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2009年11月

2009年11月30日 (月)

光学のすすめ―見て・触って・考える

光学のすすめ―見て・触って・考える

「光学のすすめ」編集委員会 (著・編集)

基礎から光学機器まで解説した図が豊富な光学の入門書です。数式も最低限しか使われていません。光学を学び始めて間もない人はこの本を一冊持っていても良いと思います。

内容(「MARC」データベースより)
光学の基礎、光学のコンポーネント、波としての光、光学の機器、レーザー、光情報機器、視覚、自然界の光を基本から丁寧に、先端技術との関連にも配慮して述べる。〈ソフトカバー〉

単行本(ソフトカバー): 276ページ
出版社: オプトロニクス社 (2006/3/15)
言語 日本語
ISBN-10: 4900474649
ISBN-13: 978-4900474642
発売日: 2006/3/15
商品の寸法: 20.8 x 14.8 x 2 cm

第1章 光学の基礎
 1. はじめに
 2. 光は直進する
 3. 光束は直接目で見えない
 4. 光の進路は可逆的である
 5. 反射の法則
 6. 屈折の法則
  6.1 光路長 (optical path)
  6.2 全反射 (total reflection)

第2章 プリズムとレンズ
 1. プリズムのはたらき
 2. レンズのはたらき
 3. 結像のしくみ
 4. 凸レンズ、凹レンズと焦点距離
 5. 凹面鏡と凸面鏡

第3章 レンズによる結像
 1. 結像の求め方
 2. 結像の実際とルーペ
 3. 光学機器のレンズ系
 4. レンズの収差
 5. レンズの絞り

第4章 波としての光(1) 基礎
 1. はじめに
 2. 波(wave)
 3. 波の基本的な表現
 4. 光の波の波長と周波数
 5. 光の伝播

第5章 波としての光(2) 干渉
 1. 干渉(interference)
 2. ヤングの干渉実験
 3. 干渉の応用

第6章 波としての光(3) 回折
 1. 回折(diffraction)
 2. レンズの分解能
 3. 回折の応用
 4. おわりに

第7章 偏光のしくみと応用
 1. 偏光(polarization)
 2. 波のモデル
 3. 複屈折について
 4. 偏光を利用した光学素子
  4.1 偏光子(偏光プリズム)
  4.2 偏光板
  4.3 位相板・補償板
 5. いろいろな偏光状態
 6. 反射による偏光
 7. 自然光の偏光状態
 8. 偏光の実験

第8章 レーザーの原理
 1. レーザーとは
 2. 光の吸収と放出
 3. 熱放射
 4. 光の増幅
 5. レーザーの発振条件
 6. 反転分布をつくる方法
 7. レーザー光の特徴
  7.1 指向性
  7.2 単色性
  7.3 エネルギー密度

第9章 レーザーの実際
 1. レーザーの種類
 2. レーザーの動作特性
  2.1 Qスイッチ発振
  2.2 モード同期
 3. 固体レーザー
 4. 気体レーザー
  4.1 ヘリウム-ネオンレーザー
  4.2 アルゴンレーザー、クリプトンレーザー
  4.3 金属蒸気レーザー
  4.4 炭酸ガスレーザー
  4.5 エキシマーレーザー
 5. 半導体レーザー
 6. 波長可変レーザー
  6.1 色素レーザー
  6.2 波長可変固体レーザー
 7. その他のレーザー

第10章 目と色
 1. 目の仕組み
 2. 光に色はない
 3. 目の中にある3種類の錐体が色を決める
 4. 3つの色ですべての色ができる
 5. 色の見えは不思議
 6. 目と色のさらなる不思議
 7. おわりに

第11章 光学機器(1) カメラ
 1. はじめに
 2. カメラレンズの働き
 3. 焦点距離の違い
 4. カメラの種類
 5. 一眼レフカメラ用のレンズ
 6. レンズシャッターカメラ用のレンズ

第12章 光学機器(2) 望遠鏡
 1. はじめに
 2. 何故、大きくみえるか~望遠鏡のはたらき
 3. 望遠鏡の種類
 4. ケプラー式望遠鏡の構造
 5. 口径(対物レンズ径)と射出瞳径
 6. 反射望遠鏡(反射屈折望遠鏡)
 7. 像の反転系(ケプラー式地上望遠鏡の特徴)
 8. 視度合わせとピント合わせ

第13章 光学機器(3) 顕微鏡
 1. 顕微鏡
  1.1 顕微鏡のはたらき
  1.2 顕微鏡の光学系
  1.3 照明光学系
  1.4 対物レンズ
  1.5 顕微鏡の分解能
   (1) 対物レンズの分解能
   (2) 照明光学系の分解能への寄与

第14章 光学機器(4) 内視鏡
 1. 内視鏡のはたらき
 2. 光ファイバーの特徴
 3. 内視鏡光学系の構成
 4. ファイバースコープ
 5. 硬性内視鏡の光学系
 6. ビデオ内視鏡

第15章 光を用いた情報機器
 1. はじめに
 2. CD(コンパクトディスク)プレーヤー
  2.1 コンパクトディスクの構造
  2.2 光ピックアップの構成
   (1) 半導体レーザー
   (2) 対物レンズ
   (3) 回折格子とトラッキングエラー信号
   (4) ハーフミラー
   (5) シリンドリカルレンズとフォーカシングエラー信号
 3. レーザープリンター
  3.1 まえがき
  3.2 基本光学系
   (1) 半導体レーザー
   (2) シリンドリカルレンズと面倒れ補正機構

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フレネルレンズの原理と仕組み

灯台は沖合を航行する船舶に光を送ります。光を絞って遠くに送るためには、大きな明るい光源と、その光を集めて送るための大きなレンズが必要になります。ところが、そんなに大きなレンズは作ることができません。

遠くまで光を送ることができる灯台用のレンズはどうしたら作ることができるか?

これを考えたのがフランスの物理学者オーギュスタン・ジャン・フレネルです。

Augustin_fresnel

彼は1822年に、下図のように、ガラスの板に、のこぎりの歯のような、ぎざぎざの段差をつけたレンズを考案しました。

フレネルレンズはレンズの表面を細かく分解して平面に配置したような断面をしています。球面レンズの表面部分を細かく分解して平面上に配置することになるので、レンズの厚さが薄くなります。まるでプリズムを並べたような形になります。

1

こうしたレンズは望遠鏡などの物を見るための道具には使えません。なぜならば、像が綺麗にできないからです。光を集めるために使われることが多いです。例えば、カメラのストロボの前についているギザギザの透明な板がフレネルレンズです。

ただし、簡易のルーペとして目の細かいフレネルレンズはあります。プラスチック板に同心円状の模様がついたレンズを見たことがあるでしょう。あれがフレネルレンズです。

灯台のような大型のフレネルレンズの光の進み方を見てみましょう。

ガラスの表面に削られた、ひとつひとつのギザギザがプリズムと同じような働きをします。レンズの中心部分と、円周部分では、光の進み方が異なります。

2

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光と物質のふしぎな理論-私の量子電磁力学

この本は現在品切れで重版が未定というのは非常に残念なことです。アマゾンで中古本を購入できます。

この本はファンマン博士の講義の内容をまとめたものです。光を粒子として考え、光と物質の相互作用などを比較的わかりやすく説明しています(もともとの量電磁力学がそれほど簡単ではないので比較的としましたが、量子電磁力学の本の中ではかなり優しい内容です)。

私たちは、光は直進するという基本的な性質をもっていることや、光が反射するとき入射角と反射角が等しくなるということを知っていますが、この本を読むと、もはやその法則は絶対的なものではなく、近似的なものであるということがわかります。 

0058660

単行本: 215ページ
出版社: 岩波書店 (1987/06)
ISBN-10: 4000058665
ISBN-13: 978-4000058667
発売日: 1987/06
商品の寸法: 18 x 13 x 1.6 cm

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2009年11月29日 (日)

光をやってきた方向に反射する-反射板の仕組み(3)

 次の写真はコーナーキューブミラーという3枚の平面鏡を直角に組み合わせた鏡です。この鏡に、光を当てると、光がどんな角度で鏡にあたっても、光が最初にあたった面で反射した後、他の面で2回反射して、やってきた方向に戻ります。3枚の鏡が使われているので、光のやってくる方向が上下左右にずれていても、光はやってきた方向に戻ります。

Image013

 反射板の表面をよく見ると、表面にブツブツしたものが見えます。このブツブツしている部分一つ一つがコーナーキューブミラーです。反射板にはたくさんの小さなコーナーキューブミラーが並んでいるのです。そのため、どこから反射板を照らしても、輝いて見えるのです。最近ではガラスビーズやマイクロプリズムを使った反射板もあります。

Image015

次の図のように、アルミホイルの上に透明なビー玉を敷き詰めます。お菓子の箱のフタなどを使うとやりやすいでしょう。部屋を真っ暗にして、ビー玉反射板を斜めの方向から強い光で照らします。

Image017

 次の写真はデジカメでフラッシュ撮影したものですが、光が反射してビー玉が輝いているのがよくわかります。

Photo

 100円ショップに反射テープや反射シートが売っています。多くのものはガラスビーズを使ったもので、原理的には上述のガラス玉反射板と同じです。 テープやシールを文字の形に切り抜いて、壁に貼り、部屋を真っ暗にして光をあてると、暗闇に切り抜いた文字が浮かび上がります。好きな形を切り抜いて、カバンやレインコートに貼りつけると、オリジナルの図形が光る反射シールになります。自転車や自動車に貼るのも良いでしょう。

Photo_2

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2009年11月27日 (金)

光とレンズ

光とレンズ (ポピュラーサイエンスブックス)

この本は絶版になっているので中古本しか入手できませんが、レンズの入門書として是非一冊持っておくべき本と思います。アマゾンで入手可能です。

著者の鶴田匡夫(つるた ただお)さんはニコンの開発本部長、副社長だった方です。光学関連の月刊雑紙「O plus E」で、『光の鉛筆』という連載をされています。

Photo

単行本: 204ページ
出版社: 日本工業新聞社 (1985/12)
ISBN-10: 4819107267
ISBN-13: 978-4819107266
発売日: 1985/12

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光をやってきた方向に反射する-反射板の仕組み(2)

 光を反射させるとき、入射角と反射角が同じになることをうまく利用すると、光をやってきた方向に反射させることが可能です。次の図のように、2枚の平面鏡を直角に組むと、光をやってきた方向に反射させることができます。鏡を傾けたり、光を入射させる方向をずらしたりしても、光は必ずやってきた方向に反射されます。

Image009

 2枚の鏡を使った場合、次の図の左のように、1枚目の鏡で反射した光が2枚目の鏡で反射されれば、光は戻ってきます。しかし、次ぎの図の右のように光がやってきた場合には、1枚目の鏡で反射した光は2枚目の鏡で反射しないため、光が戻ってきません。

Image011

光がどのような方向からやってきても、光をやってきた方向に確実に反射させるためにはどのようにしたら良いでしょうか。

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NATIONAL GEOGRAPHICのサイトを「光」「色」で検索すると

NATIONAL GEOGRAPHICのサイト( http://www.nationalgeographic.co.jp/ )を「光」「色」で検索すると、いろいろな光と色の話題を見つけることができます。

サイトの左側サイドメニューのサイト内検索のところに、光 色 と入力して検索ボタンをクリックします。下記のような検索結果が表示されます。

http://search-sitenaviplus.fresheye.com/?ord=s&cs=utf8&id=20356&kw=%E5%85%89%E3%80%80%E8%89%B2&gr=&x=0&y=0

なかなか面白い記事が見つかります。

その他のキーワードも面白いです。たとえばレンズとか視覚とか入れてみてください。

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2009年11月25日 (水)

光をやってきた方向に反射する-反射板の仕組み(1)

 自動車の反射板や、道路の路肩などに設置されている反射板は自ら光を出しているわけではありませんが、自動車のヘッドライトが当たるとよく光ります。これは反射板が自動車のヘッドライトの光をよく反射するからです。

Image004

 暗闇で上の写真の反射板に強い光を当てると、下の写真のように輝いて見えます。

Image006

 光をよく反射するもので良いのなら、平面鏡でも良いのではと思うかもしれません。しかし、平面鏡は反射板として使われません。その理由は中学校の理科で学ぶ光の基本的な性質のひとつである「光の反射の法則」を考えればわかります。

Image007

 平面鏡を自動車のヘッドライトで照らすとき、ヘッドライトからの光が平面鏡に垂直に当たった場合、反射光は自動車の方に戻ってきますから、運転席から鏡が輝いて見えます。しかし、光が斜めに当たった場合、反射光は自動車の方に戻ってきませんので、運転席から鏡が輝いて見えません。

 自転車の反射板や道路に設置されている反射板は、多少ヘッドライトからの光が斜めからあたっても必ず光って見えます。これは、反射板に当たったヘッドライトの光が必ず自動車の方へ戻ってくるということです。

 どのような仕掛けになっているのか考えてみましょう。

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2009年11月24日 (火)

ガラス玉レンズの焦点距離と倍率

  透明なガラス玉をレンズとした場合、そのレンズの焦点距離と倍率がどれぐらいになるかを考えてみましょう。

Glassball

 この場合も次のレンズメーカーの式を用いて求めることができます。

Lens2

 普通のルーペや理科の実験に使うレンズの場合は、R1R2dより十分に大きいので右辺第2項を無視することができましたが、球体の場合は dの大きさはR1R2の和にしか過ぎませんから、第2項を無視することはできません。そこで、この式にd =2R1 =R2=- を代入し、について解くと、次のようになります。

Glassball2

 ガラスの屈折率を1.5とすると、= 1.5 となります。この式を見るとわかる通り、球体の直径が小さければ小さいほど、球体の表面から焦点までの距離は小さくなります。つまり、ガラス玉レンズの焦点は球体表面のすぐそばにあることになります。

 ビー玉などを手にとり見てみると、物体が上下左右が逆転した実像が見えます。ビー玉をルーペのように扱うためには、物体を焦点の内側に置いて虚像を見るようにしなければなりません。

 さて、ルーペの倍率 は、明視の距離 250 mmをレンズの焦点距離 で割った値となります。直径 10 mmのガラス玉レンズの焦点距離 と倍率 m

f = 1.5 × 5 = 7.5 mm

m = 250/7.5 = 33.3 倍

直径 1 mmのガラス玉の場合は333倍にもなります。

 17世紀のオランダのアマチュア生物学者、アントニー・ファン・レーウェンフックは直径1mm程度のガラス玉1個を使った単式(単眼式)の顕微鏡を自作し、さまざまなものを観察しました。彼は200倍を超える倍率の顕微鏡で、微生物をはじめとする当時人間がまだ気がついていなかったいろいろなものを発見したり、観察したりしています。レーウェンフックと彼の顕微鏡についてはまた別の機会に紹介します。

Jan_verkolje__antonie_van_leeuwenho
Nederlands: Anthonie van Leeuwenhoek (1632-1723). Natuurkundige te Delft by Verkolje, Jan

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2009年11月23日 (月)

球面レンズの焦点距離の求め方

 球面レンズの焦点距離は、レンズの素材の屈折率とレンズの球面の曲率半径から求めることができます。

球面レンズの焦点距離

 いま上図のような曲率半径R1R2をもつ球面レンズがあるとすると、このレンズの焦点距離は次の式で求めることができます。

Lens2

 この式をレンズメーカーの式といいます。ここで、は焦点距離、n はレンズの材質の屈折率、d はレンズの厚さ、R1R2は、それぞれ光が入る側と出る側レンズの面の曲率半径です。レンズの面が光が入る方向に対して凸型の場合は正の値、凹型の場合は負の値になります。上の図ではR2 が負の値になります。

 ここで普通のレンズはレンズの厚さdより、レンズの曲率半径 R1R2 の方が十分に大きいので、上式の右辺の第2項を無視することができます。すると、レンズメーカーの式は次のようになります。

Lens3

 普通のルーペや理科の実験に使うレンズの場合、両面の形が同じで両凸レンズですから、R1R2  の大きさは同じとなります。 R1  は正の値、 R2 は負の値なので、 R1  =RR2  =-R とすると、上式は次のようになります。

Lens4_2

 ガラスの屈折率は1.5ぐらいですから、焦点距離 はほぼレンズの曲率半径 R に等しくなります。レンズの作図をするときに、このことを覚えておくと比較的正確な図を描けるので便利です。

 なお、作図するときに、焦点距離はレンズの面からではなくて、レンズの中心から焦点までの距離であることを忘れないようにしましょう。

 両面が対称の形をした両凸ガラス球面レンズの焦点位置は、レンズの曲率中心より、レンズの厚さの半分(d/2)だけ外側にあるということです。

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レンズの語源 (レンズの名前の由来 レンズマメ/レンズ豆)

 多くの言葉にはその言葉の元となる意味があります。例えば、光に関係する道具である鏡は英語でミラー(mirror)といいますが、mirrorの語根のmir-には「驚いて見る」という意味があります。これは「驚く、不思議に思う、見る」という意味をもつラテン語のmirareに由来しています。miracle(奇跡、不思議なこと)や「蜃気楼」mirage(蜃気楼)などの単語も同じ語根mir-をもっています。きっと古代の人々にとって、鏡は驚いて見るような不思議でかつ貴重な道具だったのでしょう。

 レンズも鏡と同様に光に関係する道具ですが、レンズという言葉には、見るという意味や、あるいは光を集める、物を拡大して見るなどの意味はありません。実はレンズという名前は植物のマメの名前に由来しています。そのマメの名前がずばりレンズマメ(レンズ豆)といいます。

 レンズマメは地中海沿岸を原産とするマメです。人類とレンズマメの付き合いはとても古く紀元前から食物として栽培されてきた植物です。旧約聖書の創世記では、アブラハムの息子のイサクの子のエサウが狩猟から疲れ切って戻ってきた際、双子の弟ヤコブが料理していたレンズマメのスープを食べさせてもらう代わりに、その長子権を譲ったことが記されています。

 レンズマメは次の写真のように凸レンズに似た形をしています。現代の私たちはレンズマメを見て「レンズに形が似ている」と思うかもしれませんが、本当はその逆でレンズの形がレンズマメに似ていたからレンズと名付けられたのです。

Lentil レンズ豆 レンズの語源 レンズの名前の由来
レンズのキホン(ソフトバンククリエイティブ)

下記はレンズの基本と仕組み(秀和システム)に掲載したレンズ豆の写真です。

 レンズマメ(レンズ豆)は英語ではlentil、ラテン語ではlens、ギリシャ語ではphakosといいます。英語で眼の水晶体のことをlens、白内障などによる水晶体の欠損をaphakia(無水晶体)といいますが、これらの名前もレンズマメ(レンズ豆)に由来しています。

 レンズは日本語名もレンズで特別な名前はありません。戦時中は英語の使用を避けるため中国語の透鏡という漢字が使われました。同様にプリズムは稜鏡と呼ばれました。

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中国語のレンズの本

 現在、レンズのことを透鏡と呼ぶことはありませんが、レンズで作られた道具が眼鏡、顕微鏡、望遠鏡と呼ばれるように今日でも鏡という漢字が使われています。光を使う道具としてはレンズより鏡の方が歴史が古いため、レンズに鏡という漢字が慣習的に使われるようになったのでしょう。

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2009年11月22日 (日)

光学系の仕組みと応用

光学系の仕組みと応用―主要光デバイスにおける光学系機構と応用の実際

さまざまな光学機器の仕組みを知りたい人におすすめの本です。光学機器を解説した本はいくつかありますが、網羅的にかつ詳細に光学機器を解説しています。

単行本
出版社: オプトロニクス社 (2004/1/1)
言語 日本語
ISBN-10: 4902312018
ISBN-13: 978-4902312010
発売日: 2004/1/1
商品の寸法: 25.6 x 18.4 x 2 cm

【目次】

第1章 メガネ 
     1. はじめに
     2. メガネレンズの光学系
     3. 単焦点非球面レンズの設計
     4. 乱視レンズの設計
     5. 累進屈折力レンズの設計
     6. 累進レンズの見え方シミュレーション
     7. メガネレンズの性能評価
     8. まとめ
      
 第2章 天体望遠鏡                   
     1.望遠鏡の変遷
       1.1 天体望遠鏡の特徴
       1.2 屈折望遠鏡
       1.3 最近の屈折望遠鏡
       1.4 反射望遠鏡
     2.大口径化
       2.1 大口径化の課題
       2.2 主鏡の変形
       2.3 鏡筒・架台 
     3.さらなる大口径化
     4.すばる望遠鏡
       4.1 主鏡の製作
       4.2 主鏡の支持--アクティヴ・サポート
       4.3 駆動系
       4.4 補償光学
     5.その先は…
     6.おわりに
        
 第3章 顕微鏡
     1.はじめに
       1.1 光学顕微鏡の発展
       1.2 顕微鏡における光学系
       1.3 本稿の構成
     2.顕微鏡光学系の基本構成
       2.1 光学顕微鏡の種類
       2.2 光学顕微鏡の基本機能と光学系構成
     3.観察光学系の基本
       3.1 光学顕微鏡の原理(複式顕微鏡)
       3.2 倍率
       3.3 分解能
        3.3.1 対物レンズの開口数(NA)
        3.3.2 分解能と開口数(NA)
       3.4 焦点深度
       3.5 同焦点距離・機械的鏡筒長
       3.6 無限遠補正光学系
     4.対物レンズ・接眼レンズ
       4.1 対物レンズの分類
        4.1.1 用途による分類
        4.1.2 観察方法による分類
        4.1.3 倍率による分類
       4.2 収差補正と対物レンズの分類
        4.2.1 色収差補正による分類(等級)
        4.2.2 像面湾曲収差補正による分類
       4.3 接眼レンズ
        4.3.1 視野数
        4.3.2 接眼レンズの種類
     5.照明光学系の基本
       5.1 照明光学系の基本要件
       5.2 クリティカル照明
       5.3 ケーラー照明
       5.4 コンデンサレンズ
       5.5 落射(反射)照明系
     6.顕微鏡の特殊観察法
       6.1 暗視野観察法
       6.2 位相差観察法
       6.3 微分干渉観察法
     7.顕微鏡の新たな展開(1)蛍光顕微鏡
       7.1 蛍光について
       7.2 蛍光物質と蛍光観察
       7.3 蛍光顕微鏡の基本観察
       7.4 蛍光用フィルタ
        7.4.1 フィルタの配置構成
        7.4.2 励起フィルタ
        7.4.3 ダイクロイック・ミラー
        7.4.4 吸収フィルタ
        7.4.5 蛍光キューブ
       7.5 蛍光用光源
       7.6 最近の状況 蛍光物質のイノベーション
     8.顕微鏡の新たな展開(2)新型顕微鏡
       8.1 レーザ走査型共焦点顕微鏡(CLSM)
        8.1.1 レーザ走査
        8.1.2 レーザ光源
        8.1.3 共焦点光学系
        8.1.4 最近の状況
       8.2 全反射型蛍光顕微鏡(TIRFM)
        8.2.1 全反射とエバネッセント波
        8.2.2 一分子蛍光観察への利用
        8.2.3 TIRFMの光学系
     9.最後に
     
 第4章 カメラ
     Ⅰ.カメラ用光学系の基礎と歴史
     1.カメラ用光学系の基礎の概要
       1.1 結像光学系は一枚の凸レンズと原理的に等価
       1.2 焦点距離と画角
       1.3 有限物体距離の構成
       1.4 ズームレンズの原理
       1.5 距離合せの原理
        1.5.1 マニュアルフォーカス
         a. 二重像合致の距離計連動式
         b. 上下像合致式
        1.5.2 オートフォーカス
         a. 三角測距方式
         b. 2次結像位相差検出方式
       1.6 観察系の原理
        1.6.1 虚像式
        1.6.2 実像式
         a. 別光路実像式
         b. TTL実像式
     2.撮影レンズ光学系の進歩
       2.1 望遠レンズ光学系
       2.2 (超)広角レンズ光学系
       2.3 標準レンズ光学系
       2.4 ズームレンズ光学系
        2.4.1 標準ズーム
        2.4.2 望遠ズーム
        2.4.3 広角ズーム

     Ⅱ.カメラ用光学系--近年の新たな技術
     1.一眼レフカメラの光学系
       1.1 AF光学系
       1.2 視線入力光学系
     2.コンパクトカメラの光学系
       2.1 標準ズーム撮影光学系
       2.2 高倍ズーム光学系
     3.交換レンズ撮影光学系
       3.1 ズームレンズ光学系
       3.2 防振光学系
       3.3 回折光学素子
     4.デジタル一眼レフカメラ

     Ⅲ.コンパクトタイプ・デジタルカメラ
     1.デジタルカメラ用撮像光学系の特徴
       1.1 深くて浅い?深度
       1.2 光学系なローパスフィルターの存在
       1.3 回折の影響
     2.デジタルカメラ用光学系の設計上のポイント
       2.1 高性能化(その狙いと手段)
       2.2 射出瞳変動の抑制
       2.3 量産プロセスへの配慮
     3.デジタルカメラ用ズームタイプとその適応
       3.1 ビデオズームタイプ
       3.2 多群移動タイプ
       3.3 ショートズームタイプ
     4.結語
     
     
 第5章 光学式事務機器
     Ⅰ.入力光学系
     1.アナログ複写機用光学系
     2.デジタル入力光学系の基本構成
     3.各構成要素に求められる要件と技術動向
       3.1 ラインセンサーの動向
       3.2 照明系
       3.3 結像レンズ
        3.3.1 読取り密度と倍率設定
        3.3.2 焦点距離の設定
        3.3.3 レンズFナンバー
        3.3.4 結像性能
       3.4 走査駆動系
       3.5 画像処理
     4.商品展開の特徴と今後の展望
       4.1 PC接続のイメージスキャナ
       4.2 複写機(MFP)用A3スキャナ
     5.おわりに

     Ⅱ.出力光学系
     1.レーザープリンタの光学系
     2.光源光学系
     3.ポリゴンミラー
     4.走査光学系
     5.マルチビームレーザー走査光学系
     6.タンデムレーザー走査光学系
     7.おわりに
     
     
 第6章 光ピックアップ
     1.はじめに
       1.1 光ディスクシステムの発展の概要
       1.2 光ピックアップ発展の概要
       1.3 本稿の構成
     2.光ピックアップの構成
       2.1 CD用ピックアップの構成
       2.2 フォーカスサーボシステムとトラックサーボシステム
        2.3.1 フォーカス誤差の検出
         (1) 非点収差法
         (2) フーコー法
        2.3.2 トラッキング誤差の検出
         (1) 3ビーム法
         (2) プッシュプル法(1ビーム法)
       2.4 光ピックアップの性能
        2.4.1 光ピックアップの性能の評価
        2.4.2 記録密度
       2.5 CD用ピックアップの発展
     3.CD用ピックアップレンズ
       3.1 CD用ピックアップレンズの構成
       3.2 CD用レンズの仕様
       3.3 CD用ピックアップレンズの性能
       3.4 CD用プラスチックレンズの発展
     4.DVDピックアップの光学系
       4.1 DVDピックアップ光学系の発展の経緯
       4.2 DVD-CD互換およびDVD-CD-CD/R互換のピックアップ光学系
         (1) 2ピックアップシステム
         (2) 2対物レンズピックアップシステム
         (3) 液晶シャッターを有する1波長ピックアップシステム
         (4) ホログラムレンズを用いた1波長の2焦点ホログラムピックアップシステム
         (5) 別体ホログラムを有する1波長の2焦点ホログラムピックアップシステム
         (6) 輪帯マスクを有する1波長のピックアップシステム
         (7) ズーム光学系利用の1波長のピックアップシステム
         (8) ダイクロイックフィルターを用いた2波長のピックアップシステム
         (9) 特殊対物レンズ使用の1光源1波長のDVD-CD-CD/R互換のピックアップシステム
         (10) 特殊対物レンズ使用の2光源2波長のDVD-CD-CD/R互換のピックアップシステム
         (11) 回折対物レンズ使用の2光源2波長のDVD-CD-CD/R互換のピックアップシステム
         (12) 位相差を用いた互換ピックアップシステム
       4.3 DVD-CD-CD/R互換の特殊対物非球面プラスチックレンズと回折対物非球面プラスチックレンズ
         (1) DVD-CD互換(1波長用)およびDVD-CD-CD-R互換(2波長用)特殊対物非球面プラスチックレンズを用いたピックアップシステム
         (2) DVD-CD-CD-R互換回折対物対物非球面プラス
     5.光記録・再生システムの将来
       5.1 記録・再生システムの将来概要
       5.2 HD-DVD
       5.3 近接場光学を用いた記録方式
        5.3.1 SIL方式とSIM方式
        5.3.2 Super-RENS
       5.4 ホログラフィックメモリー
     [補記]
     1.非球面レンズ
     2.回折レンズ
     
     
 第7章 半導体露光装置
     1.はじめに
     2.光リソグラフィ技術の概要
     3.投影光学系の概要
       3.1 解像力
       3.2 収差
       3.3 レンズ材料品質
       3.4 レンズ面加工精度
       3.5 色収差と露光光スペクトル分布
       3.6 テレセントリック光学系
     4.投影光学系の発展
       4.1 Lowk1リソグラフィ
       4.2 非球面の採用
       4.3 オプトメカニカル設計
       4.4 走査露光(スキャニング露光)
       4.5 ゼルニケ多項式の利用
     5.将来投影光学系
       5.1 液浸リソグラフィ
       5.2 F2リソグラフィ
       5.3 反射屈折光学系
       5.4 EUVリソグラフィ用反射光学系
     6.おわりに
        
 第8章 測量機器
     1.はじめに
     2.角測量
       2.1 視準望遠鏡
       2.2 角度検出系
     3.水準測量
       3.1 チルチングレベル
       3.2 自動レベル
     4.距離測量
       4.1 光波測距儀
     5.近年における新しい展開
     
     
 第9章 電子内視鏡
     1.はじめに
       1.1 内視鏡の発展
       1.2 内視鏡の分類と用途
       1.3 本稿の構成
     2.電子内視鏡の光学系
       2.1 基本システム
       2.2 対物レンズ
       2.3 照明レンズとライトガイドファイバー
     3.細径化への挑戦
       3.1 CCDの小型化と対物レンズ
       3.2 照明光学系
        3.2.1 ライトガイドファイバー束の伝送効率の向上
        3.2.2 光源光学系と先端照明レンズとのNAのマッチング
       3.3 光源光学系の工夫
       3.4 光源光学系のシミュレーション技術
     4.今後の発展
        
 第10章 眼科用機器
     1.はじめに
     2.眼について復習する
     3.エキシマレーザー角膜矯正手術装置の光学系
     4.眼の波面収差測定
     5.前眼部撮影機(シャインプルーフカメラ)
     6.眼底カメラ
     7.Scanning Laser Opthalmoscope(SLO)
     8.Scanning Laser Polarimeter GDx/GDxACCESS
     9.Optical Coherence Tomography(OCT)
     10.OCT/SLO(三次元OCT)
     11.まとめにかえて
        
 第11章 超高精度三次元測定機
     1.はじめに
     2.ナノメートルを測る測定標準機とは
     3.光学系と原子間プローブ
     4.UA3Pのレーザ座標スケール
     5.UA3Pのソフトウェア
     6.実用例
     7.おわりに 

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2009年11月21日 (土)

オーパーツ「世界最古のレンズ」は本当にレンズか アッシリアのレンズ/ニムルドのレンズ

 Googleで「最古のレンズ」で検索してみると、「紀元前700年頃、現在のイラクの北方にあったアッシリア文明の都市ニネヴェの遺跡から、直径3.8cm、焦点距離11.4cmの水晶のレンズが見つかっている。このレンズは太陽光を集めるのに使われた」という説明がたくさん出てきます。元になっている情報を探してみました。

 海外ではこちらのサイトに似たような記述があります。このサイトには、このレンズをBritish Association for the Advancement of Science に紹介したのは、万華鏡の作成や偏光角の発見で著名なディヴィッド・ブリュースターと書いてあります。

いろいろ検索してみたところ、たぶんこの話の元になっているのは下記の論文ではないかと思います。

W.B.Barker, The Nineveh Lens,
British Journal of Physiological Optics, Vol. 4, No. 1, January 1930., pp. 4-6.

 この論文を引用して説明しているサイトでは、このレンズは大英博物館にあり、レイヤードという人物が1853年に発見したとかかれています。レイヤードの発見が1853年、上記の論文が1930年、77年もの開きがあるのも気になります。

 大英博物館にある1853年にレイヤードが発見した「水晶体の小片」はアッシリア文明のニムルドという都市で見つかったもので、紀元前800~900年頃のものとなっています。

このことは、1966年に日本で開催された「アッシリア大文明展」の図録 『大英博物館 アッシリア大文明展 芸術と帝国』 にも写真付きで紹介されています。この図録は現在でも古本屋で入手することができます。

Photo

この図録にこの水晶の小片に関する説明が記載されています。

 レヤードが水晶の小片を発見したとき、彼はすぐにそれがレンズではないかと想像したそうです。その小片はほぼ円形の形をしていて、大きさが長さ4.2 cm、幅3.45 cm、厚さはもっとも肉厚のところが0.64 cmです。小片の片面は平らで他方が膨らんだ形状でした。つまり、平凸レンズの形をしているのです。

 このレンズを本の上に置くと、文字を拡大して見ることができます。小片が発見された後、たくさんのレンズの専門家(この専門家というのはディヴィッド・ブリュースターの可能性がありそうです)が調べた結果、この水晶の小片は焦点距離が12 cmのレンズであり、意図的にレンズとして作られたものに違いないと結論づけられました。そして、それ以来、「ニムルードのレンズ」と呼ばれるようになったようです。

 プトレマイオスが透明な球体で物を拡大して見ることができると述べたのが紀元後2世紀ですから、もし、それより古い時代のアッシリアから精巧なレンズが見つかったとなると、これは世紀の大発見ということになります。しかし、その時代にレンズが意図的に作られていたとはたいへん考えにくいです。

 発見者のレヤードは「この小片は多くの不透明な青いガラス片の下から出土した。それらのガラスは朽ち果てた木製や象牙製の何かを覆っていた象嵌材の破片と考えられる」と報告しています。

 つまり、壁や何かの像などに埋め込まれていた水晶の板ということになります。たまたまレンズの形をしていただけでレンズではなかったわけです。現在では、家具や置き物などの装飾に使った象嵌材として作られた可能性が高いというのが考古学の専門家の見方のようです。

ということで、インターネットで「世界最古のレンズ」と紹介されているニネヴェのレンズというのは、「ニムルードのレンズ」と同じもののことであり、それは世界最古のレンズではないと結論づけておきたいと思います。

これがその「レンズ」の写真です。

Photo_2

なお、大英博物館のサイト(英語)にもほぼ同じ内容の解説があります。

http://www.britishmuseum.org/research/search_the_collection_database/search_object_details.aspx?objectid=369215&partid=1

Description

Oval rock-crystal inlay: ground and polished, with one plane and one slightly convex face. It has been regarded as an optical lens but would have been of little or no practical use.

Dimensions

Diameter: 1.25 centimetres
Thickness: 0.25 centimetres (maximum)
Length: 4.2 centimetres
Width: 3.45 centimetres
Length: 12 centimetres (focal length)

Curator's comments

When it was found by Layard this oval piece of ground quartz or rock crystal was immediately identified as a lens, and it has come to be known as the 'Nimrud lens'. It could certainly have been used as a crude magnifying glass, with a focal length of 12 centimetres from the plane surface. Over the years it has been examined by a number of opticians (e.g. Gasson 1972), many of whom believe that it was deliberately manufactured as a lens. However, although this piece of rock crystal has been carefully ground and polished, and undoubtedly has optical properties, these are probably accidental. There is no evidence that the Assyrians used lenses, either for magnification or for making fire, and it is much more likely that this is a piece of inlay, perhaps for furniture. This is supported by Layard's statement that this object 'was buried beneath a heap of fragments of beautiful blue opaque glass, apparently the enamel of some object in ivory or wood, which had perished' (Layard 1853: 198).

Bibliography:

  • A. H. Layard, ‘Discoveries in the Ruins of Nineveh and Babylon’ (London, 1853), 197-98;
  • G. Gasson, ‘The oldest lens in the world: a critical study of the Layard lens’. ‘The Opthalmic Optician’, 9 December 1972, 1267-72;
  • L. Gorelick & A. J. Gwinnett, ‘Close work without magnifying lenses’. ‘Expedition’ 23 (1981), figs. 7a-b.

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2009年11月20日 (金)

色彩学貴重書図説―ニュートン・ゲーテ・シュヴルール・マンセルを中心に

 光や色彩の探求の歴史上重要な資料が多数掲載されています。冒頭は古代壁画などの解説に始まります。また、ニュートンが光についてどのような実験をやったのかなど、ニュートンが描いた図を見ることができます。ゲーテの色彩に関するニュートンへの反論なども図で楽しむことができます。

 哲学者としてのニュートン、自然科学者としてのゲーテ、色彩調和論の先駆者シュヴルール、“色のものさし”を創案したマンセルを中心に取り上げ紹介。色彩の入門者を歴史探訪へ誘う、しかも見て楽しい色の画集のような一冊(「MARC」データベースより)。

 “色彩文化の歴史的記念碑”あるいは“色彩学三代古典書”と呼ばれる貴重書に、科学史を転換させたニュートンの『光学』(1706)、文豪ゲーテが20年をかけた壮大な著作『色彩論』(1818)、印象派画家から「色のバイブル」と呼ばれた化学者シュブルールの『色の同時対比の法則』(1938)があります。豊かな社会が到来した20世紀には、徐々に色彩計画の重要性が増し「色のものさし」が求められました。このときマンセルは『色表記法』(1905)で画期的な提案を行い、彼が創案したカラースケールは、学問分野のみならず全産業に大きく貢献しました。

 本書では、上記4人の著書の図説を中心に、主に16世紀から今日までの色彩学の発展に貢献した重要な書籍を図説で解説。色彩研究史年表も充実させました。

著者:北畠 耀

単行本:101ページ
出版社::日本塗料工業会 (2006/04)
ISBN-10::4841904158
ISBN-13::978-4841904154
発売日:2006/04

目次

01. 古代社会における色彩象徴
02. 古代ギリシアの世界観
03. 中世の色彩文化
04. ルネサンスの造形術と色彩書
05. 17世紀における色彩体系の発想
06. 科学革命時代の群像
07. 哲学者としてのニュートン
08. 自然科学者としてのゲーテ
09. 色彩調和論の先覚者シュヴルール
10. 複製術(版画・印刷・織布・写真)の開発者たち
11. 色を音の類比で構想したフィールド
12. 明治初期の初等教科書『色圖問答』
13. 産業の色彩と教育の色彩
14. “色のものさし”の創案者マンセル
15. 色空間で調和を論じたオストワルト
16. 色名体系の登場と発展
17. メルツ&ポール色名辞典
18. ISCC-NBS色名法
19. 18世紀以降の色彩体系の展開
20. XYZによる表色系の統括
APPENDIX
色と光の文化史年表
色と光の探求者関連年表

巻末折り込み:
太陽光のスペクトルとシュヴルール色相との対応図

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虹は7色なのか 虹の仕組み(3)

■ 虹は本当に7色なのか

 虹の色は赤橙黄緑青藍紫の7色と考えられていますが、虹は赤から紫まで連続的に変化する無数の色でできています。決して7色ではありません。

Rainbow

 虹を7色と決めたのはニュートンです。もともと虹の基本色は赤黄緑青紫の5色でしたが、果物のオレンジの橙色と、植物染料インディゴの藍色を加えて7色としたそうです。その7色を順番に並べてみると次のようになります。

赤(あか)~橙(だいだい)~黄(き)~緑(みどり)~青(あお)~藍(あい)~紫(むらさき) 

 上の写真だと7色がほぼ確認できると思いますが、色の変化は連続的です。

 ニュートンも色と色の間は色が無限に変化していると言っていますが、どうして7色としたのでしょうか。ニュートンが虹を7色と決めた当事、7は神聖な数字と考えられていました。聖書にも7はたくさん出てきます。また、音楽のオクターブもドレミファソラシの7音です。こうしたことから、美しい虹も7つの基本の色からできていると考えたのでしょう。

Keyboard

 日本人が虹の色を7色と考えるのは、ニュートンの虹の研究に由来する学校教育によるものです。諸外国では、虹の色は5色や6色とするところもありますが、厳密に虹が何色かはあまり気にしていないようです。

 虹の色が何色に見えるのかは、科学の問題ではなく、文化の問題です。何色に見えるかではなく、何色と見るかということです。

 子どもが描いた虹が7色でなくても、大きな問題ではありません。むしろ、先入観なく、どのように見えているのかをありのままに描いているのでしょう。

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    2009年11月18日 (水)

    虹の形の秘密 虹の仕組み(2)

    虹の形はどうして円弧なのか

     私たちが普段見ている虹の形は次の写真のように地平線や水平線で途切れた円弧です。


    from Wisdom96画像掲示板(直リンク)

     虹が円弧になる理由を赤色光で考えてみましょう。

     次の図の左側のように赤色光がやってくる42度の方向の点をつないでいくと、どのようになるでしょうか。虹を見ている人の視点をOとすると、Oから赤色が見える方向は角POQで作られる大きなコンパスで描かれた半円となります。虹が円弧に見えるのは虹のそれぞれの色が決まった方向から見えるからです。

     また、虹を高い山頂などから見下ろしたときには、自分の目線の下にある水滴から出てくる光も目に届くことになります。この場合、虹の下半分も見えることになり、虹は円形となります。

    Rainbow1

    虹に近づくことができないのはなぜか

     虹を作る水滴は空気中にたくさん漂っています。目では見ることができませんが、分厚い層になっています。そのため、虹が見える方向に近づいても、その水滴の層があるうちは虹が見えることになります。

    人間が歩いたり、走ったりする移動速度では、この水滴の層から容易に抜け出すことができないため、虹に近づくことができないのです。また、水滴の層は観測者から見て上下左右前後に広がっていますから、虹から遠ざかる方へ移動しても、上下や左右に移動しても、虹が見えることになります。

     虹が見えなくなるのは水滴の層を抜け出したときです。

    Rainbow

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    2009年11月15日 (日)

    光と視覚の科学―神話・哲学・芸術と現代科学の融合

    光と視覚の科学―神話・哲学・芸術と現代科学の融合

    アーサー ザイエンス (著), Arthur Zajonc (原著), 林 大 (翻訳)

    人類が光と視覚についてどのような疑問をもち、どのように考え、どのように取り扱い、そして科学的にどのように解き明かしてきたのかなどを解説する一冊です。

    光と視覚について人間がこの3000年間に考えてきたことを、重層的に、余す所なく書き尽くす。物理学と心理学、数学と直観、科学と芸術…あらゆるアプローチと洞察をとりあげ、対比し、一体化させる。

    単行本: 425ページ
    出版社: 白揚社 (1997/09)
    ISBN-10: 4826900791
    ISBN-13: 978-4826900799
    発売日: 1997/09
    商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 3.4 cm

    目次

    1 絡み合う二つの光―自然の光と精神の光
    2 光の贈り物
    3 分断された光―神の光と光の科学
    4 光を解剖する
    5 歌う炎―エーテルの波としての光
    6 輝く場―電気の光で見る
    7 虹の扉
    8 光を見る―科学に魂を吹き込む ゲーテとシュタイナー
    9 蝋燭の光の量子論
    10 相対性と美
    11 最小の光―現代の見方
    12 光を見る

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    大空のキャンパスに描かれた光と色の芸術 虹の仕組み(1)

    虹

     雨上がりの空にかかる虹はとても綺麗です。虹は自然が作り出す光と色の芸術といえるでしょう。大空のキャンパスにあの美しい色の帯はどのように描かれるのでしょうか。虹の仕組みについて考えてみましょう。

    プリズムでできる光の色の帯

     イギリスの物理学者アイザック・ニュートンは1672年に「光と色についての新理論」という論文をまとめました。ニュートンはこの論文の中で、ニュートンはその本の中で、太陽光をプリズムに通すと、赤から紫まで連続して変化する光の色の帯が現れる現象について述べています。ニュートンは太陽の光には色がついていないが、太陽の光は7色の光が混ざったものであることを示しました。

    ※論文によると、ニュートンがこの実験を行ったのは1666年です。ニュートンは1672年にこの十件結果を「光と色についての新理論」という論文で報告しています。また、1704年に「Optics(光学)」という本を出版し、改めてこの実験についてまとめています。

    Prism

     この現象を光の分散といい、光の色の帯のことをスペクトルといいます。プリズムで光が分散するのは、光がプリズムで屈折するからです。光の色は、光の波長(振動数)の違いであり、波長が短い方から長い方に従って紫から赤へと変化します。プリズムで光を分散させたとき、もっとも大きく屈折するのは波長の短い紫色の光です。

     プリズムで取り出したそれ以上分散させることができない単一の波長の光を単色光といいます。太陽や電灯の光はたくさんの単色光が集まった白色光です。プリズムでできるスペクトルが、私たち人間が見ることができる光であり、この範囲の光を可視光線と言います。白色光をプリズムで分散させた光を凸レンズで集めると、もとの白色光になります。このことについては、このブログの光があるところに色があるで解説しましたので、興味のある方はごらんください。

    虹ができるしくみ

     雨が降ったあとの空には、たくさんの小さな水滴が浮かんでいます。このたくさんの小さな水滴に太陽の光が当たると、水滴がプリズムと同じような働きをして虹を作ります。もちろん、球形の水滴の中での光の道筋は三角形のプリズムとは異なりますし、虹ができる仕組みはプリズムで光の色の帯ができる仕組みよりも複雑です。

     太陽の光が水滴に当たると、光は水滴の表面で屈折して水滴の中に入っていきます。その光は、水滴の内側で反射し、再び水滴の表面で屈折して外へ出てきます。この外へ出てくる光は、光の色によって特定の角度で強くなります。この角度が、赤い色の光では約42度、紫色の光では約40度になります。これが普段、私たちが虹と呼んでいる明るい光の帯ができる仕組みです。 この虹を主虹といいます。

     また、主虹の上に、もう一つぼんやりとした虹が見えることがあります。この虹を副虹といいますが、副虹は水滴の中で2回反射して出てくる光によってできる虹です。赤い色の光は約51度、紫色の光は約53度になります。

     理論的には水滴の中で光が3回以上反射する副虹もできるのですが、反射回数が多くなると光が弱くなるため、それらの虹は見ることができません。

    主虹と副虹

    これを虹と並べて描いてみると、次の図ようになります。

    虹が見えるのは太陽と反対側の空に見えます。つまり太陽を背にしたときに見えるわけです。

    また、水滴の形が歪んでいる場合、たくさんの水滴から光が違う方向に出てきて散乱するため、虹はできません。

    主虹と副虹 虹の仕組み

     主虹と副虹の間の空や景色は、主虹の下側や、副虹の上側に比べて暗くなります。この部分をアレキサンダーの暗帯といいます。なぜ、この部分が暗くなるかというと、水滴から出て来る光が、虹が見える方向にやってこないからです。

     次の写真は主虹(下側)と副虹(上側)を撮影したものです。主虹と副虹の色の順番が逆転していることがわかります。また、主虹と副虹の間の空が暗くなっていることがわかります。

     主虹は副虹は暗いため見る機会は少ないかもしれませんが、虹がでたときには副虹が見えていないかよく確認してみましょう。

    虹

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    2009年11月13日 (金)

    鏡の中の世界はどこまで続くか

     鏡と鏡を合わせて、鏡の中をのぞくと映っているものが永遠に続くように見えます。

     下の写真は2枚の鏡に挟まれたカウンターテーブルが片方の鏡に映っている様子を撮影したものです。細線から右側が鏡の中の世界です。

     天井の電灯とテーブルの上のキャンドルが永遠に続いているように見えます。

    Photo

     どうして永遠に続いているように見えるかというと、下の図のように2枚の鏡の間で光が何度も反射を繰り返しているからです。 鏡に映った様子が反対側の鏡に映り、その鏡がまた反対の鏡に映り・・・を繰り返しているから、物体が無限に映っているように見えるのです。

    Photo2

     それでは、実際のところ、物体は本当に無限に見えているのでしょうか。 鏡をのぞく角度によっては、物体が途中で見えなくなりますが、これはひとまず無視します。

     よく光を反射する鏡といえども、鏡はやってきた光をすべて跳ね返すことはできません。普通の鏡はガラスの裏面に銀やアルミニウムを付着(実際には蒸着)させたものです。銀の光の反射率は98%ぐらい、アルミニウムは90%ぐらいです。

     最近の安価な鏡はアルミニウムが用いられています。アルミニウムの鏡に1の強さの光が当たると、0.9の光が反射されて、0.1の光が失われます。

     つまり下記のように光が反射する割合が減少していきます。ですから、上の図でいうと、鏡の奥に見えるロウソクほど暗くなります。やがて、鏡には映らなくなります。

    反射回数 光の強さ
    1回目 1x0.9=0.9
    2回目 0.9x0.9=0.81
    3回目 0.81x0.9=0.729
    4回目 0.729*0.9=0.6561
    5回目 0.729*0.9=0..59049
     :   :  
    n回目 0.9n

    もっとも、鏡の奧に映る虚像はどんどん小さくなっていくので、光の減衰にはあまり気がつきにくいかもしれません。

    ということで鏡の中の世界はどこまでも続かないでした。

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    2009年11月11日 (水)

    見えている月がそこにはない 大気差の仕組み

    夜空に輝く月が水平線や地平線に沈んでいくとき、月は本当はすでに地平線に沈んでいると言われたら、あなたは信じることができるでしょうか。

     夜空に輝く星の光は地球の大気で屈折しています。この屈折の度合いは天頂ではゼロですが、星の高さが低くなればなるほど大きくなります。そのため高度の低い星は実際に星がある位置よりも浮き上がって見えています。この現象を大気差といいます。

    Photo

     空気の屈折率は1と説明することが多いのですが、非常に厚い大気の層では光は屈折して曲がってしまうのです。

     このずれは水平線(地平線)近くの星では角度にして約0.6度もあります。24時間で360度移動すると考えると、1度あたり移動するのにかかる時間は24×60/360 = 4 minです。

     見かけの月の直径は角度にすると約0.5度ですから、月は最下部が地平線にかかってから約2分で地平に沈むことになります。

     月と地球の距離は約38万4千キロメートルで、月で反射した光は約1.28秒で地球にやってきます。ですから、月がまさに地平線に沈むとき、月の実体はすでに地平線に沈んでいることになります。

     これは太陽でも同じことです。もっとも太陽の場合、太陽から地球までの距離が約1億5千万キロメートルで光がやってくるのに8分19秒かかりますので、大気差を持ち出すまでもなく、太陽は沈んでいることになります。

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    2009年11月10日 (火)

    海上に現れる蛤の化け物 蜃気楼の仕組み

     中国の古い言い伝えに、巨大なハマグリの化け物が妖気を吐いて楼閣を作るという話があります。

     また、15~17世紀頃の大航海時代には、航海中に海上に突然化け物が現れたという目撃例がたくさんありました。

     これらは空気と光のいたずらでできる蜃気楼という現象です。蜃気楼は、水平線付近の遠くの景色が上下に伸びて見えたり、空中に浮いて見えたりする現象です。

     蜃気楼が起きるときには、温度の異なる空気の層が上下にできています。

     次の図のように、海面近くの空気が冷たく、上方の空気が暖かいときには、光は冷たい空気と暖かい空気との境目であたかも反射したようにやってくるので、遠くにある建物が上に伸びたように見えます。この蜃気楼を上位蜃気楼といいます。

    Photo

     逆に次の図のように海面近くの空気が暖かく、その上方の空気が冷たいときには、水平線付近に見える建物が海面に映ったように見えます。本来、建物の下方が見えるはずの位置に、建物の上方や空が映って見えるため、建物が下に伸びたり、空中に浮いたりしているように見えるのです。このような蜃気楼を下位蜃気楼といいます。

    Photo_2

     下の写真は2004年の暮れに北海道白老町の海岸で撮影した下位蜃気楼です。実体の船の下に、ひっくり返った船の像を確認することができます。

    Photo

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    2009年11月 8日 (日)

    どこまで走ってもたどり着けない水たまり 逃げ水の仕組み

     夏の暑い晴れた日に直線道路を自動車で走っていると、前方に水たまりのようなものが見えることがあります。しかし、自動車でどこまで追いかけてもその水たまりに近づくことはできません。この現象を逃げ水といいます。

     次の図は逃げ水の仕組みを示したものです。太陽光で道路が熱せられると下方の空気が熱せられて空気の密度が小さくり、上方の空気との間に密度の勾配ができます。

    Photo

     光は密度が大きい媒質ほど大きく屈折するという性質がありますから、空気の密度の勾配の中では曲がって進むことになります。そのため遠くにある物体(図の例では前方を走る自動車)から出た光は、空気の層で図のように屈折して目に届きます。そのため、光がやってくる延長線上に物体の像が見えるのです。逃げ水は蜃気楼の一種(下位蜃気楼)です。

    ところで前方に自動車が走っておらず、地平線が見えるほど真っ直ぐな道路でも蜃気楼が見えます。この場合は空や遠くの景色が逃げ水となっています。

    YouTubeになかなか面白い映像がアップされていました。トラックに水がまかれており、人が水面に映っているように見えます。やがて、ランナーがやってきますが、表題にあるようにまるで水面上の空中を走っているような感じです。

    人の映り方からも、逃げ水が下位蜃気楼であることがわかります。

    空中を走ってる! 陸上競技場の陽炎 (逃げ水)

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    【関連記事】海上に現れる蛤の化け物 蜃気楼の仕組み

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    2009年11月 7日 (土)

    空気のゆらぎが光を曲げる 陽炎の仕組み

     ろうそくの炎や電熱器の上側に見える景色がゆらゆらと揺れて見えることがあります。

    また鍋に入れた水をガスコンロで暖めていくと水がもやもやと揺れて見えます。

     これらの現象は、空気や水が暖められて密度の小さい部分と大きい部分ができ、光が屈折して進む方向が乱れるために起こります。このような現象をシュリーレン現象といいます。

     夜空に輝く星がキラキラ瞬いて見えるのも、気温や気圧によって大気が揺らいでいるからです。このように、同じ物質でも密度が大きいところと小さいところでは光の屈折率が違い、ものが揺らいで見えるのです。

    下記の写真はジェット機のエンジンから出る排ガスで後方の空気がゆらいで見えるところを撮影したものです。

    Photo

    一般的にこのような現象を陽炎といいます。

    陽炎は単純に異なる密度の空気が乱雑に混雑しているので景色がゆらいで見えるだけですが、温かい空気と冷たい空気が層となって密度勾配ができると、逃げ水や蜃気楼となります。

    YouTubeで陽炎がよくわかる動画を見つけました。

    陽炎駅 shimmer's station

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