ようこそ!「光と色と」へ
| 固定リンク | 0
| 固定リンク | 0
シロクマの正式名称はホッキョクグマ(北極熊)で哺乳綱食肉目クマ科クマ属の食肉類です。
ホッキャオクグマは全身を覆う毛で身体が白く見えるためシロクマ(白熊)と呼ばれます。北極の環境下では雪や氷と同化し得物に気が付かれにくくなる効果があります。しかしシロクマの毛は本当は白色ではありません。シロクマの毛は中空でストローのような構造をしています。この透明の毛が密集して生えているため、光が当たると乱反射して白く見えます。
またホッキャオクグマの地肌は黒色をしています。光の熱をよく吸収する黒い地肌に透明な毛が太陽光を送ります。これによってホッキャオクグマの体温が上がります。さらに毛も太陽光に温められ、毛に含まれている空気が保温効果を生み出します。厳寒の北極の環境で冷たい外気を遮断しているわけです。その他、分厚い脂肪や短い足も寒冷地への適応です。ホッキョクグマは北極での生活のために身体を適応させて進化させたと言って良いでしょう。
高齢者の色としてシルバーを認識している人はたくさんいます。シルバーシートやシルバー人材センターなど実際にシルバーで高齢者を表しているものがたくさんあります。高齢者でシルバーを連想すると白髪などを思い出しますが実際には関係がありません。
高齢者をシルバーと呼ぶようになったのは昭和48年(1973年)9月15日の敬老の日に国鉄が高齢者や身体障害者向けに導入した優先席の色がシルバーだったことに由来します。
国鉄はこの優先席を作るにあたって座席のシートの色を変えてわかりやすくすることにしました。しかし、新たな座席用の布を作る予算もないので既存のものを利用することになりました。ところがまとまった数の在庫があった座席の布は0系新幹線の普通座席に使われていたシルバーの布でした。
この0系新幹線のシルバーの布が採用された優先席は布の色からシルバーシートと名付けられました。シルバーシートはは当初は東京の中央線快速なとで導入されましたが、その他の地域や私鉄にも広がりました。このシルバーシートの導入によってシルバーは高齢者の代名詞のようになったのですが、高齢者をイメージして優先席の色にシルバーが選ばれたわけではありません。
英語のsilverは銀や銀色を意味しますが高齢者と言う意味はありません。英語圏では gray(灰色) や gold(金色) が高齢者の色として認識されています。
「真っ赤な嘘」は根拠のない明らかな嘘や全くの嘘という意味です。これは赤が太陽や炎の色で「明」と同じ語源で「明からな」「全くの」という意味があるからです。真っ赤は赤の強調した表現です。ですから「赤の他人」は全く無関係な他人という意味になります。
「真っ赤な嘘」は英語ではred lieではありません。英語で「真っ赤な嘘」に相当する詞は「blatant lie」「complete lie」「downright lie」「a big fat lie」などがあります。余談ですが英語には「white lie」という言葉があります。これは相手の気分を害さないためにつく悪意のない嘘のことを言います。
「赤の他人」は英語では「complete stranger」「perfect stranger」「total stranger」でこちらも赤は関係ありません。
赤は血の色や太陽や炎の色などを由来とする人類共通の普遍的な意味を持つ色ですが、「真っ赤な嘘」や「赤の他人」という意味で赤色の単語が入った言葉は日本語以外にないようです。
水中の様子をカメラで撮影すると次の写真のように真っ青な世界が映ります。人間の目ではここまで青く見えないかもしれませんが、カメラはしっかりと水中では青色の世界であることを捉えています。
次の図は水の吸収スペクトルです。水は波長が長い光をより吸収していることがわかります。500 nmより短い波長の青色系の光はほとんど吸収されていませんが、600 nmより長い波長の赤色系の光をたくさん吸収していることがわかります。水の光の吸収はわずかなためコップ1杯の水は青色には見えませんが、水の量が増えていくと青色に見えるようになります。
さて水中の青色の世界でさまざまな色はどのように見えるでしょうか。深くなるにつれて全体の光の量が少なくなると同時に赤色系の光が失われてきます。この様子を実験して撮影したのが下記の映像です。深い水中では赤色は黒い色に見えます。水中に赤色系の光がほとんど存在しなくなるため赤色の物体が反射する光がなくなるからです。
Underwater Color Loss With GoPro 0 to 155 Feet Depth - Fishing Lure Deep Test
【関連記事】
・水は水色
河川沿いの土手を歩いていたら空に大きな雲が広がっていました。風に吹かれて左の方へ移動していきます。雲の左側には太陽が輝いていたのですが雲に遮らられていきます。太陽が雲に隠れると雲の切れ間から光芒が漏れ出しました。これは薄明光線と言って雲の端や切れ間から光が漏れて光線が放射状に見える現象です。光線が下に降り注ぐ薄明光線は天使の柱とも呼ばれます。今回は光線が漏れ出している位置の下側に厚い雲が広がっているので天使の柱とまでは言えないような薄明光線でした。
光線が漏れ出しているところを拡大撮影してみました。上の写真より雲がやや左側に移動し太陽がさらに雲に隠れています。太陽光と雲の厚さで複雑な色合いになっています。上から1/3ぐらいのところと1/2ぐらいのところになんだか動物の顔のように見えますね。1/3のところは口を大きく開いています。1/2のところは青い目が不気味です。
【関連記事】
・かなとこ雲が発生(2020年8月30日)|かなとこ雲はどんな雲
最近のコメント