« 2011年10月 | トップページ | 2011年12月 »

2011年11月

2011年11月25日 (金)

有趣的透鏡 中国語版のレンズのキホン

「レンズ」のキホンの中国語版「有趣的透鏡」が出版されました。

中国国内で入手可能なようです(amazon.cn)。

有趣的というのは面白いという意味です。透鏡はレンズのことを意味します。

51mlq9xital__sl500_aa300__2

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月21日 (月)

色光と水槽を使った全反射と屈折の実験

Reflection and refraction of colored light in water air surface 2, varying incidence angle

なかなか面白い実験です。光に色がついているところがわかりやすくて良いです。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月20日 (日)

金属の光沢と色 (金属反射と金属光沢)

■金属と絵の具の色の違い

 京都の金閣寺はまばゆいばかりの黄金色です。金は簡単に言えば黄色をしていますが、絵の具などの黄色とはずいぶん色味が違います。そこで、私たちは金の色を「金色」と金属の名前をつけた色で呼び、普通の黄色とは区別しています。

1

これは金に限らず銀や銅も同じです。銀は白色ですが銀色、銅は赤色ですが銅色と呼びます。逆に金、銀、銅はその色から黄金(コガネ)、白銀(シロガネ)、赤銅(アカガネ)とも呼ばれます。

 白色光をプリズムで分けると光の色の帯が現れますが、その中に金色、銀色、銅色の光はありません。しかし、金属光沢のある黄色い物体は金色に見えます。同様に金属光沢のある白色の物体は銀色に、赤色の物体は銅色に見えます。黄色、白色、赤色の塗料に金属光沢をもつ粉末を混ぜると、金色・銀色・銅色の塗料を作ることができます。

■金属光沢のしくみ

 綺麗に磨いた金属の表面は鏡のようにものを映します。鏡はガラスの裏側に銀やアルミニウムの薄い膜を張り付けたものですから、鏡による光の反射は金属の表面での光の反射と同じです。

 原子は正電荷を帯びた原子核と負電荷を帯びた電子からなります。原子の一番外側にある電子(最外殻電子)は内側の電子より原子核からの引力が弱いため、原子と原子が近づくと特別な働きをします。この最外殻電子を価電子と呼びます。

2

 金属原子はたくさん集まると価電子を放出し、正電荷を帯びた金属イオンとなります。放出された価電子は原子核の束縛から解き放たれて、金属中を自由に移動できるようになります。このように自由に移動できる電子を自由電子といいます。

3

 自由電子は金属中のすべての金属イオンに共有されている状態になります。このように金属イオンと自由電子からなる結合を金属結合と呼びます。金属は金属結合によって、高い電気伝導性と熱伝導性、展性や延性、金属光沢などの金属特有の性質を持ちます。

 金属中の自由電子はプラズマ振動という特異的な振動をします。自由電子がプラズマ振動をする限界の振動数をプラズマ振動数といいます。金属の表面に光があたるとき、光の振動数がプラズマ振動数より小さい場合には、自由電子は光の振動数に従って振動します。このとき、光のエネルギーは自由電子の振動に使われますが、自由電子はもとの光と同じ振動数の光を再放出します。結果的に、光は自由電子に遮断されて金属の中へ入っていくことができず、自由電子によって跳ね返されます。これが金属光沢を生じさせます。

■金属に色がつく理由

 金属の色は光の反射が可視光線のどの波長領域で起こっているかによって決まります。金属が金属光沢をもつのは光が自由電子に跳ね返されるためですが、プラズマ振動数より大きな振動数の光は金属の中に入っていきます。プラズマ振動数は金属の電子密度によって異なるため、金属によって反射する光の波長範囲が変わります。また、金属の中に入った光は原子核に束縛されている電子に吸収されます。原子核に束縛されている電子の状態は金属の種類によって異なるので、吸収される光の波長が異なります。次の図はアルミニウム、金、銀、銅、鉄の紫外線から可視光線領域の光の反射率を示したものです。

4

 

 アルミニウムや銀は可視光線全域の波長の光をよく反射するので表面の色が銀白色になります。銀やアルミニウムが鏡の材料に使われるのはこのためです。金は赤色系と緑色系の光を反射するので黄金色に見えます。銅は赤色系の光をよく反射し、青色系と緑色系の光も反射するため白味を帯びた赤色に見えます。鉄は可視光線全域を反射しますが銀やアルミニウムに比べると反射率が低いため、厳密には灰色がかった金属光沢となりますが見分けるのは難しいでしょう。

 また、金属の色は金属表面の状態によって変わります。金属の表面に酸化皮膜などができると、金属の色味が変わります。

■金属光沢を調べる方法

 ガラスや水面は鏡のように光をよく反射します。これらの反射は一見すると金属による鏡面反射に似ていますが、偏光フィルタを使うとその違いを簡単に見分けることができます。
次の写真はガラスの手前に物体を置いて撮影したものです。左の写真はガラスの表面に物体が映り込んでいますが、偏光フィルタを使った右の写真は物体が映っていません。これはガラスの反射光が偏光しているからです。

Photo

鏡で同じ写真を撮影すると、偏光フィルタを使っても反射光を消すことができません。金属による反射では、自由電子が光を振動方向に関係なく反射するため、反射光が偏光していないからです。偏光フィルタがあれば簡単に確認できますので、機会があったら実験してみましょう。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月15日 (火)

鏡はなぜ上下はそのままで左右を逆に映すのか

■鏡の中の世界

 鏡をのぞくと、まるでこちらの世界が鏡の中にそのままあるかのようです。しかし、鏡に映っているものをよく見てみると、上下はそのまま映っているのに、左右が逆に映っていて、とても不思議な感じがします。鏡にものがどのように映るのか、考えてみましょう。

 次の図のように右手に鉛筆を持った自分の姿を鏡に映すと、鏡の中の自分は上下はそのままですが、左手に鉛筆を持っています。ためしに、友だちに自分と向かい合ってもらい、鏡の中の自分と同じ側の手に鉛筆を持ってもらいましょう。友だちは左手に鉛筆を持つことになるはずです。

1

 次に、鏡に「あ」と書いた紙を映してみましょう。「あ」は上下はそのままですが、左右が逆になって読めなくなります。

2

 このように、ものを鏡に映すと、上下はそのままですが、左右は逆に映ります。このことは、鏡に映るもの見たときによく経験すると思います。

■鏡で上下は本当に逆に映らないのか

3 床の上に鏡を置いて、鏡をのぞきこんでみましょう。顔が鏡の中の上の方に映り、天井が下の方に映ります。まるで鏡の中に落ちていきそうな感じがします。次に立った状態で鏡を頭の上の方に置いてのぞいてみましょう。鏡の中で、足が上の方に映り、頭は下の方に映ります。まるで逆立ちしているように見えます。

 このように鏡を使うと、上にあるものを下に映したり、下にあるものを上に映したりすることができます。これは上下が逆に映っているということです。なお、この場合も、自分の右手は鏡の中の自分にとっての左手になっていますので、左右は逆に映っています。

 今度は、鏡の前に立って、鏡に近づいたり、遠ざかってみたりしてみましょう。鏡に近づくと、自分は鏡の中の手前に映り、鏡から遠ざかると、自分は鏡の中の奥に映ります。また、次の図のように3人で鏡の前に縦に並ぶと、一番前に並んでいる人が鏡の中の手前に映り、一番後ろに並んでいる人が鏡の中の奥に映ります。これは前後が逆に映っているということです。なお、この場合も、左右は逆に映っています。

4

 このように、鏡は上下を逆に映したり、前後を逆に映したりします。しかし、よく考えてみると、鏡で上下が逆に映るのと、前後が逆に映るのは、鏡に対してものの置き方が違うだけで、本当は同じことです。

 鏡で上下や前後が逆になるというのは、鏡がものを映す仕組みの本質ではありません。鏡は、鏡から近いところにあるものは鏡の中の手前に映し、鏡から遠いところにあるものは鏡の中の奥に映しているだけなのです。

■鏡は本当に左右を逆に映しているのか

 最初に鏡は左右を逆に映すと確認しましたが、本当に鏡は左右を逆に映していると考えて良いのでしょうか。上下が逆と前後が逆が同じことであったように、左右が逆も違う見方がないか考えてみましょう。

 もう一度、右手に鉛筆を持った自分を鏡に映したときの様子を考えてみましょう。鏡に映った自分の姿を見ると、鏡の右側に映っている手が鉛筆を持っていることがわかるでしょう。なぜなら、鏡の右側に映っている手が自分の右手だからです。同じように鏡の左側に映っている手は自分の左手です。ですから、実際には鏡の中で手は左右が逆に映っているわけではありません。

 鏡が左右を逆にすると考えてしまうのは、鏡の中に映った自分を見て、自分が鏡の中に入ったと考えて、自分の体が左右逆になったと考えてしまうからです。また、鏡に映った「あ」が左右逆になったと考えるのも文字が読めなくなったからで、よく考えると「あ」の左側は鏡の左側に、右側は鏡の右側に映ります。

 これらのことを、よく考えると、鏡は左右を逆に映しているのではなく、左側にあるものは鏡の中の左側に、右側にあるものは鏡の中の右側に映しているだけです。そして、鏡はものを鏡の面に対して逆に映しているだけです。さっそく、確認してみましょう。次の写真は「ふしぎ」と書いた紙を鏡に映したときの様子を撮影したものです。

51

 鏡に映った「ふしぎ」は読めなくなっていますが、紙の上で左側にある「ふ」は鏡の中で左側に映っていますし、紙の上で右側にある「ぎ」は鏡の中で右側に映っています。そして、紙の上の鏡の中の「ふしぎ」は鏡の面に対して逆になっていることがわかります。

まとめてみましょう

  • 鏡は、鏡から近いところにあるものは鏡の中の手前に映し、鏡から遠いところにあるものは鏡の中の奥に映す。
  • 鏡は、鏡の前の左側にあるものは鏡の中の左側に映し、鏡の前の右側にあるものは鏡の中の右側に映す。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年10月 | トップページ | 2011年12月 »