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2011年12月29日 (木)

氷は透明なのに、かき氷はなぜ白いのか

■透明なものを細かく砕くと白くなる

 透明な氷をかき氷機にかけると、あっという間に細かく削られて白いかき氷ができあがります。もとの透明な氷も真っ白なかき氷も、同じ水が凍ってできた氷です。どうして、透明な氷がかき氷になると白くなるのでしょう。

手動かき氷機(ブロック氷用)デモ

 透明な物体に光があたると、ほとんどの光は物体を通り過ぎます。ところが、透明な物体を細かく砕くと、表面にあたった光がいろいろな方向に反射するようになり、透明でなくなり、白くなります。

 ためしに、透明な氷をハンマーでたたいて細かく砕いてみましょう。砕いてできたひとつひとつの小さな氷片は透明ですが、その氷片がたくさん集まると白く見えます。たくさんの氷片で光がいろいろな方向に反射するからです。

■白い紙が鏡のように見えない理由

 光はあらゆる物体の表面で反射します。たとえば、白い紙はほとんどの光を反射していますが、鏡のように物体を映しません。

 白い紙の表面には微細な凸凹がたくさんあります。ここに光が当たると、光は反射の法則に従って、いろいろな方向に反射します。次の図の(A)のように光が規則的に反射することを正反射、(B)のように光がさまざまな方向に反射することを乱反射といいます。鏡は(A)のように光を正反射するため物体を映しますが、白い紙は(B)のように光を乱反射するため、反射した光線が混ざり合うので鏡のように見えないのです。

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 これは簡単な実験で確かめることができます。CDケースなど透明なプラスチックの板に黒い紙を貼ります。黒い紙を貼った反対側の表面は鏡のように物体をよく映します。この表面を目の細かいサンドペーパーでこすると表面が白くなり、物体が映らなくなります。プラスチックの表面に細かい凸凹ができ、光の乱反射が起こるためです。

 透明な氷をかき氷にすると白く見えるのもたくさんの小さな氷片が凸凹と同じ役割をするからです。湖の水面に景色が綺麗に映っているときに、さざ波で景色が映らなくなるのも波で凸凹になった水面が光を乱反射するからです。

■物体を見ることができるのは乱反射のおかげ

 私たちが物体を見るうえで光の乱反射はとても重要です。次の図のように真っ暗な部屋で鏡と白い紙を真上からペンライトで照らし、その様子をほぼ真横から見てみましょう。鏡の見え方は変化しませんが、白い紙は光があたったところが明るくなります。これは鏡が光を真上の方にしか反射しないのに対し、白い紙は光をいろいろな方向に反射するからです。

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 私たちの身の回りにある多くの物体は光を表面で乱反射しています。光が物体の表面で乱反射するおかげで、私たちは物体の姿や色をいろいろな方向から見ることができるのです。鏡や透明な物体が見えにくいのは、光が物体の表面で正反射したり、物体を通り抜けたりしてしまうためです。3_2

 ところで、氷屋さんで作られる氷は綺麗な透明ですが、家庭の冷蔵庫で作られる氷は白くにごっています。これは家庭の冷蔵庫で作られる氷にたくさんの空気の泡が含まれているからです。空気の泡で光が乱反射するため、かき氷にするまでもなく氷が白く見えるのです。

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