |
400 | 1.339 | 223,892,799 |
425 | 1.338 | 224,060,133 |
450 | 1.337 | 224,227,717 |
475 | 1.336 | 224,395,552 |
500 | 1.335 | 224,563,639 |
525 | 1.334 | 224,731,978 |
550 | 1.333 | 224,900,569 |
575 | 1.333 | 224,900,569 |
600 | 1.332 | 225,069,413 |
625 | 1.332 | 225,069,413 |
650 | 1.331 | 225,238,511 |
675 | 1.331 | 225,238,511 |
700 | 1.331 | 225,238,511 |
725 | 1.33 | 225,407,863 |
750 | 1.33 | 225,407,863 |
775 | 1.33 | 225,407,863 |
800 | 1.329 | 225,577,470 |
古くから一眼レフカメラで使用されているシャッターはフォーカルプレーンシャッターと呼ばれる機械的に作動するシャッターです。フォーカルプレーンは焦点面を意味し、フィルムやイメージセンサーの手前の焦点面の近くに配置するシャッターのことです。シャッターボタンを押すと遮光幕が稼働してフィルムに露光します。遮光幕は先幕と後幕の2枚で構成されています。
次の図は低速時のフォーカルプレーンシャッターの動きを示したものです。撮影前は図の①のように先幕が閉じていてフィルムが遮光されています。シャッターボタンを押すと②のように先幕が開きフィルムに光が当たり露光が始まります。シャッタースピードの時間分だけ露光が行われた後、③のように後幕が閉じて露光が終了します。
次の図は高速時のフォーカルプレーンシャッターの動きを示したものです。撮影前は図の①のように先幕が閉じていてフィルムが遮光されています。シャッターボタンを押すと②のように先幕が開き始めますが追従して後幕も閉じ始めます。このとき先幕と後幕は同じ速度で動きスリットを作ります。このスリットがフィルム面を走査しフィルムに露光します。シャッタースピードの時間分だけ露光が行われた後、③のように後幕が閉じて露光が終了します。このようにして機械的な動作を高速にしていますが、低速時は光がフィルム全面に同時に当たるのに対し、高速作動は光がスリットが開いている部分の府フィルム面のみに当たります。そのためシャッター作動中に被写体の明るさが変わると露光の状態がフィルム面で異なることになります。ですから高速時は一瞬だけ光を被写体に当てるようなストロボ撮影には向きません。
先幕に電子シャッターを使い、後幕にメカシャッターを使用したもは電子先幕シャッターといいます。
一眼レフカメラはカメラ内部にミラーが存在しています。次の図は銀塩フィルムの一眼レフカメラの仕組みを示したものです。レンズを通して入ってきた光はミラーで反射され上部のペンタプリズムに送られます。撮影時に被写体をファインダーで確認しながらシャッターを押すことができます。シャッターボタンを押すとミラーが跳ね上がりフィルムの直前のシャッターが開きます。シャッターが開くとフィルム面に像が映りフィルムが感光します。
デジタル一眼レフカメラは銀塩フィルムをイメージセンサーに置き換えたものです。撮影時に被写体をファインダーでのぞくことができます。シャッターボタンを押すとミラーが跳ね上がりイメージセンサー直前のシャッターが開きます。シャッターが開くとイメージセンサーに像が映り画像が記録されます。多くのものにはモニター画面が取り付けられており撮影時や撮影後に画像を確認することができます。
ミラーレス一眼カメラはカメラ内部にミラーやペンタプリズムが存在しません。レンズを通して入ってきた光はイメージセンサーに直接当たります。像はファインダーや液晶モニターに表示されます。シャッターボタンを押すとイメージセンサーの直前のシャッターが開きます。シャッターが開くとイメージセンサーに像が映り画像が記録されます。最近では機械的に作動するメカシャッターではなくイメージセンサーが決められた時間で像を読み込む電子シャッターを採用したものも多くなってきました。
メカシャッターはフォーカルプレーンシャッターとも呼ばれます。先幕と後幕の2つの幕を機械的に動かすことによって撮影するシャッターです。確実に光を遮断できシャッターが開いたときに露光を一度に行なうため動体の撮影で歪みが生じることがない、蛍光灯などの照明によるチラつきが起きにくい、ストロボが使えるという利点があります。反面、シャッターを機械的に動かすためシャッター音が発生する、連射速度を高速にできない、シャッターの作動によるブレが生じるなどの欠点があります。
電子シャッターはイメージセンサーのON/OFFで露光を行います。シャッターボタンを押すとをイメージセンサーの上部側のセンサーから順番に露光を行ないます。これをローリングシャッター方式といいます。機械的な作動がないためシャッタースピードを高速にできる、高速連射ができる、シャッター音を無音にできる、シャッターの作動によるブレが生じない、耐久性に優れるなどの利点があります。反面、露光を一度に行うことができないため動体の撮影で歪が生じやすい、蛍光灯などの照明によるチラつきが起きる、ストロボが使えないなどの欠点があります。
先幕に電子シャッターを使い、後幕にメカシャッターを使用するして撮影する電子先幕というシャッター方式もあります。メカシャッターよりも高速撮影が可能でストロボの使用も可能なメカシャッターと電子シャッターの利点と欠点を持ち合わせたシャッターです。
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