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2012年7月 3日 (火)

透明なプラスチック(1)

 一昔前までは透明な材料と言えばガラスが代表格でした。しかし、現在では、優れた透明性をもつプラスチックが開発され、ガラスの代わりに使われるようになってきました。プラスチック材料として透明性をを重視した素材といえば、ポリカーボナートとアクリル樹脂が代表格です。

 ポリカーボナートもアクリル樹脂も透明性の高いプラスチックですが、透明性だけで比較すると、アクリル樹脂の方がポリカーボナートよりも優れています。アクリル樹脂は眼鏡や光ファイバーの材料として使われます。もちろん、その透明性は石英ガラスには及びませんが、プラスチックの中では特に透明性が高い材料です。

 しかしながら、アクリル樹脂には割れやすいという欠点があります。そこで、アクリル樹脂までの透明性は必要ないが、割れにくいなどの耐久性を重視する場合にはポリカーボナートが使われます。

 たとえば、CDやDVDのディスクは、データを読むための光がディスクの板の厚み方向を往復するだけで良いので、アクリル樹脂ほど透明性がなくても支障はありません。そこで、CDやDVDのディスクの素材にはポリカーボナートが使われています。

 ただし、ポリカーボナートを光学用途に使うには複屈折(参考記事:方解石による複屈折)が大きいという問題があります。

 ポリカーボナートのポリマーを引き伸ばして成型する場合、ポリマーは成形の時に流れた方向に引き伸ばされた構造になります。このとき、ポリマーの鎖の方向と、鎖と垂直な方向との屈折率が異なるため、複屈折が生じます。

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 複屈折が生じると、材料の縦方向と横方向で焦点距離が変わってしまうため、光でデータを読み取るのが難しくなります。そこで、これを解消するために、分子量を小さくしたり成形方法を工夫したりして複屈折をなるべく小さくするような工夫がなされています。

 一見、透明に見える材料も、力のかかり具合によって、屈折率がバラツキ複屈折を生じます。これを光弾性といいます。たとえば、プラスチック製のスプーンを偏光フィルタを通して観察してみると、歪んだ部分が色づいて見えます。

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【参考】

「機能性プラスチック」のキホン

桑嶋 幹 (著), 久保 敬次 (著)

欲しい性能を付与できる進化した有機材料の世界

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