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2012年1月 2日 (月)

スプーンの内側に顔が逆さまに映る理由

■スプーンをのぞいてみると

 スプーンのへこんでいる内側をのぞくと上下が逆さまになった顔が映ります。よく見ると左右も逆さまに映っています。ためしに、スプーンに上下逆さまに顔を映したまま、右目をウィンクしてみましょう。普通の平らな鏡(平面鏡)では鏡の右側に映っている目がウィンクしますが、スプーンの内側では左側に映っている目がウィンクします。どうして、スプーンの内側をのぞくと顔が上下左右が逆さまに映るのでしょうか。

■合わせ鏡による光の反射

 1枚の平面鏡に自分の顔を映すと、頭は鏡の上側に、あごは鏡の下側に、左目は鏡の左側に、右目は鏡の右側に映ります。それでは、次の図のように2枚の平面鏡を直角につなげた合わせ鏡をのぞきこんでみましょう。

合わせ鏡 鏡の中に映る頭とあごの位置はそのままですが、左目は鏡の右側に、右目は鏡の左側に映り、左右が逆に映ります。これは顔の左側が鏡の右側に、顔の右側が鏡の左側に映るからです。

 この合わせ鏡を90度向きをずらし、顔に対して上下に折り曲げるようにすると、今度は上下が逆さまになった顔が映ります。

 スプーンの内側はへこんでいるため、合わせ鏡と同じような働きをします。ただし、スプーンの内側の表面は上下方向にも左右方向にも曲がっています。そのため、スプーンの内側をのぞきこむと、頭はスプーンの下側に、あごはスプーンの上側に映り、左目はスプーンの右側に、右目はスプーンの左側に映ります。

Spoon

■凹面鏡と凸面鏡による光の反射

 表面が球面をした鏡を球面鏡といいます。表面が(A)のようにへこんでいる球面鏡を凹面鏡、(B)のようにふくらんでいる球面鏡を凸面鏡といいます。

凹面鏡と凸面鏡

 凹面鏡に平行に当たる光は(A)のように1点に集まるように反射します。この点を凹面鏡の焦点といいます。このように凹面鏡には光を集める働きがあります。凸レンズで日光を集めて黒い紙を燃やす実験がありますが、凹面鏡を使っても紙を燃やすことができます。 

 凹面鏡で物体が上下左右逆さまに映るのは、目と物体を置く位置が凹面鏡の焦点の外側(図Aで焦点の左側)にあるときです。このとき、目を置く位置が焦点の内側(図Aで焦点の右側)にあるときには、物体を置く位置に関わらず、上下左右は逆さまになりません。

凹面鏡

 スプーンの内側に顔を映し、まゆげと目が映るように、顔をスプーンに近づけていきましょう。最初は顔が上下反対に映っていますが、顔が焦点の内側に入ると、まゆげが上になった目が映ります。また、凹面鏡に物体を映すとき、目を置く位置が焦点の外側にあっても、物体が焦点の内側にあるときは、物体は上下左右逆さまに映りません。

 凸面鏡に平行に入射する光は(B)のように広がるように反射します。凸面鏡は物体を小さく映す働きがあり、平面鏡より広い範囲を映すことができます。目をどこに置いても、物体をどこに置いても、凹面鏡のように物体が上下左右逆さまに映ることはありません。

凸面鏡は自動車のバックミラーや見通しの悪い交差点やカーブなどで使われています。反射の法則を利用して、こちらから見えないところを鏡で見えるようするのと同時に、より幅広い範囲を映すために凸面鏡が使われているのです。

コーナーミラー凸面鏡

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