量子力学

2012年10月 7日 (日)

ニールス・ボーアの生誕127周年

 10月7日のGoogleロゴはデンマークの物理学者、ニールス・ボーアの生誕127周年を祝う画像となりました。

Bohr11hp

 ニールス・ボーアは1885年、コペンハーゲンで生まれました。1903年にコペンハーゲン大学へ入学したのち、1911年にはイギリスへ留学し、トムソンやラザフォードのもとで原子の構造について研究を行っていました。

Niels_bohr

 1913年、ラザフォードの原子モデルの矛盾について考えていた彼は、スイスの物理学教師ヨハン・ヤコブ・バルマーが1885年に発表した水素の原子のスペクトルに関する論文に注目しました。

 ボーアはバルマーの論文を読んだ瞬間に水素原子がどのような構造をしているのか直ちにひらめきました。そして、わずか半年ほどで「原子と分子の構造について」という論文を発表し、ボーアの原子モデルを提唱しました。

 ボーアの原子モデルは、原子の構造の説明に量子の概念が導入したものです。マックス・プランクのエネルギー量子仮説から十余年、ボーアの功績によって、いよいよ量子論が本格的に論じられるようになりました。

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2012年9月23日 (日)

リチャード・ファインマン博士の二重スリットの思考実験の講義

とても良い時代です。1964年のリチャード・ファインマン博士の授業の映像をこうも簡単に見ることができるのですから。

Richard_feynman_nobel

量子論は1個の電子が波の性質をもつことを明らかにしました。光が波であることを証明したヤングの実験において、光の代わりに電子を1個ずつ二重スリットに通すと、電子は回折・干渉を起こし、波の性質を現しました。

この講義は、1個の電子が同時に2つのスリットを通ったのかどうかは確かめることはできないということを明らかにするための思考実験について説明したものです。

Richard Feynman on the Double Slit Paradox: Particle or Wave?

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2012年9月 9日 (日)

リチャード・ファインマンの量子力学の講義

Richard Feynman on Quantum Mechanics Part 1 - Photons Corpuscles of Light

Richard Feynman on Quantum Mechanics - Part 2 - Reflection and Quantum Behaviour.

Richard Feynman on Quantum Mechanics - Part 3 - Electrons and their Interactions.

Richard Feynman on Quantum Mechanics - Part 4 - New Queries.

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2012年9月 4日 (火)

ホーキング、パラリンピックの開会式で語る

8月29日にロンドンで行われた第14回夏季パラリンピックの開会式に、スティーヴン・ホーキング博士が登場し、博士の合成音声が流されました。

Orbital - Where Is It Going? - Paralympics

ホーキング博士は次のように語っています。

欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)は、世界で、いや、おそらく宇宙で最も巨大で最も複雑な機械である。巨大な力で素粒子を互いに激突させることで、ビッグ・バンの状態を再現します。先般のヒッグス粒子と見られる発見は、人類の努力と国際機関による共同研究の勝利です。それは、世界に対するわれわれの理解を変え、ありとあらゆるものについての完全なる理論への洞察を提供する可能性を秘めています。

流れている曲は「オービタル」というイギリスのテクノユニットの演奏によるものです。

オービタルは電子軌道という意味があります。原子中の電子が決められた軌道上を回転運動しているというニールス・ボーアの原子モデルは量子力学の議論を本格的に進めるきっかとなりました。ホーキング博士にぴったりの名前です

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2012年7月 5日 (木)

ヒッグス粒子の発見

 欧州合同原子核研究所(CERN、スイス)は4日、世の中の最も基本的な粒子の一つで、物に重さ(質量)を与える「ヒッグス粒子」とみられる新粒子を発見したと発表しました。

世紀の大発見となるか?"ヒッグス粒子"の存在が解明される!! About higgs

 研究チームはスイスのジュネーブとフランスの国境にある大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider、LHC)で、陽子を光速に近い速さまで加速して衝突させ、衝突の際に生じる光や粒子などを調査したところ、質量が水素原子の約130個にあたる新しい素粒子を発見しました。この素粒子を見つけるのに陽子同士を1線兆回以上衝突させたそうです。

 ヒッグス粒子は昨年の12月にその存在が示唆されていましたが、その後、実験と観測を重ね、今回の発表となりました。

 ヒッグス粒子は、1964年に英国のエディンバラ大学の理論物理学者ピータ・ウェア・ヒッグス博士によってその存在を予言された素粒子です。

 素粒子の標準モデルで予言されている素粒子のうち、物質を形成する12種類の素粒子と、物質に力を伝達する5種類の素粒子は既に発見されていましたが、ヒッグス粒子は唯一発見されていなかった素粒子でした。

 今回発見された新素粒子がヒッグス粒子だとすると、標準モデルの素粒子がすべて現実のものとしてそろったことになります。物質とは何か、この宇宙はどのようにして成り立っているのかなどを解明する手がかりとなります。

 英国のケンブリッジ大学の元教授のスーティーブン・ホーキンス博士はヒッグス粒子が発見されたことに対して、ヒッグス博士をノーベル賞に推薦するというコメントを出しています。また、ホーキンス博士はヒッグス粒子が見つかるかどうかについて、米国のミシガン大学の教授と賭けをしていたそうです。ホーキンズ博士は見つからないという方に100ドルを賭けていたようで、自分はどうやら賭けに負けたようだとコメントしています。

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2012年1月25日 (水)

光電効果 光の正体は何か

 1880年代の後半、電磁波の研究をしていたドイツの物理学者ハインリヒ・ヘルツは、紫外線を電磁波の発信装置に当てると、電磁波が強くなる現象に気がつきました。この現象がきっかけとなり、彼は1887年に金属に紫外線を当てると、放電が起こりやすくなることを発見しました。その翌年の1888年、ドイツの物理学者ウィルヘルム・ハルバックスは帯電した金属に紫外線を当てると、帯電が失われることを発見しました。その後、これらの現象は、ドイツの物理学者フィリップ・レーナルトによって詳しく調べられました。そして、彼は金属に紫外線を当てると、金属から電子が飛び出してくることを見い出しました。

Hertzlenardhallwacks

 彼らが発見した現象を光電効果といいます。光電効果は金属に紫外線などの短い波長の光を当てると、金属内の電子が外へ飛び出す現象です。このとき、電子は光からエネルギーをもらい金属から飛び出してくるのですが、電子が金属の外へ飛び出すには、ある大きさのエネルギーが必要になります。

 レナールトは光電効果について詳しく調べ、次のような興味深い現象を見つけました。

  1. ある波長より短い光を当てると、電子は光を当てたとたんに金属から飛び出してくる
  2. ある波長より長い波長の光では、光の明るさをいくら強くしても電子は飛び出してこない
  3. 電子が飛び出す波長の光では、電子のエネルギーは、あてる光の波長が短いほど大きくなる
  4. 電子が飛び出す波長の光では、光の明るさを変えても電子のエネルギーは変わらない
  5. 電子が飛び出す波長の光では、光の明るさを変えると飛び出してくる電子の個数が増加する。

 これらの現象は、それまで主流であった光の波動説では説明することができませんでした。

 波動説の立場では、いかなる波長の光でも、明るさを強くするか、あるいは十分に時間をかければ、電子はエネルギーを蓄積して、金属の外へ飛び出してこなければなりません。ところが、現実は予想に反して1や2の現象を示しました。

 また、波動説では、電子が飛び出す波長の光でも、光の明るさを強くすれば、光全体としてのエネルギーは大きくなるはずですから、飛び出す電子のエネルギーも大きくなるはずです。しかし、結果は3~5のようになりました。

 これらの現象は光を波とすると説明がつかないのですが、その一方で波の性質を示す光に、多くの物理学者が頭を悩ませました。

 光電効果の不思議な現象を正しく説明したのは、相対性理論で有名なアインシュタインです。彼は1905年に「光は振動数(波長)に比例したエネルギーをもつ粒子(光量子または光子)である」という光量子仮説を発表し、光の正体を解き明かしました。

 彼は光が弾丸のような粒子だったら、光がぶつかったとたんに電子が飛び出るという1の現象が成り立つと考えました。また、彼は、光は振動数に応じたエネルギーをもつ粒子であるため、光の明るさを強くしても光子1個あたりのエネルギーは変わらないと考え、2、3、4の現象を説明しました。さらに光の明るさが強くなるということは、光子の数が増えることであると考え、5の現象を説明したのです。

 アインシュタインが、光が粒子の性質と波の性質をあわせ持った光子であると見事に結論づけたことによって、光の波動説と粒子説の論争に終止符が打たれることになったのです。

 アインシュタインは光量子仮説によって1921年にノーベル賞を受賞しています。 次の写真は彼のノーベル賞受賞の記念切手です。光電効果の仕組みが図で示されています。

 下部の黒い横棒が金属の表面で、ここに様々な波長の光が当たっていることが、虹の色で示されています。そして、●が金属表面から飛び出してくる電子で、電子のエネルギーの大きさは矢印の長さで示されています。

 赤色の光は波長が長くて(振動数が小さくて)エネルギーが低く、青色の光は波長が短くて(振動数が大きくて)エネルギー高いのですから、エネルギーの低い赤色の光では電子は飛び出してこない、青い色の方にいくほど、飛び出してくる電子のエネルギーが大きくなるということを示しています。

Stamp

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2009年12月15日 (火)

光のふるまいは確率?

次のように光を90%透過するガラスがあります。

Photo

この透過率90%というのは、ガラスに入射する光のうち10%がガラス入射面で反射したり、ガラス内部で吸収され、残りの90%がガラスを通り抜けてくるという意味です。

ガラスに入射する光をどんどん弱くしていき、最終的に光子1個ずつをガラスに入射させます。おおざっぱに言えば光子を100個ガラスに入射させると、90個がガラスを透過し、10個が反射もしくは吸収されるということになります。

ガラスを透過した光子と透過しなかった光子は、もともと同じ光源から出た同じ条件の光子ですから、光子の違いでガラスを透過したり、透過しなかったりするわけではありません。光子のガラスのあたり方で、透過したり、透過しなかったりするというのも考えにくいです。

となるとこの透過率90%というのは確率ということになります。光の振る舞いは確率で決まると言っても良いのでしょうか。

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2009年11月30日 (月)

光と物質のふしぎな理論-私の量子電磁力学

この本は現在品切れで重版が未定というのは非常に残念なことです。アマゾンで中古本を購入できます。

この本はファンマン博士の講義の内容をまとめたものです。光を粒子として考え、光と物質の相互作用などを比較的わかりやすく説明しています(もともとの量電磁力学がそれほど簡単ではないので比較的としましたが、量子電磁力学の本の中ではかなり優しい内容です)。

私たちは、光は直進するという基本的な性質をもっていることや、光が反射するとき入射角と反射角が等しくなるということを知っていますが、この本を読むと、もはやその法則は絶対的なものではなく、近似的なものであるということがわかります。 

0058660

単行本: 215ページ
出版社: 岩波書店 (1987/06)
ISBN-10: 4000058665
ISBN-13: 978-4000058667
発売日: 1987/06
商品の寸法: 18 x 13 x 1.6 cm

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