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2012年2月 2日 (木)

科学捜査に光の目 ルミノール反応の仕組み

■ルミノール反応とは

 ルミノール反応は犯罪捜査で血痕の検査に使われています。血痕の色は新撰なときは赤色をしていますが、時間の経過とともに褐色、黄色と変化します。ですから、犯行現場で血痕らしきものが見つかったとしても、目視ではそれが血痕であるかどうかの判断はつきません。その判断に使われるのがルミノール反応です。

 ルミノール反応は1928年にドイツの化学者H.O.Albrechtによって偶然発見されました。彼はルミノールに過酸化水素水を加えると、青白い光を出すことを発見し、この反応を生じさせるためには銅や鉄などの触媒が必要であると述べています。

 1937年にドイツの法医科学者のWalter Spechtが、血液がこの触媒となることを見い出し、その後、犯罪捜査に用いられるようになりました。

Luminol demo HD

 血痕にルミノールと水酸化ナトリウムを混ぜたアルカリ溶液と過酸化水素水の混合液を吹きかけると、血痕が青白く光ります。この反応は血液が数万倍以上希釈されていても起こりますから、非常に感度の高い分析法です。

ルミノールと過酸化水素水の混合液はそのままでは反応しませんが、血液中のヘモグロビンに含まれるヘムという鉄原子をもつ物質が反応を促進させる触媒の役割をして反応が起きます。

まず触媒によって過酸化水素が分解し活性酸素ができます。活性酸素は非常に不安定で物質を酸化させる性質があります。活性酸素がルミノールと反応すると、次の図のような反応が起こります。

ルミノール反応の反応式

 反応で生じた物質はエネルギーが高い励起状態にあります。励起状態になった物質はすぐにエネルギーの低い基底状態に戻ります。そのときに、励起状態と基底状態の差分のエネルギーを光として放出します。差分のエネルギーの大きさは波長424 nmの青色光のエネルギーと等しいので、放出される光は青色光となります。

■光ったからといって直ちに血液とは判断できない

 このように化学反応で光が出る現象を化学発光(化学ルミネッセンス)と言います。ルミノール反応は酸化反応ですから、過酸化水素水でなくても市販の漂白剤などの酸化剤でも反応が起きます。

 また、ルミノール反応は血液中の鉄を含むヘムが触媒となって起こると説明しましたが、触媒となる物質はヘムだけではありません。鉄の他に銅やコバルトなどの金属元素を含む物質なども触媒となります。つまり、過酸化水素を分解する触媒であれば良いということになります。

 たとえば、大根にはパーオキシターゼ(peroxidase、ぺルオキシターゼとも呼ばれる)という酵素が含まれていますが、パーオキシターゼは過酸化水素を分解させ、物質の酸化反応を促進する触媒となる酵素です。パーオキシターゼは大根だけでなく、セイヨウワサビやキュウリをはじめとする植物に含まれており、食品添加物としても使用されています。ですから、ルミノールと過酸化水素水の混合溶液をパーオキシターゼを含む物質に触れさせると、ルミノール反応が起こり、青い光を発光します。

 ですから、科学捜査ではルミノール反応はあくまでも予備試験です。ルミノール反応で発光したとしても、ただちにそれが血痕と断定することはできません。それが血液なのかどうか、血液型は何かなどの検査が行われます。

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コメント

ここに掲載された記述を私が書いている小説に引用してもよろしいでしょうか?
ご返信願います。

投稿: 増田 | 2015年9月18日 (金) 14時48分

コメントありがとうございます。
小説への引用は構いませんが、こちらの記事が正確な記述になっているかどうか確認した方が良いかと思いますので、どの部分を引用されたいかお知らせ頂けますでしょうか。ブログの左下のメール送信でメールのやり取りが可能です。

投稿: 光と色と | 2015年9月20日 (日) 14時05分

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