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2012年5月11日 (金)

白黒写真の仕組み 写真の仕組み(3)

白黒写真の現像の仕組み

 白黒フィルムは薄い膜に臭化銀(AgBr)の細かい粒子(直径0.0001~0.001 mm)を含んだゼラチンを塗ったものです。カメラのシャッターが切られ、光がフィルムにあたると、光のエネルギーで次のような光化学反応が起こり、臭化銀が分解して銀の黒い粒子ができます。

 
   臭化銀  → 銀 + 臭素

Neopan
 フィルムにあたる光はわずかなため、生成する銀もわずかです。そのため、フィルムには目で認識できるようなはっきりした像はできません。 この写真の元となる像を潜像といいます。

 この潜像を印画紙にプリントできるように明瞭に浮かび上がらせる作業が現像です。像を明瞭にするには、生成した銀のまわりの未反応の臭化銀をさらに分解して、銀の量を100万~1000万倍に増やします。

 現像はアルカリ性溶液中でハイドロキノンなどの還元剤を使います。この反応は次のようになります。

臭化銀 + ハイドロキノン → 銀 + p-ベンゾキノン+臭化水素

Photo

 この反応では銀が反応を促進する働きをします。
Photo2
そのため、光によって分解した銀がたくさんある部分は反応が速く進みます。結果として、光がたくさん当たって、銀がたくさんできていた部分ほど、銀が増えて黒くなります 。

この反応を長時間行うと、光によって銀が生じていない部分の臭化銀も分解されていくので、放置するとフィルムが真っ黒になってしまいます。そこで現像が適度に進んだところで酢酸溶液を加え中和して反応を停止します。

 また、光が当たらなかった部分には臭化銀が残っています。また、光が当たったところにも未反応の臭化銀が残っています。臭化銀に光が当たると分解して銀ができ、フィルムが真っ黒になってしまいます。そこで残っている臭化銀をチオ硫酸ナトリウム(通称ハイポ)で溶かして除去します。これが定着です。

 定着が済んだフィルムは水洗し乾燥します。現像から定着までは暗室で行いますが、定着が終わるとフィルムを明るいところに持ち出すことができるようになります。

 フィルム上で光が強く当たったところは、銀がたくさん存在し黒くなっているため光が通りません。また、光が当たらなかったところは透明となります。これがネガフィルムです。

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Episode 20, how to develop black and white film

■白黒写真のプリントの仕組み

 ネガフィルムを映写機のような装置に装着してフィルムの像を印画紙上に拡大し、その像を印画紙に焼き付けることにより写真ができます。この作業を引き伸ばしといいます。

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 印画紙にもフィルムと同様に臭化銀が塗られています。印画紙は光がたくさん当たったところが黒くなり、光が当たらなかったところが白くなります。ですから、ネガフィルムで引き伸ばしを行ったとき、ネガフィルムの黒い部分が印画紙上で白くなり、ネガフィルムの透明な部分が印画紙上で黒くなります。こうしてネガフィルムと反転した像が印画紙にできます。印画紙もフィルムの現像と同じように、現像、停止、定着、水洗、乾燥という作業が必要です。これで写真ができあがります。

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