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2011年10月

2011年10月19日 (水)

雲の色は何色?

■雲の色はいろいろ

 晴れた日の真っ白な雲、曇り空の灰色の雲、今にも大粒の雨が降り出しそうな不気味なほど真っ黒な雲、朝焼け空や夕焼け空のオレンジ色の雲など、空を流れる雲を見ていると、雲の色は実に変化に富んでいることがわかります。

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■雲の正体はなにか?

 空に浮かぶ雲の正体は細かい水滴や氷の粒です。これらの水滴や氷の粒は、もともとは地上や海上で蒸発した水です。空気は温度が高いほど水蒸気をたくさん含むことができます。暖かい空気は軽いので上空へ昇っていきますが、上空は気圧が低いので膨張します。このとき、空気は外部から熱を与えられない状態で膨張します。空気自身が持つ熱が膨張に使われるので、空気の温度が下がります。空気に含まれる水蒸気は冷やされると気体のままでは存在できなくなり、凝結して細かい水滴や氷の粒になります。これが雲の正体です。

■白色や黒色の雲があるのはどうしてか?

 光は水滴や氷の粒に当たると散乱します。例えば、細かな水滴でできた湯気や細かく砕いた氷粒に、太陽や電灯の光などの白色光が当たると白く見えます。これは白色光が水滴や氷の粒で散乱し、四方八方に乱反射するからです。

 雲が白く見えるのも光が雲の中の水滴や氷で散乱するからです。私たちが普段見ている雲の見え方は、次の図のように2通りあります。雲に当たった光はまず雲で散乱します。その散乱した光は、そのまま雲の中を透過したり、雲の外側に反射したりして私たちの眼に届きます。

Fig2

 まず、雲の中を透過してくる光について考えてみましょう。この場合、雲の中を透過して目に届く光の量によって、雲の色が白く見えたり、黒ずんで見えたりします。空の高いところにできる絹雲などの薄い雲は光を良く通すので白く見えます。一方、雨雲は水や氷の粒が大きく、また雲も分厚いので、雲を透過する光の量が少なくなり黒ずんで見えます。空全体を覆う雲がどんよりとした灰色や黒色になるのは雲を透過してくる光が少ないからです。次に雲の表面で反射してくる光について考えてみましょう。雲の色は、雲に当たる光の量で決まります。例えば、晴れた日は雲に十分に光が当たるため雲は白く見えます。また、晴れた日でも雲が黒ずんで見えることがあります。これは別の雲で太陽光が遮られて雲に当たる光の量が少なくなるためです。

 このように、雲に当たる光の量が少なくなると、雲を透過したり、反射したりする光の量も少なくなるため、雲の色が黒ずんで見えます。雲の色は雲の厚さだけでなく、太陽の方向、他の雲との位置関係によって変わります。そのため、雲の色は明るさの異なる白色と黒色が組み合わさった複雑な色合いとなるのです。

Fig3

■朝焼け空や夕焼け空の雲の色

 朝焼け空や夕焼け空の雲は赤く染まります。日の出や日の入りは太陽の高度が低いため、太陽光が大気中を通る距離が昼間より長くなります。すると、太陽光に含まれる青色系の光が大気中で散乱し、赤色系の光が青色系の光よりもたくさん届くようになります。

 そのため、朝焼けや夕焼けの空に浮かぶ雲は赤く染まって見えるのです。また、空に青空が残っている時間帯では、次の写真のように、赤く染まった雲に空の青色がかぶって幻想的な色合いになります。

Fig4

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■虹のように色づいた雲

次の写真のように雲が虹のように色づいて見えることがあります。これは彩雲(さいうん)と呼ばれる現象で、雲の中の水滴によって光が回折・干渉することによって、雲が虹のように色づいて見えます。CD-ROMでできる虹と同じ原理で色づきます。

Fig5

次の写真は彩雲とよく似ていますが、これは環水平(かんすいへい)アークと呼ばれる現象で、太陽と地表の間にできる水平の虹です。大気中の氷粒がプリズムと同じような働きをして、太陽光を屈折・分散させるために空に虹が生じます。彩雲と似ていますが別の現象です。

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2011年10月10日 (月)

望遠鏡を発明したのは誰?

 レンズを 2 枚組み合わせてものを見る実験は非常に簡単です。そのため、2 枚のレンズでものを拡大して見ることができることを最初に気がついた人が誰なのかはよくわかっていません。

 しかし、13 世紀のイギリスの哲学者ロジャー・ベーコンの 著書 「大著作(Opus Majus)」に、レンズを 2枚使って遠くのものを近くに見ることや、小さなものを大きく見ることが書き記されています。

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 1608年、オランダの眼鏡職人ハンス・リッペルスハイは凸レンズ(対物レンズ)と凹レンズ(接眼レンズ)を筒にはめた望遠鏡を作り、オランダ政府に特許を申請しました。同じくオランダの技術者ヤコブ・メチウスもリッペルスハイからわずかに遅れて同じ仕組みの望遠鏡の特許を申請しました。2人の特許は申請がほぼ同時だったことや、望遠鏡自体が新しい発明ではないこともあり認められませんでした。しかし、オランダ政府はリッペルスハイの望遠鏡を高く評価し、彼に報奨を出しています。そして、彼は実用的な望遠鏡の製造・販売を始めました。このことから、リッペルスハイが望遠鏡の発明者とされています。

  ところで、1590年頃に顕微鏡を発明したオランダのヤンセン親子の息子ツァハリアス・ヤンセンが1604年に望遠鏡を作ったという記録もあります。リッペルスハイがヤンセンのアイデアを盗んだのではないかという見解もあるようです。ただし、ヤンセンも既存の望遠鏡を真似て作ったともあり、1580年代の終わりにイタリアの博学者が望遠鏡を作っていたという記録も残っています。

 このように望遠鏡を誰が発明したかについては諸説あるのですが、17世紀に入って望遠鏡が非常に便利な道具としてヨーロッパに瞬く間に広まったのは間違いないようです。

■ガリレオが自作した望遠鏡

 イタリアのガリレオ・ガリレイはオランダで発明された望遠鏡を改良し、独自に天体望遠鏡を作りました。彼は1609年に天体観測を行い、木星や土星の衛星、月面のクレーター、太陽の黒点の動き、金星の満ち欠けなどを発見しました。それらの観察結果から当時主流であった天動説を否定しコペルニクスの地動説を支持しました。

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 凸レンズと凹レンズを組み合わせた望遠鏡をオランダ式望遠鏡またはガリレオ式望遠鏡といいます。オランダ式望遠鏡は次の図のように凸レンズA(対物レンズ)で収束する光線を凹レンズB(接眼レンズ)の虚像として見ます。拡大されたものを正立像として見る光学系としては構造が簡単なため、現在でも簡単な地上用望遠鏡やオペラグラスとして利用されています。しかし、倍率を上げると視野が非常に狭くなるという欠点があり、天体観測には向いていません。

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■ケプラーが考案した望遠鏡

 1611年、ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーはオランダ式望遠鏡の欠点を解決する望遠鏡として、凸レンズを2枚組み合わせた望遠鏡を考案しました。この望遠鏡をケプラー式望遠鏡といいます。ケプラー式望遠鏡は次の図のように凸レンズA(対物レンズ)で作った実像を凸レンズB(接眼レンズ)の虚像として見ます。拡大されたものを倒立像として見ますが、視野が広く倍率を上げることができます。また、天体観測では倒立像でも問題ないため、天体望遠鏡として広く使われるようになりました。地上用の望遠鏡では内部にプリズムを入れて正立像を得られるものもあります。この原理もケプラーが考案しました。

ただし、ケプラーは望遠鏡を自作していません。 1611年にケプラーが発表したのは理論だけでした。1645年にオランダのシルレによって、望遠鏡のしくみや応用が詳しくまとめられました。

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 ところで、レンズを使った望遠鏡には、倍率を上げると物体の色が正しく再現できないという欠点があります。プリズムに光を通すと虹のような色の帯ができますが、レンズにも同じような働きがあるため物体に色がついて見えてしまうのです。このため、アイザック・ニュートンは1618年に凸レンズと凹面鏡を使った反射望遠鏡を考え出しました。

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2011年10月 3日 (月)

海の色は何色に見える?

水は水色で説明した通り、水は赤色系の光を吸収します。水が吸収する光はほんのわずかなのでコップ1杯の水では色の変化は分かりません。しかし、水の厚さが数mにもなると、赤色系の光がずいぶん失われ、残った青色系の光によって、水が水色に見えるようになります。水が水色なのは水の本来の性質なのです。

この水中の青色光が海中のプランクトンやその他の微粒子で散乱したり、海底で反射したりして、海上に出て行くと、海上にいる人にもこの青い光が届くため、海が水色に見えることになります。

しかし、海の色はいつも水色に見えるとは限りません。例えば、赤色の色素をもつプランクトンが異常発生した赤潮では海の色は赤くなり、土砂の多い河口付近では海の色は茶色になります。また、プランクトンがあまり生息していない水深の深い黒潮では、水中から出てくる光が少なくなるため海の色は文字通り黒っぽく見えます。

また、海の色は水中から出てくる光だけで単純に決まるわけではありません。海面で反射する光を考える必要があります。例えば、船の航跡は白く見えますが、これは太陽光がほとんど水に吸収されず水の泡で乱反射するからです。

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また、海面には空の色が映ります。青空のときには青色、曇り空のときには灰色、そして夕焼け空のときには鮮やかなオレンジ色となります。

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ところで、透明な物質の光の反射率は、次の図のように光の入射角が大きいほど高くなります。

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このことを考えると、原理的には、真下に見える海の色は水中から出てくる光の色で決まり、遠くに見える海の色は反射光の色で決まると考えることもできます。

私たちが水色と認識している海の色は水の水色と青空の反射光によると考えてよいでしょう。

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